第6機動外洋艦隊 -外洋機動艦隊IF-


2話
【護衛艦狩り】


西暦2053年ー格納デッキ、9月21日、時刻、午前10:05−
「あ〜つ〜み〜」
と、後ろから奇襲を食らった。
「坂本、気持ち悪いから離れろ」
「つめてぇな〜」
とふざけているとエリナがなにやら不安そうな顔で俺を見ていた。
「あの・・・・エンジンが・・・・・」
確かに、愛機su-47Berkut・elinaが弄られている。
「ん?・・・・あ!またやってやがる」
と大急ぎで向かった。
「おい!また弄ってるのか」
「んぁ?渥美か」
と、機体下から一人の男が出てきた。
大泉 伸也、いつ人の機体を弄りだすかわからない66歳だ。機体がダメだった場合、勝手に艦載砲など兵装まで
弄りだし安田艦長が「拷問するわよ?」といっても「砲身がポロッと落ちても知らんぞ」など多種多様の言い訳がある。
「んぁ?じゃない、勝手に弄るなよ」
「折角、綺麗にしてやったのに」
「さっき杉本がやり終わったとこだぞ」
といっても言い訳は、大体「まだ甘い」とか「ただ弄りたくなっただけ」というばかりだ。
「杉本?まだ甘い」
やはり、言う事は同じだ、と思って言い返そうと息を吸ったその瞬間、不意にアラートが鳴り響いた。
「安田よ!全機出撃!ホワイトナイトには、対潜装備!とにかく出せる機体は、全機上げろ!」
艦長の焦りが解った・・・・全機出撃・・・・対空、対潜、対艦すべてをこなさないといけないという緊張
この命令にすべてのクルーが一斉に持ち場に着く
「エリナ!急げ!」
エリナを呼び寄せ機体と同化したと同時に機体の状況を把握した・・・万全・・・・・
<TND-IDS-54が12・・・FX-21が14・・・・空母2・・・潜水艦4、以上です>
「よし、発進用意だ」
ほぼ全機が上がったのを確認して自分も発進を行う
デッキクルーが進行方向を指示し、それを了解し親指をグッと立てた。
「全機発進を確認」
渥美率いるレッドスワロフは、すぐにワイルドキャツとホワイトナイトに合流した。
[スワロフ・リーダーから各機へ、常にキャッツからの情報を確認し戦え]
[ツー、ラジャー]
[こちらバルセム・コントロール安田よ。全機A/Fで左旋回し引き返せ、対空砲を撃つ]
[スワロフ・リーダー、了解]
[キャッツ・リーダー、ラジャー]
[ナイト・リーダー、了解]
全機が引き返すのを無人機は、好機と判断し速度を上げる・・・・粉々になる事も知らずに・・・・
「全艦に通達!CIWS起動!全艦AA装填!」
安田艦長が指示を出した。
「CIWS作動、全艦AA装填アイ・マム!」
「全艦、AA装填完了を確認」
「前方炸裂位置に友軍反応なし!」
次々に報告が入るが、それを艦長は把握していく。
「全艦、AAテー!」
全艦の全砲身から砲弾が飛んでゆく・・・・・
そして、何も知らない無人機は、ドンドン速度を上げてゆく・・・・・
砲弾が炸裂、無人機は次々にその散弾地獄に突っ込む
26機中11機が撃墜、5機が破損まあまあな戦火だ。
[バルセム・コントロール、安田よ、10機が無傷で向かってくる、迎撃せよ]
そしてワイルドキャッツが高度を上げ護衛機もそれにつづく
(ほぼヘッドオン状態・・・・・6対10、su-47に数で勝てるとでも思っているのか)
<アロー、モーニングコール>
[全機!アローうて!]
