ACE COMBAT The Belkan war 円卓の騎士たちへのレクイエム


――蒼い鳥と片羽・・・それが私の運命を変えた。
最初見たときは・・・まぁ、筋はよかったかな。
〜2005 11/25 マルセラ・バスケスのインタビューより〜


ACE COMBAT The Belkan war 円卓の騎士たちへのレクイエム
第3章 171号線奪還〜ローゼンライン作戦〜


1995年4/15 ヴァレー空軍基地

「あー・・・退屈。」
偵察飛行なんてもううんざりと言いたげな表情で、マールはブリーフィングルームにむかった。
メンバーはかなり増えている。
F-16Cの編隊であるクロウ隊とF-105Dサンダーチーフを使うクレイモアー隊が加わった。
「終わったら起こして・・・」
「・・・おい。まったく、こいつはなんと言うか・・・」
ブリーフィングルームにきて、イスに座るなりマールは寝てしまった。
「久しぶりだな、片羽。」
「クロウ1か。お前たち、確か2機編成だったはずだが・・・」
「いや、新入り加えたんだ。PJって奴。隣のはあんたの相棒か?」
「ああ。ウスティオ正規空軍の生き残りだ。」
クロウ1はマールの寝顔を見て、フォルクに言った。
「・・・一番乗りすればよかったな。報酬とか言う前に。俺がくどいたものを・・・」
「やめとけ。気に入ってくれるかもしれないが・・・プライドが高いぞ?」
任務内容は171号線に布陣する敵軍を掃討、補給ラインを確保することだ。
相変わらずオーシアは何もしてこない。
「以上。なお、今回はサピン空軍のエスパーダ隊と共同で戦うことになる。よろしく頼む。」
マールは最後のほうを聞くと、ブリーフィングが終わり次第すぐに格納庫に向かった。


「どうしたんですか?マールさん。」
やけに上機嫌で出てきたマールを見て、シルヴィアは首をかしげた。
「エスパーダ隊の2番機、ケラーマンの同級生なの。仲がよくて・・・私はベルカ空軍からウスティオに編入されたけどマルセラはサピンに行って、あまり連絡とかしなかったから・・・必死ぶりに合えるから嬉しいの。」
「・・よかったですね。早めに再会出来て。」
「そう。今日もがんばらなくちゃ・・・」
U-2やブラックバード、RF-4Cの護衛ばかりやらされる任務に飽きていたマールは嬉しそうにF-15Cに乗り込んだ。
すると、フォルクも格納庫に向かってきた。
「行くぞ、シルヴィア。ウスティオ開放のための大事な作戦だ。」
「・・・はい、マスター。主よ、この作戦を無事に終わらせるようマスターに祝福を・・・」
祈りをささげると、フォルクもロザリオを握りしめてから機体に乗った。



