第6機動外洋艦隊 -外洋機動艦隊IF-


5話
【決意・約束・悲しみ】

空母「フェンリア」上空。10月1日、時刻午後00:10
[ゼロだ!どうにもできない!]
一人のパイロットがパニックを起こしている。
[相手も人間だ!追い詰めれば必ず落せる。]
[クールスリーが食われた!]
また一機、落された。そのせいか気が狂ったように機銃を乱射しゼロに突っ込む・・・・が、避けられて雄二に左翼全体を打ち抜かれ落ちる。
[クールツー!脱出しろッ!クールツー!!]
気を失ったのか真っ逆さまに落ちてゆく・・・・・・


「鳳仙花」艦橋 10月2日、時刻午前00:12
「艦長、所定の位置に到着。他の艦も位置に着きました。」
「よろしい。全艦、40度回頭し砲撃準備!照準、最優先目標は右舷前方の敵空母!」
「イエス・マム。取り舵、進路127。全艦へ、最優先攻撃目標は右舷前方の敵空母」
全ての艦の砲塔が敵空母に照準を合わせる。
「砲撃準備完了。」
「撃ち方、始め!」
一斉に砲身から火を噴き高速で砲弾が撃ち出される。
数秒後、前方の敵空母辺りで炎が見えた。
「目標に命中。反撃の傾向なし」
「全艦、撃ち方やめ」
「全艦、撃ち方やめ・・・・繰り返す。全艦、撃ち方やめ・・・・・」
元実験部隊と言えど装備は、普通で少々新型が持ち込まれ評価が済めば撤去される物あるが今の装備は、最新型揃いだ。
「ワイルドキャッツから情報。「敵空母、損害大。飛行甲板及び、右舷に命中し浸水」とのことです。」
「護衛の艦は?」
「護衛の艦が2、潜水艦が1です。潜水艦はホワイトナイトが攻撃中です。」


太平洋上空、同日時刻午前00:24
[空母が静かになったぞ!今のうちに破壊しろ!]
数機のアサルトフランカーが艦橋などに止めを刺す・・・・が、右からいきなり攻撃を食らった。
[覚えているか?ラッシュ・ビヨンドだ。楽しませてもらうぞ]
「アイツか?!」
<はい、新手です。TND-IDS-54が5機に例の不明機が一機それに・・・・もう一隻の空母です>
[全機、散開しろ]
編隊飛行をやめて上昇する機体や低空に逃げる機体に敵機が張り付いてゆく。
<マスター、不明機、後ろに付かれました。>
「くそッ!」
[スワロフ・ツー、援護します]
上田が後ろから威嚇射撃をすると無人機が離そうと攻撃を仕掛ける。
[隊長、落ちないでくださいよ]
そう、言い残し無人機に攻撃する。
[変わった機体だな・・・・・・俺の餌食になれよ・・・・・]
[気でも狂ってるのか?お前!]
<マスター!ミサイル接近!数3・・・・避け切れません・・・・・>
エリナは諦めた様な口調で言った。
機体を急激に左にロールさせ2発は避けられた・・・・が・・・・・
衝撃と共にエリナの悲鳴が聞こえた・・・・・そう、被弾したのだ。
<マスタ・・・・・ま、まだ戦える・・・・・>
「しゃ・・・・喋るな・・・・今戻るからな」
右主翼を打ち抜かれている。どうにか、飛んでいる状態だ。
自分の左足に鋭い痛みを感じる。見ると破片が足に刺さっている。
[隊長!・・・・クソ野郎!隊長から離れろ!]
前永がループからトップアタックを仕掛ける。
[スワロフ・リーダー。無事か?援護する]
ブルードッグ全機が、援護についた。
[ゼロが7機か。退いてやろう]
敵機が引き上げて行く。


「鳳仙花」デッキ、同日時刻午前01:12
「担架持って来い!2つだ!」
機体は、右主翼を打ち抜かれて破片がコクピットの左に刺さっている。
「落ち・・・てないよな・・・・・」
「ああ、自力でたどり着いたんだ。出血が酷い。もう喋るな」
「エリナは・・・・・どうだ?・・・・」
「実体化したよ。顔と右肩に怪我してる。」
実体化したら自分も怪我をするのにエリナは実体化した。

医務室、同日時刻午前02:32
やっと気がついた。あれから意識が遠くなって寝ていたようだ。
ふと隣のベッドを見るとエリナがいた。が、まだ眠っているようだ。
「気がついた?被弾するとはね。今度、被弾したら塩水に傷口を漬けてやる。」
「至近距離から撃たれて巻けるとでも思うか?」
幸い、2発は回避できた。ほんの数秒の時間差で避けられなかったようだ。
「全治何日だ?」
「ざっと、4日安静ね。エリナの傷も軽傷だし、二人とも明日には歩けるわよ」