全機からアローが放たれた。
「エリナ、次にアラモを起こしてくれ」
<アラモ、モーニングコール>
3機がアローで撃墜、次にアラモで1機
[おい、外し過ぎだぞ]
<敵の反応が速いので当たりにくいと思いますが>
[スワロフ・ツー、エンゲージ]
[スワロフ・フォー、エンゲージ]
そのころ、ホワイトナイトはワイルドキャツからと鳳仙花からのデータを頼りに潜水艦を探る。
「どこだ・・・・・」
と、坂本が発言した時だ。渥美が言っていた頭が侵食される感じがして声が聞こえた。
<必要?それとも不必要?2つに1つハッキリして>
といきなり決断を迫ってくる。
「キミは誰だ?」
<F/A-44Bfalcon・LEINA、力いる?>
「あのなぁ・・・・・レイナ?よろしく」
<で、答えは?>
「あ、ああ必要だ。」
<まあ、私のマスターになるんだから貸してあげる>
意識の中には、金髪で瞳はブルー、服は何処と無くメカニックのようなつなぎを着ていた。
「で、潜水艦を探してくれ」
<自分でやったら?>
「あのなぁ・・・・・力貸すっていたのはどっちだよ」
<見つけてほしい?>
「ああ」
<4隻、4時の方向と6時それと11時、1時の方向・・・>
「付近に艦影は」
<ない、ほとんど空母の護衛>
「解った」
なにか、うまくかみ合わない・・・・・・
「まず4時の方向の奴からモクズに変える、ドルフィン・ツー、スタンバイ」
<ドルフィン・ツー、準備よし!いつでもいける>
目標は目の前だ。
[全機、魚を放て!]
[ナイト・ツー、ラジャー]
次々と鉄魚は、不明潜水艦に接近している。
落ちた・・・・・皆がそう思った・・・が、急回頭の後、浮上・・・・アッサリと回避されてしまった。
[ちぃ!全機、挟撃だ!]
<何だ・・・・人が乗っていたら無理だろ、あの急上昇は>
「無人・・・・・か、小型のタイプ・・・・」
<無人がいい、人を殺さずに済む>
[右翼は、通常どうりドルフィン・ツーだ。右翼は、対潜魚雷を用意!挟撃だ、アイツを踊らせてやれ!]
[右翼・了解]
[左翼・ラジャー]
[右翼!放て!]
潜水艦は、どうやら無人のようだ。
潜水艦は、右翼の魚雷を探知し、潜水をしようともぐりはじめる・・・・隙ができるのはそのとき・・・
[左翼・発射!]
潜水中では、避けようがない、次々と突き刺さる魚雷、そして爆発・・・・近くにいたと思われる
潜水艦にも被害が及んだようだ。
[艦長!ナイト・リーダー、潜水艦1隻撃沈!もう1隻は戦闘不能]
<やっしぁ!次は、どこのヤツをやる?>
最後の一機を落とした、レッドスワロフは、制空権を確保した。
[こちら、スワロフ・リーダー、バルセムへ、制空権を確保した、引き続き哨戒任務を遂行する。]
[ありがとう]
制空権が確保できたと言っても一時的だ、いつ増援が来るか分らない
[バルセムコントロール、安田よ。制空権を一時的に確保、ワイルドキャッツは引き続きECM及び
ECCMを展開しろ]
[キャッツ・リーダー、了解]
「ふぅ・・・・・」
と、安田艦長がため息をつく・・・・潜水艦は、あと2隻・・・・作戦海域に反応がない以上撤退したと言うことになる。
「一応、探りすか?」
「そうするべきかな・・・不審・・・・だものね」
「はい、自分が思うにECMでの妨害の確率が高いかと」
と、副艦長の大木 元則少佐がそういった。
安田は、大佐・・・・・だが大佐と言う意識が本人には無い様だ。
「ECMでは、ないわ。」
自分の意見を否定され、さらに考え込む大木・・・・・だが、その考えに耽る時間もすぐになくなった。
「ソナーに感!3時の方向に2!」
そう、先ほどの潜水艦が戻ってきたのだ。
「全艦に通達!対潜用意をし現状待機、ホワイトナイトには一度帰艦させて言われるとうり武装を搭載後、再出撃!」
<帰艦するのか?>
[武装がゼロだ。このままだとただの空飛ぶ鉄屑だ。全機一度帰艦し再出撃]
[ナイト・ツー、了解]
鳳仙花に帰艦した、全機が対潜魚雷と短距離魚雷を搭載し、再び空に上がった。
「さて、この後、どう出るかなこの2隻は」
と安田が考えていると、ナイト・リーダーから提案が出た。
[全艦一斉に魚雷を発射してこちらも一斉に攻撃しては?]