作戦空域 

「こちらウスティオ空軍AWCAS、イーグルアイ。本作戦より貴官らの指揮を執る。よろしく頼む。」
上空にE-3セントリーがいるが、あれがウスティオのAWCASだろう。
「了解。AWCAS、しっかり上から見ていてくれ。」
「エスパーダ2、了解。指揮下に入る。」
途中でJ-35とダッソー・ラファールが編隊に合流した。
「エスパーダ2、私がわかる?」
「・・・マール?積もる話はたくさんあるけど、あとにして。今は共に戦う。」
「了解!」
マールはエスパーダ2をマルセラと確認すると、真っ先に突っ込んでいった。
「こちらクロウ1.PJ,彼女とはどうだ?」
「まずまずです。ま、これから行きますよ!」
「そうか。他の奴に撃墜されないよう気をつけとけ!クロウ1、エンゲージ!」
クロウ隊のF-16Cは散開すると、敵戦闘機に狙いをつけて向かっていく。
マールは大型爆弾の照準を戦車に合わせると、イーグルを超低空かつ高速で飛行させた。
大型爆弾を投下、そして対空機銃をすり抜けまた爆弾を投下した。
「こちら第1守備隊!ウスティオ空軍機の空襲だ!」
「了解。戦闘機を向かわせる。」
対空機銃2基と戦車3台が一瞬で灰燼に帰した。
マールはF-15Cを上昇させると、目の前の敵編隊を捕捉した。
F-104Gスターファイターの4機編隊、旧式の戦闘機しか配備していないようだ。
「戦線を広げすぎてるみたいだな、サイファー。この重要な場所にこんな旧式しか置いていない。」
「ええ。でも、その好機は絶対に逃さないから。」
「マール、あせらないで。私も支援する。」
ラファールがF-15Cの真正面にでると、スタンドオフディスペンサーを投下した。
小型爆弾が装甲車とSAMに降り注ぎ、次々に爆発を起こしていく。
「ちょっ・・・まて、エスパーダ2!」
「ゆっくりきたら?私は先に行くから。」
「待てっての・・・ったく!俺が隊長だ!」
J-35がラファールの後を追い、AGMを敵戦車に命中させた。
クレイモアー隊のF-105Dは気化爆弾を投下して敵地上ターゲットを掃討している。
「っと・・・相棒、アラートだ!」
「わかってる。真正面の敵機を攻撃する!」
敵の短距離AAMをロールしてかわすと、2機は同時に短距離AAMを発射した。
相対速度が速すぎて敵機は回避できず、四散した。
「2機やられた!」
「ちっ!こんな旧式機しか配備しない司令部はどうかしてるぞ!」
鈍重なF-104Gにも、容赦なくサイファーとピクシーは襲い掛かった。
まだこちらに機首を向けないうちに、バルカンでしとめてしまった。
「機体損傷!高度が保てない!」
「こちらシュトルヒ。ウスティオの蒼い鳥は俺がしとめる!」
今度はA-10AがマールのF-15Cに向かってきた。
「後を取られるなよ。奴はガンキルの名人だ。気を引き締めて行くぞ。」
「わかってる。ピクシー、自由戦闘で!」



「・・・あれがガルム隊・・・」
クロウ隊の3番機、PJは圧倒的なガルム、エスパーダの強さを呆然と見ていた。
通過したと思った瞬間に敵機が撃墜され、地上ターゲットが火炎を吹き上げているのだ。
先ほどサイファーを狙っていたA-10Aも、地上に墜落していくのが見える。
「・・・俺も負けてられないか。」
PJは長距離AGMを橋の上に陣取っている戦車部隊に発射した。
着弾と同時に爆風が戦車を巻き込み、一気に吹き飛ばした。
「容赦の無い攻撃だ、気をつけろ!」
「どう気をつけろっていうんだよ!?エース呼んだのか!?」
「円卓の空戦と東部戦線で誰も出撃できない!補給はない、死守せよ!」
「冗談言うな!」
橋が崩壊し、戦車部隊は撤退すらできない。
SAMも次々にガルム、エスパーダ隊に撃破され敵の抵抗能力はなくなっていた。
「もうやめてくれ!撤退する!」
「白旗を掲げて降伏すると言え!」
白旗を掲げながらベルカ軍の兵士は逃亡を図っている。
PJは、その敵兵に機銃を打ち込むことをためらった。
「・・・どうかした?PJ。」
「サイファー、もう撃つ必要は・・・」
「わかってる。AWCAS、敵軍は戦意喪失し撤退中。もう防衛能力は無いはず。」
マールはイーグルアイに通信を入れると、イーグルアイも了解したようだ。
「作戦は終了だ。全機、帰還せよ。」