横須賀基地、管制塔 同日時刻午前2:50
「パイロットの容態はどうだ?」
「軽傷で明日にでも出撃できるさ」
「すまないな、優秀な人材がいないものでな」
「別いいさ」
「そういえば、お前の艦隊に取材したいと言う記者がいるんだが?」
この部隊は、第6機動外洋艦隊と名乗っているが未だに試験兵器などが持ち込まれている。
報道規制はあるが、秘密さえ守れば良いのになぜか注目されない
「どこの局だ?」
「フリーさ。小説も書いているらしい」
「何でも屋か?そいつは」
「何でも屋ではなく、フリーライターの方が合ってますわ」
突然、後ろで若い女性の声がした。
「紹介しよう、エイラ・エルロイ。こちらが・・・・」
「安田でいい。なぜ、表舞台に出てこないこの部隊を取材しようと思ったのでしょうか?」
「最新の兵器が持ち込まれる部隊でメディア界でも曖昧な情報しか流れていなかったので一度、取材してみようと思いまして」
確かに、取られた写真はほぼ無に等しい。
「良いだろう」


医務室、同日時刻午前06:22
「なぁ、由紀。その本は何だ?」
「ああ、これね。エイラ・エルロイが書いた詩よ。みてみる?」
手渡されて開いてみると読みやすい詩だった・・・・・
~時の傷痕~

はじまりは、何だったのだろう?

運命の歯車は、いつまわりだしたのだろうか?

時の流れのはるかな底から

その答えをひろいあげるのは

今となっては不可能にちかい・・・・・・・・

だが、たしかにあの頃のわたしたちは

おおくのものを愛し

おおくのものを憎しみ・・・・・・・・・

何かを傷つけ

何かに傷つけられ・・・・・・・

それでも、風のように駆けていた

青空に、笑い声を響かせながら・・・・・・

「戦場で墜落したヘリの中から出てきた詩を綺麗にまとめた物らしいわよ」
「作者不明か・・・・」
「しかも、U.S.A.J.のヘリだから誰か書いたか全く不明」
単純な単語の連なりだが、どこか懐かしい・・・・そう、幼い少年の気持ちを書き綴ったのうなモノだった。

「鳳仙花」下段格納庫 同日時刻午前06:50
「あの、山城とか言う女。凄腕だな」
「ええ、ゼロのシステムチェックを短時間で終わらせたのは凄いです。」
今まで、全戦力を費やしても半日仕事だったシステムのチェックを一人で5時間で終わらせた。
「ゼロの整備、これだけ?」
広い格納庫に響く大声で聞いてきた。
「ああ!良かったらベルクートの修理と改装を手伝ってくれないか?」
「ベルクート?あの黒の機体?」
「ああ、さっきの戦闘で被弾したんだ。この際だからビスシッドをつけようとおもってな」
これまで、この機体には実戦評価用に取り付けてあった戦闘支援カメラ、Gleipnir"グレイプニル"はもう評価期間が過ぎていた。
「コイツはな、カメラの機能とは別に偵察用に機体下部に取り付けられるという便利なシロモノだ。」


医務室、同日時刻午前07:25
「誰かいる?」
医務室にとても珍しい客が来た、エイラ・エルロイだ。
「外の標識が見えなかった?見ての通り医務室よ」
「誰だ?見たところ、ジャーナリストか又は不審者」
「不審者はないわ。エイラ・エルロイよ。」
その名前を聞いてなぜこんな所に居るのだろうと思った。
「ああ、それは失礼した。渥美 翼だ。階級は中尉・・・もうじき、おてんば娘が帰ってくる。気をつけた方がいい」
「ご忠告ありがとう。中尉殿」
ふざけてエルロイが敬礼をして見せた。左敬礼で・・・・
「おいおい、俺を勝手に殺すな。左敬礼は死者に対してだ、普通は右だ。」
本当にジャーナリストかと疑いたくなる。本当は勝手に潜り込んで来た不審者ではないかと思いたくなった。


「鳳仙花」デッキ、同日時刻午前07:39
予定より数分早くおてんば娘が帰艦してきた。
「マスター、つかれた。」
「周囲警戒だけだろ。ボヘ~と飛んでりゃいいんだよ」
「忘れてる?私が残留思念を感じてるの」
すっかり忘れていた。さっきまで戦場だったこの場所が気持ち良いと思うは誰もいない。
「あ~、そうだった。駆逐艦とか殺ったからな」
「まだ、吐き気がするよ」
なにやら、デッキのど真ん中でカメラを構えている男がいた。
「おい!そこからどけ!他の機が降りれないだろうが!」
まだ、一機だけ降りてきていなかった。人がいるからだ。
「ごめんなさい」
カメラを持っていると言う事はカメラマンだと簡単に分かった。
「あんたは?」
「あ、エイラ・エルロイ。」
「あの、エイラ・エルロイか?」
疑いたくなる。戦場ジャーナリストが空母のしかもデッキのど真ん中でカメラを構えていたからだ。
「以後、あのような行動は控えてくれ。命に関わる。」
「確かに命は惜しいわ」
コイツはなにか、勘違いしている。人は走れば大抵の物をかわせるが機体は違う。緊急着艦の場合、落ちて死ぬか突っ込んで死ぬか無事降りれるかの三択しかない。
「お前のじゃない。パイロットのだ。」
「以後、気をつけます。」