それは、包囲し魚雷で串刺しにするという考えだ。
「それをやると、外した時の対策が取れない。全滅しかねない」
「タイミングを計ればいけるかと」
と大木が発言するが、考えている安田には届いていないようだ。
その間にも2隻は、接近し射程圏内に入ろうとしている。
「よし!ナイト・リーダーの案でいく、全艦魚雷発射用意!」
[ありがとうございます。]
「全艦魚雷発射準備!アイ・サー」
「ソナー手!ヘッドフォンを外せ!」
それは、賢明な処置だった、もしも着けていたら一生、音が聞こえなくなる。
「全艦装填完了!」
「全艦、テー!」
すべての艦からあるだけの発射管からありったけの魚雷が放たれる。
[ナイト・リーダーから各機へ。こちらも撃つぞ!]
2隻は、左方向からの魚雷を回避しようと右に逃げようとするが右、後方、前方から魚雷が接近し
魚雷と魚雷が、偶然に衝突し爆発し衝撃が2隻に襲いかかるが次々と魚雷が接近し諦めたのか停止した。
そして魚雷の攻撃でソナー画面が真っ白になり外したヘッドフォンから凄い音がしていた。
魚雷が全部無くなった後には、2隻は跡形も無く消えた。
「2隻、撃沈!空母、撤退します!」
「こちらバルセムコントロール、安田よ。作戦完了、全機帰艦して頂戴。おつかれさま」
この通信でどれ程、気が抜けただろうか・・・・・・
「エリナ、作戦完了だ。帰艦しよう」
<はい、マスター>
[こちらスワロフ・スリー、エリナちゃんとこれからデートですかい?]
スワロフ・スリーの前永 栄治だ。階級は、少尉で隊のムードメーカーだ。
[ふざけていると、ステルス戦闘機が雲の中から出てきたりするぞ]
と、ふざけていったつもりが、現実になってしまったようだ。
[スワロフ・ツーからリーダーへ、おもちゃが一つ増えましたよ]
[こちらスワロフ・リーダー、バルセムへ!不明機が編隊に接近、迎撃します。]
[了解、死なないように]
ワイルドキャッツもきずいたのか、上昇を始める。
[スワロフ・リーダーより全機へ、敵は1機!手を抜かないように]
[スワロフ・スリー、ラジャー、本当になりましたね]
[ああ!全機、アラモを用意!]
<アラモ、モーニングコール・・・・何か変な感じがする・・・・・>
「エリナ?無理するなよ」
<はい、マスター>
エリナが、何かを感じている・・・・・実際、自分も何か感じる。
[全機撃て!]
全機からアラモが発射され、不明機に向かっていく・・・・・・
「落ちたな」と誰もが思ったが、ECMをつけていたのか回避されてしまう
[ちぃ!スリーに取り付いたか、全機!スリーから離せ!]
[ツー、了解]
[取り付いて離れない!このままだと死ぬ!]
もう、前永は恐怖に負け叫んでいた。
「貴方は死なない・・・・急降下して海面付近で急上昇してください、そうすれば、助かります」
[本当か?・・・本当に死なないのか?]
と、聞かれ当然エリナは・・・
「貴方が、この行動を執れば助かります」
「ああ、わかったやってみる」
やっと落ち着いたのか降下を開始する。
<マスター、助けましょう>
[ああ!俺とツーは、左右に展開し挟む、フォーとファイブは、敵の後ろで威嚇射撃しスリーの上昇と同時にアラモを撃て]
[ツー、ラジャー]
[フォー、ラジャー]
[ファイブ、了解]
先ほどの命令どうりにフォーとファイブは、敵機に付き機銃を威嚇射撃している。
敵は無人ではないらしく、優れた判断をしている・・・・・
その間にも、スリーはどんどん高度を下げていき海面擦れ擦れで上昇、それに着いて行けずに不明機は、
擦れ擦れで旋回をする。
[スワロフ、フォー。フォックスツー!]
[ファイブ、フォックスツー]
二つのアラモは、不明機に向かい、一つは、右翼にあたりもう一つは、避けられた。
[よし!敵は、損傷を受けた!もう一押しだ!フォックスツー!]