「ピクシー、やるじゃない・・・あいかわらずね。」
マールは、フォルクに通信を入れていた。
「ああ・・・サイファー、お前とならうまくやれそうだ。これからもよろしく頼む・・・相棒。」
最後のほうを照れくさそうに言ったのを訊いて、マールは微笑した。
「こちらエスパーダ1、燃料が心もとない。離脱する。」
エスパーダ1のJ-35は燃料の用量が小さいため、他の戦闘機より早く作戦空域より離脱した。
すると、イーグルアイが通信を入れた。
「警告、高速で接近する敵機を発見!」
「・・・ガルム1からガルム2へ、おそらく本隊ね。イーグルアイ、機種は?」
「ジャミングがかかっている。機種の特定は不可能だ。」
ジャミングの内部に、航空隊が隠れているようだ。
「シュネー1より各機へ。戦況を覆す。槍をはなて!」
「長距離AAM!?フェニックスだ!全機、ブレイク、ブレイク!!」
ある程度狙いをつけて、敵機はフェニックスAAMを発射してきたのだ。
ガルム隊の2機はAAMを回避すると、敵編隊に狙いをつけた。
「クロウ隊、帰還せよ。」
「了解。ちょっと無茶しすぎたからな。」
対空機銃に機体を打ち抜かれ、決してクロウ隊のダメージは小さいとはいえない。
AGMを多く搭載してきたため、空戦でもあまり効果的な支援はできない。
「こちらエスパーダ2.可能な限り支援する。」
「了解!」
3機の戦闘機はシュネー隊に突撃していった。
ヘッドオンを狙おうとマールは狙いをつけたが、敵は先にフェニックスを発射してきた。
「・・・嫌な相手!」
マールは機体をロールさせてフェニックスをかわしたが、今度はAIM-9を発射してきた。
攻撃を諦めて、ミサイルを回避するとマールはジャミングを行っている敵機を狙う。
「E/A-6Bに蒼い鳥が向かってるぞ。」
「了解。迎撃する。」
エスパーダ2とピクシーが敵機をひきつけている間に、マールはジャミングを行っているE/A-6Bに向かった。
「シュネー5了解。攻撃して追い払う。」
「あいにくだけど、電子戦機に負けるほど弱くないんだから!」
E/A-6Bがマールの真正面につき、後からはF-14Dが迫ってくる。
「1機撃墜!」
すでにピクシーが1機撃墜、さらにもう1機へと襲い掛かろうとしている。
MLSはやはり強い・・・とマールは思ったがこいつらもMLS機、それも全部がそうらしい。
必死の思いでこちらを撃破しようとする思念が伝わってくる。
「・・・フォックス・ツー!」
E/A-6BがかなりひきつけてAAMを発射する前に、マールはAAM-5を発射した。
相手の動きが遅く、視界も狭いため反応が一瞬だけ遅れる・・・マールはそう判断した。
E/A-6Bはミサイル発射前にAAM-5が直撃、四散した。
「ダメだ!電子士官2人がやられた!」
「ほう・・・楽しませて貰ってるぞ、ウスティオの傭兵。だが、ここまでだ。シュネー3、蒼い鳥を追い詰める。」
「了解!」
低空から急上昇してきたシュネー1をかわし、マールはシュネー2を追撃した。
『シュネー3、6時に敵機!』
「らしいな。かわしてやる!」
敵機が急降下したのを見て、マールも機体を落下させる。
高度計がすさまじい速さで数字を下げ、シュネー3のF-14Dが地面に接近していく。
「・・・今!」
F-14Dが機首をあげるわずか前にマールは機首を上げ、バルカンを乱射した。
銃弾の雨にF-14Dは突っ込み、煙を吹きながら離脱していく。
「推力が上がらない!戦場から離脱する!兵装システムもショートした!」
「了解・・・サイファーとかいったな。覚悟して貰おうか!」
シュネー1のF-14Dが機首を下げ、こちらに向かってきた。
「小細工は無しってわけね。」
その途端、敵機はフェニックスAAMを発射してきた。
「ここで逃せば勝機はない・・・」
3秒だけ数えて、マールは操縦桿をひいて機体をロールさせた。
後にミサイルが流れ去った途端、互いにバルカンを乱射していた。
至近距離で2機はすれ違い、マールは後を見た。
F-14Dは煙を吹きながら墜落していく。
「・・・見事だな。ガントレット演習から腕を上げたじゃないか・・・が、次こそ落とす。」
F-14Dの風防が吹き飛び、2人のパイロットが脱出した。
横を見ると、マジックAAMがF-14Dに直撃する様子がはっきりと見えた。
「全ベルカ空軍機の撃墜を確認。帰還せよ。」
「了解・・・よう、相棒。まだ生きてるか?」
フォルクが気を聞かせて聞いてきたのだが、マールは激しい空戦でほとんど体力を使い切っていた。
「死んだ・・・」
そう答えるのがやっとという感じだった。
が、この勝利はかなり大きいといってもいいだろう。
ベルカ空軍のMLS機で編成されたエースを叩き落したのだから・・・