医務室、10月2日、時刻午前07:25
珍しく、艦長がやって来た。
「渥美、ヘリ部隊は少々厄介な奴が一名ほど居るから心配なんだ。居て少し見てきてくれないか」
「いいですけど・・・・・」
「動けるなら、今すぐにでも行ってくれ。射撃場で訓練しているはずだ。」
「は、はあ」
「だらしない!負傷しているからと言って怠けるな!」
「イエス・マム!」
艦長は、鬼かもしれない。もしも、死んで埋められても掘り起こしてでも出頭させるだろう。
艦長が出て行ってから少しするとエリナが起きた。
「ん・・・・・・・あれ?ますたぁ~、ドラグノフにAk47はぁ?どこ?」
何の夢を見ていたのかは、まるで分からない。ドラグノフ?Ak47?今何年だ。
「お~い、2053年に戻ってこ~い」
エリナの頭をこんこんと突く・・・・・すると
「え!?私、ヘンな事言ってました!?」
「ああ、ドラグノフにAk47はどこと聞いてきた。」
一気にエリナの顔が赤くなる。
「以外に旧式の銃が好み?」
「・・・・・・」
「知らなかったなぁ~」
やっと反論し始めた。
「ち!違います!ただ・・・・艦長室で見たのが頭に残っていただけです・・・・」
「具合はどうだ?やっぱり、ドラグノフとAk47がないとダメか?」
「だ~か~らぁ~!違うって言ってます!」
ゴツッ・・・・・
「な、なにぃ~」
エリナのグーパンチを食らった。
「人をからかうからです。従っているからと言っていつも言われる通りにはしていませんよ?」
「分かった。ごめん」
「訓練でも見に行くか」



射撃場 10月2日、時刻午前07:40
重い重機関砲の音から軽々しい軽火器の音までいろいろだ。
ピィー!
ホイッスルの音がする。
「撃ち方やめ!撃ち方やめ!銃を点検しろ」
「沖田少尉、ちょっといいか?」
「あんたは?」
「渥美だ。一応、中尉だ。」
「失礼しました。どうしたんですか?こんなところに」
「空母「鳳仙花」に配属になる部隊を見に来ただけだ。」
「そうでしたか。そちらは?」
「ああ、エリナ少尉だ。」
「よろしく」
「ガルムがこんなところに何の様?」
「ガルム?あのガルム!?」
歩兵の中で知らない奴はいないだろう。一個中隊を狙撃で壊滅状態に追い込んだりさまざまの成績を残したスナイパーだ。
後ろから厄介な奴の声がした気がする。振り向きざまにナイフを握り振ると・・・・
「止って見えるわ・・・・」
受け止められた、しかも片手で。
「彩峰・・・・何しに来た?」
「声・・・・聞こえたから」
コイツは、陸軍の時の友人・・・・のような人物だ。
観測手として二人で組んでいた。
「中尉にナイフとは・・・・・無礼な」
「お前なら避けるか、受け止めるだろうと思った。俺も中尉だ。」
「空母に乗ってるのになんで居る?もしかして・・・・降ろされた?」
昔から不思議な要素に満ち溢れていて何処となく、抜けているように見えるが一度たりとも銃を握ると周りの敵を全て殺すまで止らない。
「んなわけあるか、アホ」
「任務・・・・0815時に司令室へ。渥美も一緒に」
「ほいほい、ご苦労さん。ところでお前に新しい相棒は出来たか?」
基地に戻ってくるといつも夜になっていて血まみれで目つきは鷹のようだから二つ名は、夜鷹だ。
そのせいか、なかなか相棒も出来ずにいて美しい横顔に引かれ相棒に選んだ。
「渥美だけ。この沖田がこのたいに引きずり込んだけど」
「引きずり込んだって・・・・」
「ここに呼ばないほうが良かったぞ。メシはよく食うし文句も多いから」
「中尉、そろそろ行きませんか?」
「そうだな」

司令室 10月2日、時刻午前08:15
「明日の夜、2100時よりオアフ島のホテルでU.S.A.J.幹部による会議をかねたパーティーがある。」
なにやら、嫌な予感がしてきた。
「2105時に800メートル離れた山中に狙撃手を送る。屋上の警備兵を排除し、その後はヘリで回収しそのまま他の者とヘリにて強襲だ。」
予感的中。狙撃手をやらされるのは目に見えていたことだ。
「作戦の進発コードは・・・・オファーだ。」
「会場の全員を捕虜とし、陸路と空路に分かれて揚陸艇に輸送する。」
「建物は何処です?」
とっさに聞いてみる。
「海沿いのオアフ島でも有数のホテルだ。各自、0900時までに装備を済ませ空母「鳳仙花」に乗艦しろ。以上!」