[ツー、フォックスツー]
敵はもはや戦闘不可能だとわかったのか、フレアを撒いて立ち去ろうとしていたが、なぜか全周波数に通信を入れた。
[俺は、ラッシュ・ビヨンドだ。覚えとくがいい]
と一頻り話すと去っていった。
「ビヨンド・・・・・・聞いたことがあるような・・・」
<マスター?>
「ん?なんだ?」
<帰艦命令が出ています>
とエリナに言われ帰艦した。

〜艦長室〜時刻、午後5:21
「ご苦労様、ゆっくり休んでおいてね」
入ってきてそう言われたが気になっていたことを話した。
「ええ、こちらでも聞いたわ。ビヨンド・・・・面倒だわ」
「知ってるのか?」
少し以外だった、知っていると言うことは印象に深く残っているからだ。
「ええ、空母が一隻に潜水艦が4隻で通称"護衛艦狩り"よ。新手の群狼戦術ね」
その言葉を聞いて驚いた。以前から太平洋全域で正体不明の航空機や艦でどれも一隻だけの護衛艦を目標に攻撃している海賊のような輩だ。神出鬼没で2隻以上だと襲わないのだが輸送艦や補給艦だと2隻でも攻撃をして2隻とも沈めてしまう
「情報によると潜水艦4隻から強力なステルス性でレーダーから、艦隊を消すと空母はアメリカの試験段階の特殊迷彩で姿を消して攻撃するそうよ」
レーダーに映らなくても肉眼で確認さえできれば、爆撃も可能だが見えないとなるといっそう苦労する。
と、そこに副艦長の大木が息を切らして入ってきた。
「艦長!例の護衛艦狩りが戌亥を攻撃して戌亥は、大破し救難信号を出しています!」
艦長は、一瞬凍りついた。なぜかと言うと護衛艦"戌亥"は、安田艦長の妹、安田 恵の艦だからだ。
「全艦に通達!護衛艦戌亥の防衛する!攻撃ヘリでも出せる機体は全機出せ!」
明らかに、艦長は焦っていた。到着する前に撃沈されないだろうか・・・妹が死なないだろうか・・・・
デッキでは、凄い混雑が起こっていた。
まず、頼りになるワイルドキャッツが飛び立ち、次にホワイトナイトが飛び立った。
「キャッツ・リーダー。全機、防衛対象が確認できたらECM及びECCMを展開」
「ナイト・リーダーだ。防衛対象が見えたら全機、攻撃を行っている艦や航空機から始末しろ」
そのころレッドスワロフは、待機していた。
「エリナ、航空機はいるか?」
<TND-IDS-54が5機に例の不明機が一機>
[艦長、航空機がいるようだ、俺たちも発進したらどうだ?]
[それより戌亥の状況を把握してからだ]
艦長の言うとうり戌亥が自力でこの艦隊にたどり着けなければ意味が無い
と、そこにワイルドキャッツから状況報告が来た。
「艦長。現在、戌亥は自力で戦線を離脱しこちらに向かってきています。大丈夫かと」
「解った、レッドスワロフは、現状待機」
「いや!まってください!ワイルドキャッツから連絡!攻撃機が数機、戌亥に向かっています!」
これは、予想外だ。戦闘海域の敵は、ホワイトナイトが相手している、ということは、違う方角から向かわせたのだろう
[レッドスワロフは、全機発進!全艦!対空戦闘用意!]
「アイ・マム!全艦、対空戦闘用意」
カタパルトから全機発進し、10分ほどで護衛艦"戌亥"が視界に入った・・・・正直、あと魚雷一発で沈みそうなほど損傷は酷かった。
[こちら第6機動外洋艦隊、鳳仙花所属のレッドスワロフです。後方に攻撃機が展開していますのでただちに艦隊と合流してください」
「護衛艦"戌亥"の艦長、安田 恵少佐です。こちらでも確認しました、ただちに艦隊と合流します。]
その通信で不思議に思った。聞こえてくる声は、まだ幼い・・・・何かの冗談だと今は、思うしかない
「エリナ、攻撃機は何だ?数は」
<TND-IDS−54が4機です>
[全機!相手は、4機だ。敵機が見えたら個々に応戦]
(まったく・・・・無人機は、鬱陶しい)
そうこうしているうちに、敵機が見えてきた。
やはり無人だ、無人と言う物はただ、空を飛びかすり傷程度しか撃ってこないただの鉄クズだ。
正直、この隊で無人機なんぞに落とされて救助され帰艦した時には、帰艦した奴の脳ミソをデッキにぶちまけるかも知れない。