ヴェルデブルク基地

「・・・シュネー3、大丈夫か?」
171号線から帰還してきたシュネー3・・・ロアルド・フライジャーにベルンハルトは声をかけた。
が、降りてきたのは後部座席のパイロットだった。
「もう、死んだ・・・着陸したあと、息を引き取ったんだ。」
「・・・そうか。あんたは?」
「クライン・G・ダヴェンポート。中尉だ。」
クラインは梯子をかけると、前部座席のロアルドを外に引き出した。
「・・・ベイルアウトさせなかったのか?」
「普通の機ならこいつもさせたんだろうけど・・・MLSだから、そうしなかった。命がけでここまできて、着陸した後・・・」
「・・・だろうな。」
ベルンハルトは、自分でもそうするのだろうかと一瞬だけ考えた。
隣にはまっ白な服をきた茶髪の女性が、涙を流していた。
マスターの死を、受け入れられないのだろうか・・・
「他のシュネー隊は?誰にやられた?」
「全機やられた。死者6名。隊長とその相棒はベイルアウトした。やったのはエスパーダと片羽。あとは・・・蒼い鳥だ。」
「やっぱりな・・・じゃねぇかと思ってた。」
「数コンタクトで俺も隊長もやられたんだ。いつもどおりの戦法を使ったが、あいつは容赦なくジャマーに突っ込んで撃破、その勢いで俺と隊長を・・・」
「わかった。休んで次の出撃を待ってろ。」
ベルンハルトはクラインを休ませ、愛機のそばに座っていた。
「どうかした?ため息なんかついて。」
F/A-18Cの影からクーナが現れ、ベルンハルトに話しかけた。
「俺、蒼い鳥に勝てるかな・・・シュネーですらあっさりやられたんだ。空戦一筋に生きてきたエリッヒが・・・だ。俺が・・・」
「マスターがやらなかったら、誰がやるのさ?蒼い鳥でも絶対勝てるって。絶対。」



続く

あとがき(座談会っぽく)


あくてぃぶF-15(以降アクティブ)「第3章終了。」
マール「何でこのタイミングでシュネーが?」
ベルンハルト「あいつは確か円卓に・・・って、待て。何で敵同士で話し合うんだ?」
アクティブ「座談会だから理論無用です。シュネー隊は南部防衛についてたから、ここで出すのが順当かと。」
マール「ところで、クロスオーバーしてるの設定だけ?」
アクティブ「・・・04編では現実組出します。5編では04組とこの0組が合流します。」
ベルンハルト「やばいんじゃねーのか?で、メビウス1とブレイズの機体どうするんだ?MLS使うのか?」
アクティブ「ああ。スノー大尉っているだろ。あいつも。」
マール「まさか、それって・・・」
アクティブ「それはそこまで行くまでのお楽しみだ。では。」





 2006/05/25:あくてぃぶF-15さんから頂きました。
秋元 「設定だけクロスしてても大丈夫だと思いますよ」
アリス 「……どちらをメインにするかですね」

第2章へ  第4章へ
戻る  トップ