第二ハンガー 同日 時刻午前08:20
近々、大艦隊によるオアフ島奪還作戦が実行される予定らしい。その作戦のための下準備らしい。
「彩峰、予備のマガジンと予備のグランバ43ATRは持ったな」
「うん・・・・観測のための道具もね」
愛用のGI社製のグランバ40SRを念入りに点検して照準をゼロに戻す。
「あの頃と同じ銃・・・・・換えないの?」
「あの頃からコイツに世話になっているから愛着があるんだよ」
他の兵士達も念入りにチェックをしている・・・・ある若い兵士が水を入れようとしていた。
「水はいらないぞ、すぐ帰ってくるんだ。代わりに手榴弾と弾薬持って行け」
自前のギリースーツを広げて破れていないかを確認する。
スーツは、自前の物だけでも13種類もある。濃い緑に薄い緑などバリエーションもある。
今回は、砂地が多いが少しだけ草が生えている山なのでサンドイエロー種のスーツに緑のスプレーで薄く線を入れる。
出発まであと、15分・・・・・暇なので外のsu-47Berkut・ELINAの修理が行われているハンガーへと向かう
幸い、三つとなりのハンガーだ。
中に入ると主翼を新しいのに換える最中のようだ。
エリナは、修理が終わるまでここに居る事になっていてついてこれない
大泉がどこか、複雑そうな顔をして作業をしている。
エリナは、コクピットに座り・・・・・・泣いている様だ。
近づき、声をかける。
「エリナ・・・・・どうした?」
こっちをみると聞き取りにくいが、質問された。
「なんで・・・・・なんでマスターが・・・行かないといけないの?」
いつもとは違う・・・・・どうやら自分が置いて行かれて死んでしまうのではと思っているのだろう
「俺も・・・・嫌さ。でも・・・逆らうと一生、エリナに合えないかもしれない」
「行かないで・・・・お願い・・・・」
もう、完全にいつもとは違う・・・・こういう時だから言える・・・・
「俺は、死なない。死ぬならエリナと一緒だ。な?必ず!戻ってくる!」
「ほんと?・・・・嘘つかないで・・・・」
まだエリナは、泣いている。胸に何か抱えている。よく見るとどうやって撮ったのか、俺の横顔だ。
「エリナ・・・・」
唐突に名前を呼び、振り向いた隙にキスをする。
「ふぁ!?まままま、マスター!?」
突然の事に何が起こったのか分かっていない。
「もう一度・・・・ちゃんとして?ま・・・・翼・・・・」
エリナが、名前で呼んだのは初めてだ。言われた通りにもう一度キスをする。
「そろそろ、時間だから行って来る。俺は!必ずこの場所に戻ってくる!」
そういい残し、艦へと急ぐ。



「鳳仙花」デッキ、同日時刻午前09:05
「中尉、一つ聞いてもいいですか?」
一人の若い兵士が聞いてきた。
「なんだ?」
「上官が「また、ガルムの番犬が逃げた」とか言っていたんですが・・・・どういう意味ですか?」
陸で前線に立っていた頃に出撃前に言われる言葉だ。
ガルムは、北欧神話に出てくる猟犬の名だが伝説の中では番犬として書いてあるので基地から離れる時には、「番犬が逃げた」だの「猟にでた」だの言われた。
「まあ、そのまんまさ」
「彩峰、少し仮眠してくる。」