考えながら、実弾を撃ってくる的を撃つ感覚で敵機を落としていく、人を殺していないしただ鉄の塊にミサイルを撃ち込んでいるような感じだ、そうしているうちに敵機は、全滅し敵艦隊の主力部隊の3分の1を落とした。
[スワロフ・リーダーから各機へ、帰ったら食う前に報告書を書けよ]
[スワロフ・スリー、ネガティブ]
[フォー、チっ・・・通信機の具合が悪くて聞き取れなかった]
[そういえば、前の分も貯まっていたな。思い出すのに苦労するぞ]
[人事でもないでしょリーダー]
[マスターは、しっかりと前の分は書き終わりました]
[ああ、すまんなエリナちゃん]
一気にみんなの緊張が緩んだ、例の不明機も撤退しもうどこにも敵機はいない
[こちら、バルセムコントロール、安田よ。妹・・・・いや、護衛艦"戌亥"の防衛お疲れ様、このまま戌亥を護衛し一番近い基地、横須賀に立ち寄る]
[スワロフ・リーダー、了解。これより帰艦する]
[キャッツ・リーダー、了解]
[ナイト・リーダー、了解、うまい飯でも食うか]
全機が帰艦して艦内を歩いていると結構知らない女性達が艦内をうろついている。
三人で報告に艦長室に行くと中には、艦長と見知らぬ子供がいた、見た目的にはまだ16そこそこか少女がソファーに座ってなにやら艦長たはなしている。
「艦長、この子供は何です?」
その子供という言葉にその少女が振り向いた。
「あら?少佐に子供とは、どうもいけないですね」
とニコニコと笑いながら話してきた。
「三人とも、紹介する。私の妹の恵少佐だ。戌亥が、近くのドックまで運ぶ際にこの艦に寝泊りさせる。」
「へ?少佐?艦長も冗談キツイですよ〜」
と坂本が言うとその恵少佐が・・・
「けど、姉もまだ23ですよ、いい勝負です〜」
「あ・・・年は言わないでよ。この艦のクルーには、45って言ってあるのに・・・・」
そこに山本が介入した。
「え〜と、恵少佐が16歳で・・・艦長が23・・・・若!!私のひとつ上!?」
「まあ、そういうことになるわね」
もう頭が混乱してくる。なぜ、高校2年生と同じ年頃の女の子が自分の艦を持ち、戦場にいるのか理解不能だ。
「そうだ、渥美。お前暇だな、この後」
「はい、エリナも何も用がありませんが」
「なら、恵にこの艦の案内といろいろ艦載機や兵装の説明もしてやってくれ・・・・あ、それとお前の部屋に泊めてやれ」
一瞬、固まった・・・なぜ?エリナがいるのに?ベッドは、2つ・・・・俺、どこで寝るの?
「へ?・・・・俺の部屋?・・・・・・ベッドが二つに人が3人・・・・・・」
「ん?問題があるか?あるなら言ってみろ」
「大有りです!自分の妹なら自分で見てくださいよ。しかも入れるとして俺はどこに寝ればいいのですか」
その問題に一つ一つ答えていく。
「まず、私は忙しいので寝る暇も無いので恵がかわいそう、貴方なら、床に布でも引いたら寝れるでしょ」
艦長の言っていることは正しい、確かに自分は陸軍の訓練も受けていたので過酷な状況でも寝れないことはないが、もうフカフカのベッドに慣れてしまっているので次の日が怖い
「うむ・・・・・・エリナさえよければ、いいですけどね」
と、エリナに決定権を任せた。
「私はいいですけど、マスターが床で寝て私がベッドとは、いけないような・・・・」
「なら、一緒に寝ればいいじゃない、エリナと」
と、山本が奇想天外な提案がでた。
「あら、いい案ね。そうしなさい、渥美」
と艦長に言われて渋々了承した。


食堂「鳳仙花」時刻午後8:21

「ここが食堂です。」
「ん〜、貴方の部屋を見せてくれます?」
突然、部屋を見せてと言われてもここ最近、忙しくてぜんぜん掃除ができていない。
一応再確認してみた。
「本当に見るのですか?」
「ええ、気が進みませんか?」
エリナが顔を見ている、何か無言の会話のような気がするが、大体しか解らない(朝起きて脱いでおいた服がソファに掛けたままですが・・・)とも言いたいのだろう、実際にそのままだ。
「多少汚いが、いいですか?」
と再度確認してみたが
「はい、大丈夫です」
と微笑んで答えた。
(まあ、本人が見たいというならしょうがないか)

自室 時刻午後8:32

「ここがそうです。」