「鳳仙花」デッキ、同日時刻午前20:54
「間に合った・・・・」
「寝すぎですよ。中尉」
さっき話していた若い兵士が話しかけてくる。同じヘリのようだ。
「えと・・・・名前は?」
「矢木 幸助です。階級は上等兵です。」
「渥美だ。いろいろあってここに居る。」
ヘリに乗り込み、発進を待つ
[全機へ。オファー・・・繰り返す、オファー]
[オファー、了解]
全機が一斉に出力を上げていく
発艦してから5分で狙撃ポイントについた。
「げぇ・・・・ロープ降下かよ」
「文句を言わない・・・・さっさと降りて」
一気に降りて近くの茂みに身を隠す。
[こちら、ガルム1。狙撃ポイントに到着した。]
[了解、ガルム1。屋上の警備を排除せよ]
「集中するために無線を切る。]
無線を切り、自分の鼓動と吐息の音・・・それに風の音しかしない
「屋上に3・・・・距離950m。風は南から、風力2」
「準備よし・・・・撃つ」
バシュゥ!ーーーーーーー
「頭部に命中。残り2。気付かれた模様。無線を使用している奴から狙撃せよ」
バシュゥ!-----
「命中。残りは撤退。」
[こちらガルム1。残りは逃げた。安全を確保・・・・いや、ちょっと待てよ。2キロ先にヘリが見える。攻撃ヘリだ。]
[了解。航空支援を呼ぶ]
[狙撃で破壊する。]
[了解。外すなよ]
また、無線を切りスコープを覗く
「右端のドラム缶を狙え。次に左端のも」
意識を集中し、一瞬だけ体が固まるのを感じた。その瞬間には引き金を引いていた。
バシュゥ!ーーーー
「命中。次」
バシュゥ!----
「命中。次は少し待ってからヘリのミサイルを撃て」
彩峰は的確に指示をくれる。
長い付き合いなのでどういう場所を指示すればいいか分かってくれている。
「右側のヘリを狙え。弾は対装甲弾」
カシャッ!----シャキンーーーーー
弾倉を外し対装甲弾の入った弾倉をセットする。
「反動を想定内に入れ、右に2下に3」
言われた通りにスコープの照準を変える。
「調整完了。撃つ」
ボシュッ!-----
重い音がして数秒後、ビルの屋上が炎に包まれた。
[掃除完了。タクシーを遣してくれ]
[了解]
ヘリがギリギリまで下りてくれて楽に乗れた。
装備を点検している間にもう目標のビルの上だ。
「いくぞ!装備確認!」
ビルの屋上に到着し、やはりここでもロープ降下だ。
「だから、ロープ嫌いなんだって!」
「じゃあ、蹴り落としてあげる。」
「まてまて!おりるから!」
[46が降りた。47から49は待機]
[47了解]
中に入るとばれていたのか数人の兵士に攻撃された。
「矢木!右に手榴弾投げろ!」
廊下の右に手榴弾が投げ込まれ爆発。攻撃が止んで全員が突っ込む
「この部屋だ。あけろ!」
蹴り破って中に入ると悲鳴が聞こえ警備の兵士の銃声が聞こえたがすぐに止む
[こちら、マーダー62。目標を確保。ヘリと上陸部隊を回してくれ]
[了解。62。]
[47から48。降下しビルの上に降りろ]
[47了解]
[48了解]
まず、47が降下しビルに近づく・・・・・が、右の建設中のビルの中からSAMが発射された。
[47!SAMだ!回避不能!]
47はテイルローターをSAMに持って行かれて高度がドンドン落ちていく
[47!墜落する!47!落ちる!]
[47、SAMの発射地点を教えよ]
[建設中のビルだ!もうだめだ!たすけ・・・]
通信が途切れ、地面に突っ込む音がした。
[マーダー62。救出に向かえ。SAMをどうにかしないとヘリが落とされる]
[こちらガルム1。SAMをつぶせばいいのだな?]
[そうだ。]
[こっちで片付ける。]
「周辺警戒頼む。彩峰、大体何キロだ。」
「2,3・・・いや2,5だ。」
「よし。弾は対装甲弾。銃はATRだ。」
重々しいアンチタンクライフルを組み立てる。
組み立てが終わると機関銃並みの大きさになった。
「弾倉・・・・確認」
ガシャッ!-----ガッシャン!
弾を装填する音だけでも敵が逃げていきそうだ。
「反動を想定に入れ、右に3。下に5。」
「いや、下は4でいい。」
高倍率のスコープの調整が終わり銃を固定する。
「撃つぞ。衝撃に注意」
ドンッ!-----
支柱を刺していた床のタイルが、反動に耐え切れず割れて宙を舞う
「命中。目標健在」
「次弾準備完了。撃つぞ」
ドンッ!-----
「レドームに命中。目標沈黙」
[ヘリ降ろせるぞ。これから生存者の確認に向かう]
[了解した。ガルム1]
「ハンビー2台貸して下さい。あと数名こちらに回して下さい」
「分かった。矢木とそいつら連れて行ってくれ」
一階まで降りてハンビーに乗り込む
「行くぞ!」
アクセルを踏み墜落地点まで向かう

オワフ島、墜落地点 10月3日時刻午前3:24
「くそ・・・・・誰か生きてるか?」
「ああ・・・骨が折れてる。動けそうにない」
「外に出て様子を見る。」
一人の兵士が外に少しだけ顔を出した。その瞬間・・・・・・
バシュッ!-----
一瞬で頭を撃ちぬかれ即死、もう一人は何が起こったのかを把握できていない
[増援にハンビー2台を送った。生存者は何人だ?]
[二人だ。一人は今、生きているか分からない。銃声がした。]
[分かった。急いで向かわせる。]
5分後・・・・・・
「ヘリの残骸だ。すぐそこだぞ」
「敵がいるかもしれない。注意しろ」
ハンビーを止め、警戒しつつヘリに近づき中を覗く
一人は、頭を打ち抜かれている。もう二人は墜落時に死んだと思われる。
「早く、助けてくれ。体の右側が変な感じがする。」
[生存者を一名確認。もう一人は戦死。衛生兵と増援を送ってくれ、敵が近い]
[了解した。近くのヘリを向かわせる。すぐ到着する]
「増援が来るぞ!それまで拠点を確保し防衛せよ!」
「了解」
「渥美、右のあのビルの三階に狙撃兵」
「分かった」
近くの物陰に隠れ、顔を出すのを待つ
「頭を出せ・・・・それでもスナイパーか?」
バシュッ!-----
「うぐッ・・・・・」
「彩峰!くそ!」
「よ・・・四階・・・・右から5番目の窓・・・」
よく狙いを定め狙撃体制をとる。
バシュッ!------
「よし。殺した。傷は・・・・肩か?」
「ああ、たいした事ない」
[救援だ。これから降下させる。支援よろしく頼む]
ヘリの轟音が高々と鳴り響く
[分かった!一人撃たれた。重傷ではないが早く治療を頼む]
ヘリから次々とロープ降下してくる。
そのうち、一人の小柄な衛生兵が近づいてくる。
「何処を撃たれたのですか?」
聞き覚えるある声・・・・・そして見覚えのある髪の色とシルウェット・・・・・
「エリナ?」
「ま・・・マスター?」
一瞬、固まる。
なぜ、エリナがここに居て衛生兵の格好をしているのかが分からない
「何でここにいる!基地で待っていなかったのか!」
そういいながら、ヘリの中の銃を取り、敵が隠れて撃ってきているところに撃つ返す
「心配だったんです!」
「エリナ!後ろ!」
振り返りエリナの頭の上付近で撃つ
それにエリナは驚き、目じりに涙を貯めている。
「ここは戦場だ!注意しろ!」
泣きながらも彩峰の治療を行う
「包帯は自分でする」
そう彩峰はいい、包帯をきつく縛る。
「銃はもてるか?」
「マスター!無茶はさせないでください!」
答える前にもう彩峰は、銃を手に目が血走っている。
「殺す・・・・・全員殺してやる!!!!」
そう叫び、物陰から飛び出し凄い速さで移動する。
「彩峰に当てるなよ!」
「おかしいです・・・・皆おかしいです!」
エリナは足元で座り込んで大泣きしている。
銃声が止んだ。硝煙の臭いが立ち込める中、彩峰は体中に返り血を浴びて立っている。
こちらに帰り際、必死に助けを求める兵士に銃弾を一発だけ頭に撃ち戻ってきた。
やけにその銃声が大きく響き渡った。
「終わったか」
「ああ・・・・」
そう言い合い、彩峰はエリナに近づく
エリナは、恐れるかのように後ずさりビルの壁に寄りかかる。
彩峰の手が顔に向かってくる・・・・
「いやぁぁぁ!」
エリナは、絶叫し拒んだ。だが、その手は頬にやさしく当てられしゃがんだ彩峰は、そっとやさしく話しかけた。
「大丈夫。何もしない・・・・・怖かったのか?」
「う・・・ん・・・」
そして、エリナを背負いハンビーへ向かう。
帰りは、全員が黙っていて通信に答えている矢木も少し声が低かった。
[こちら、マーダー86。生存者、及び戦死者を収容しポイントβへ移動中。以上]
[どうした?86。撃たれたのか?元気がないぞ]
[いえ、特に何もありません]
[そうか、ならいい。その先で敵が布陣している。100m先の路地を右へ進め]
[了解]
曲がり角付近で銃撃を食らった。
「応戦しろ!弾は無駄遣いするな」
ハンビーの備え付けの機銃が吼える。
「前方から砲撃!」
「くそ!」
ハンドルを切り、何とか避ける。
[空から支援する。避けろよ]
[了解!]
小型の戦闘ヘリが、降下しあるだけの銃弾を撃ちロケットランチャーを撃ち尽くす。
[戦車1、装甲車両2、破壊。残りは、戦車が1に装甲車両が1だ。]
[了解]
全員が降りて応戦する。
「こっちのライフルでデカブツを片付けるから援護してくれ!」
「分かった!」
ATRを安定した場所に置いて照準をあわせる。
ドンッ!------ドンッ!ーーーーーーー
二発とも戦車の装甲に阻まれた。
「くそっ!あそこに入れるしかないか」
「指示する。」
またスコープを覗き、指示を待つ
「左に2下に3。砲口がこっちを向いたら撃て」
それは、一瞬でしとめろという意味だ。
遅れれば、砲弾が直撃し戦死コースだ。
砲塔が旋廻し始めた・・・そしてこちらに砲口を向ける。
「今ッ!!」
ドンッ!----------