自室に向かう間も「これは、何ですか?」とか、「この艦は、最大何ノットですか?」などいろいろ聞かれるたびにエリナと俺は、答えた。
部屋を開けると、脱いでおいた物がソファではなく、椅子にあけてあった。
「見たとうり、汚いでしょう」
「いえ〜、姉よりかは、綺麗です。」
(よりかは?・・・・・てことは、艦長はかたずけられない人なのか・・・・)
「マスター、そろそろ夕ご飯時ですが?」
エリナにいわれ部屋の時計を見ると8:33を指していた。
「ん?たしかに・・・・私とエリナは、食堂に行きますがどうします?」
と、一応聞いてみた。
「はい、ご一緒させてもらいます」
そういわれ部屋をまた、出てもときた道を戻る・・・・・

食堂「鳳仙花」 時刻午後8:37

「さて、今日は普通のにしよう」
「なにがです?」
聞かれても不思議ではない。俺とエリナしかわからない用語なのだから
「ラーメンの種類のことです。毎日ラーメンを食べてますので」
「マスターは、ラーメンが主食です。」
種類を選んでいたら後ろから殺気がした。
「渥美、ラーメンは作らんぞ。ラーメン意外にしろ、たまには」
疲れて帰艦して早々、エリナと同じベッドで寝ろとか妹の面倒見てくれとかさまざまな困難が降りかかっているが、
こういうときこそ普通の懐かしいラーメンを食べることによって疲れが吹き飛び、気力がでると言うのに・・・・
「すまん!今日だけは、許可してくれ!」
「できん・・・・・と言うか、麺がないからな!」
一瞬、目が点になった。この超大型冷蔵庫であってはならない品切れという事態を
「へ?麺がない?冗談?」
「冗談ではない。ココ最近、麺の消費量が増幅していてプラスお前のラーメンに費やす麺の量・・・・・夏だと言うのにここ数日寒いから皆考えることは一緒だ」
「あの、私は先食べますね〜」
(やはり遺伝なのか?どうしてあの姉妹は、こんなにもマイペースなんだ・・・・・)
恵艦長は、和風定食を頼んだようだ・・・・後ろを見ると・・・・・・
「え、エリナ!?マスターを裏切るのか!?」
「いえ、私はラーメンでないといけないと言う体質ではないので・・・・・あと・・・・・」
「あと?」
何が続くのか楽しみだ。
「あと、由紀さんが脂質の取り過ぎで太ると言っていたので」
とニコッとこちらを見てすぐに、恵艦長と同じく和風定食を頼んだ。
「う、裏切られた・・・・あの迷惑毒蛇め・・・・・」
「あら、聞き捨てなりませんわね」
ふと見上げると、入り口に由紀がいた。
「む!でたな、迷惑毒蛇!いらないことをエリナに吹き込みよって!」
「あら?乙女には大切なことですわよ、栄養管理は」
確かにこれだけは、言い返せない。いくらマスターと言え、食事制限を出すのはよくない
「貴方もたまには、栄養管理を基に暮らしてみたら?」
「な、なら何を食えば一番今の俺に合うんだ?」
「野菜サラダ一品とフランスパンを使った調理パン、調理パンのカロリーは、420kcalに抑えてください」
テキパキと指示を出しサラダの種類も指示したようだがよく聞き取れない
「しっかりと食べなさいよ、残すと艦長の拷問の刑」
「お、おう」
こうなると死んでも食べないといけない、艦長の拷問と言えば、ウォッカを飲まされ真夏の日差しとタイヤで高温になったデッキに張り付けにされ、背中をデッキブラシで擦られると言う悪魔がしそうな事をやるらしい・・・・・
「サラダのメインは、どうやら大根のようだが、例のヤツをのせると拷問されようが食わんぞ」
「はいはい、例のヤツね。どうして食べれないの?」
「マスター、例のヤツとはなんですか?」
まだ、エリナには話していなかった。俺がパセリを食べれないことを
「ああ、それは緑でモサッとした草だ」
「あら、草でも美味しい物のよ。パセリは」
「パセリですか、食わず嫌いですか?」
一瞬、過去の凄く恐怖感に駆られた記憶がよみがえった。
「あ・・・あ・・・思い出したくもない、アレは鬼のようだった・・・・・」
「人を鬼呼ばわりしないで。4年前ね、この船に来た時にはもうコイツがいたの。食堂でたまたま合った時に食事していたらパセリを残してお皿を戻そうとしたの、だから無理にでも食べてもらおうと艦内中追い回したの」
「手に握っていたパセリが鬼の金棒に見えた・・・・・・・追い着かれたら確実に殺されると思って・・・・・」
「思って、どうしたのですか?」
「コイツ、コクピットにロックかけて4時間も出てこなかったのよ」
そういうと由紀は大笑いした。
「お前が、2時間もうろうろ機体の回りを「パセリ食え、パセリ食え」をずっと連呼してうろついていたから怖かったんだよ!」
「良かったら、持ってこようか?パセリ」
「やめてくれ!もうやめてくれ〜!」
「大丈夫です、マスター」
「ありがとう、エリナ」
「私が食べさせてあげますから」
エリナが微笑みながら言うと厨房にパセリを取りに行った。
「エリナ?・・・・・食べさせてあげる?・・・・・どういう意味?」
「エリナが、パセリを食べさせてくれるのよ?うれしいじゃない、食べさせてくれるのよ?」
エリナが、パセリをもって戻ってきた。
「マスター、口を空けてください」
「ほら、口をあける!」
無理やり口を由紀にこじ開けたと同時に、エリナがパセリを入れる。
「うっ!・・・・・・」
無理やり手をどかすとすぐに吐き出した。
「頑固ねぇ、いい方法はないかな〜」
由紀が考えているとエリナの口から驚く提案がでた。
「口移しなどどうでしょう」
「いいわねぇ。まず、私はパスよ。こんなのにキスしたくないわ」
「こんなのとは失礼な、軍事雑誌のモデルやっていたんだぞ」
「じゃ・・・・じゃあ、私が・・・・・やります・・・・提案したのは私ですし」
少し、気が引けた。無理にしなくても自分が聞き分けが悪いだけなのだから・・・・・
「エリナ、無理しなくて・・・・・ン!」
「うわ〜、エリナの初キス〜。記念に一枚」
由紀が写真を撮っているのにもきずかなかった、気が動転して周りが見えていなかった。
エリナが噛み砕いたパセリを舌でくれた。
口を離すと二人とも真っ赤に頬を赤くしていた。
「エリナ、無理しなくて良かったのに・・・・・」
「い、いえ。でも少しうれしかった・・・・・」
後の言葉が声が小さくて聞こえなかった。
「ん?なに?」
「い、いえ。何もありません」
隣では、悦に入っている由紀がいた。
「凄い、いい写真が撮れたわ〜」
「え!撮ったのか!いまのを!」
「しっかりと、3枚も」
デジカメを受け取り確認した直後に抹消行動に移った。
「なにいじってるの・・・・て!消すな〜!」
「いんや、消す!」
もう画面には、「はい」か「いいえ」を選択するだけになっていた。
「返せ〜、またパセリで追い回すぞ〜」
「もうおそ〜い」
由紀に渡されたデジカメには「3枚の画像を削除しました」と出ている。
「消したな〜!」
食堂でもめているとドアを急いで16ぐらいだろうか女の子を連れて通り過ぎる坂本がいた。
「由紀、アレを追ったらどうだ?」
「しょうがない、今回は見逃してあげる」
急いで3人で追うとあと一歩のところで部屋に入られてしまった。
「そういう時こそ、これ」
由紀のポケットから聴診器と簡易型コップが出てきた。
「では、盗み聞き〜」
[え〜と、いつから俺の機体にいたんだ?]
[1ヶ月ほど前かな、ずっと話しかけてたんだけどね]
どうやら、坂本の精神生命体のようだ。
「エリナ、友達が増えたぞ」
「友達・・・ですか」
「あら?友達はいいわよ〜」
外で、喋っていると中に聞こえたらしく坂本が出てきた。
「誰かいるのか?出てきたら額に穴だけは、開けない」
「さ、坂本・・・・・怖い事を言うなよ」
「渥美とエリナちゃんと+αか、こうでもしないと守れないから」
「+αとは何かなぁ?坂本 勇太中尉」
「と、とにかく。今は取り込み中だ帰って・・・・」
坂本は、なぜか固まっていた。後ろを向くと、つなぎ姿のエリナと同年齢ぐらいの女の子がエリナと話していた。

次回へ続く・・・・・・



 2006/11/28:アルトマンさんから頂きました。
秋元 「光学迷彩か!? そう……あの航路丸見え超兵器の様に!」
アリス 「……多分違います」

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