綺麗に砲身内に入り、発射寸前の砲弾に命中。内部から爆発が起こる。
「よし!左の機銃座と小屋を潰すぞ!ランチャー持って来い!」
対戦車ランチャーを構え、タイミングを待つ。
「支援射撃!今だッ!!」
全員が弾ををぶっ放して敵を押さえつける。
そして少し後ろでランチャーの発射音がした。
発射音より銃声の方が五月蝿くて本当に撃ったのか分からない
撃って命中したと分かったのは、爆発が見えてからだった。
装甲車は、無傷で手に入れられた。
「ラッキーだ。武器弾薬をこれに積み込んで出発準備!」
「了解!」
[こちらスーパー86。敵の装甲車を無傷で手に入れました。]
[了解、86。付近の部隊に伝えておく]
後ろに乗り切れなかった仲間がハンビーを運転している。
「やばっ!後ろから敵!」
「スーパーに突っ込んで立て篭もろう!」
装甲車ごとスーパーに突っ込み、盾にするように止める。
「手榴弾!おい!手榴弾をかき集めてこい!」
「誰も持っていません!」
スーパーは休みだったのか人がいない。
銃声が鳴り響く中、ここで作れる爆弾の代用品を考えていた。
「そうだ。今から言うものを集めて来い!潰れ易いペットボトル・テープ・ガラス製品・ドライアイス・水だ!」
「マスター!?どうするんですか?」
「火を使わない爆弾だよ」
3分後、カート3台分の材料が届いた。
ナイフを取り出してボトルの上の部分を切り取り、ドライアイスとガラスを入れてテープで切り取った部分を繋げる。
「中尉、これ知ってますよ。ガキの頃よくそれで遊んでました。」
矢木がそう言い作り始める。
これは、科学の知識だ。
ドライアイスは、二酸化炭素の塊で水によって溶けて二酸化炭素が発生しボトルが膨張、破裂する。
そのときにガラス片が飛び散り、対人地雷の代わりにもなる。
「よし!蓋とボトルを持って来い!」
カート一杯の簡易手榴弾を運び、水を入れて蓋を閉めて投げる。
すると、少しだけ銃声が止んで笑い声が聞こえた。
水が振れる音がした直後、ポンッという破裂音がして悲鳴が聞こえた。
「よし、次!」
腕力のある仲間が遠くへと飛ばす。だが、乱射されて撃ち落とされた。
「ばれたか、なら次の手だ。今度はマッチとアルコール度の高い酒をもってこい」
カートを押して一斉に取りに言ってくれた。
今度はカート二台分集まった。
「ガラス瓶に移し変えて火のついたマッチを入れて栓をして投げろ!」
少しだけ飲む奴もいたが、何も咎めない
そしてまた投げる。今度は敵の頭上に上げる。
またこれかと同じように撃ち落すが、今度は火のついたアルコールだ。頭から火の雨を浴びて応戦する余裕がない
「今だ!突っ込むぞ!」
物陰から出て突っ込む。敵は体中に火がついて応戦してこない
ほんの15分で制圧した。
「ここから、ポイントまでどれぐらいだ?」
「約5キロです。少し遠いですが・・・」
地図を見るとポイントの海岸まで4.7キロ地点にいる。
「装甲車は使えるな。出発するぞ」
車に乗り込み、再び走る。
急に攻撃がなくなったが、油断せずに銃を握っている。
「あそこ・・・・土が一部変じゃないか?」
車を止めさせてその部分を指差す。
「確かに周りの土と色が違いますが・・・・偶然かもしれません」
ハッチを開けて、その土の部分に2発撃つと土が爆発と共に吹き飛び、地面に大穴が開いた。
「じ、地雷!?」
矢木が驚いた。
「まだ、5個以上ある。」
「迂回しましょう。来る途中に道がありましたから・・・」
地雷を仕掛けるときは、掘った土を周りの土と同じ色にしておくのが常識だ。
こうも、わかり易くすると言う事は他の道にもトラップがあるということになる。
「いや、地雷を除去する。」
近くにおいてあった乗用車を突っ込ませた。
地雷が誘爆を起こし地雷が綺麗になくなった。
「迂回路に向かえ」
「あの、このまま行かないんですか?」
エリナが質問してきた。
「こうも、分かりやすい地雷を見たのは訓練の時以来だ。二重の罠と言う講義でな」
まだ、分からないようなので移動しながら話す。
「地雷を分かりやすくしておいて、迂回路に回ってきた敵を殲滅する。万が一、地雷に引っ掛かっても殺せるからな。」
エリナも納得したみたいで銃を弄り始める。
「迂回路に着きましたが、バリケードがあります。」
「やっぱり。その近くに敵がいるぞ、外には出るなよ」
完全に囲まれたが、本隊は地雷原に向かったはずだ。
「突っ切れ!あれぐらいなら壊せる!」
そう叫ぶと装甲車がいきなり加速した直後、鈍い音と衝撃が来た。
装甲に銃弾が当たる音が、中に響いてきている。
「応戦しろ。止らずに進め」
銃座や銃口を出す穴から銃を乱射して敵を威嚇しながら突き進む
5分後、やっと銃声が止み攻撃が止んだ。
「振り切ったか・・・・」
そしてまたドライブの始まりかと思った瞬間、車体が爆発音と共に横転した。
「くそ!エリナ!大丈夫か!?」
横転した車内を見る。
幸い、誰も怪我はしていないようだ。
「俺が外を見る。矢木と彩峰は援護してくれ」
少しずつ出口を開けるといきなり怒鳴られた。
「手を上げろ!銃を捨てるんだ!」
振り向いて銃を乱射した時に相手の服を見て驚いた。
デルタフォースのマークのパッチをつけた兵士だった。
「俺は日本人だ!日本海軍だ!そっちは!?」
そう叫ぶと銃声が止んだ。
「くそっ、もう少しで殺すとこだった!」
物陰から出て相手を確認する。
相手もこちらを確認して歩いてくる。
「すまない。敵の装甲車だったから勘違いした。助けてくれ」
「そっちのお迎えは?呼ばないのか?」
「それが来る途中に全滅した。」
無線でヘリを呼び出す。
[こちらガルム1、スーパー46。今から言うポイントまで来れるか?]
[どうした、ガルム1。救助か?]
[近い。アメリカのデルタフォースが身動きできないらしくい]
[了解した。だが、こちらも空母に戻ったところだ。部隊を再編してすぐに出るが時間が掛かる]
[わかった。立て篭もって抵抗する]
通信を切り時計を見る。
もう夕方の5時24分だ。あれからかなりの時間がたっている。
3時間で終わるはずの作戦が伸びている。
「迎えは来るが時間が掛かる。その間、ここで立て篭もる。」
銃弾薬は、まだ余裕があった。
「今の爆発で敵が来なければいいけど・・・・・」
地図とGPSで現在地を確認する。
海岸付近に居る事は確かのようだ。
5分・・・・10分と時間が過ぎていくが何も音がしない
ふとエリナを見ると違和感を感じた。その・・・・特に胸の辺りが・・・・
「エリナ、あまり大きな声で言えないけど・・・・胸・・・・そんなに小さかった?」
小声でそう言うとエリナは、少し赤くなって答えた。
「由紀さんと美紀さんが、パッドとかを私の胸につめて大きくしていただけですので・・・・・」
「あの毒蛇姉妹が・・・・帰ったら懲らしめてやる。」
実際のエリナは・・・・・つるぺたに近く、胸が小さい
「おい、だいぶ日が暮れてきたぞ」
夕日が沈み、暗闇に包まれてきた。
敵の襲撃もなく、救出用のヘリも来ない
[ガルム1から本部へ。ヘリはまだか?]
[こちらHQ。制空権が奪われた。ヘリでの救出は無理だ。]
その言葉を聞いた瞬間、あの頃を思い出した。
包囲攻撃されている中で援護を呼んでいるのに本部が撤収し自力で戻ったものの彩峰は、大怪我をして自分も足と右わき腹を撃たれていた。
[どうしろってんだよっ!見捨てるつもりか!]
[落ち着け。情報ではそちらに混成部隊2個中隊が接近中だ。]
[援護をよこせ!]
[今、対地攻撃機を発進させた。]
5分後、戦車のキャタピラ音と車両の音がしてきた。
「先制攻撃をする。全員、配置に着け!」
ATRを準備し弾倉をセットする。
「彩峰も銃で応戦しろ。お前なしでも撃てる。」
装甲車の燃料タンクを撃ち爆風で周りごと潰す。
その爆発を合図に銃撃戦が始まった。
[あ~。テステス。生きてますかぁ~?]
通信機から坂本の声が聞こえてきた。
[こちらガルム1。敵の位置が分かるか?]
[そんなカチカチするなって。・・・・全く見えん]
[マーカーを設置するから確認しろ]
「援護射撃用意!3・・・2・・・1・・・今!」
一斉に乱射して敵を抑えて赤外線マーカーを放り投げる。
[確認した。爆撃を行う。隠れとけよ!]
ジェットエンジンの轟音の後に爆発の音がする。
物陰に隠れていても爆風と地響きがしている。
目の前を火が走って行く・・・・まるで地獄から這い出した悪魔のように・・・・・・
[掃除完了!おっと、お空から敵さんだ。ヘリが降下するまでの間だけ制空権を取る]
[了解した。無理するなよ]
さっきの爆撃で敵はほぼ掃討されたが、生き残った敵が撃って来る。
5分後、空に響き渡る轟音と共にヘリが3機と護衛のゼロが飛んでくる。
[ゲーボ1から全ユニットへ ポイントエコーに到着した]
[こちらゲーボ4 着陸ポイントへ降下中だ しっかりケツを守ってくれよ]
[へっ。男のケツはゴメンだね さっさと荷物を運び込んじまいな]
上空を偵察ヘリが飛んでいる。
どうやら一時的に制空権が確保できたようだ。
[こちらゲーボ6。北西から混成部隊2個中隊が接近中だ。まだ時間がかかりそうだが・・・クソッ!SAMだ!南西10kの丘陵から撃たれた!不時着する!]
[大丈夫か!?]
[ああ・・・・なんとか・・・・機体を放棄し、そちらに走る]
[これじゃ、飛び立てない!上がった瞬間にズドンだ]
[俺が行く。ナイト全機へ、現状を維持し各自に対処]
坂本の機体だけ、SAMの発射地点へ向かった。
[対空陣地を発見。これより攻撃する]
「景気よく、小型を全部落すぞ!」
レイナがそう叫び、機体下部のウェポンベイが開き小型投下爆弾を全弾落す。
爆音が辺りを包み、機体をループさせる時に撃破を確認する。
[対空陣地を無力化した。今のうちに逃げろ]
ヘリが飛び立ち、敵機が追ってきたがヘリとホワイトナイト全機が放ったフレアで視界がゼロになる。
F/A-44B 「Falcon」は対地攻撃用でもあるため、フレアは左右上下に大量散布できるようになっている。
その上、簡単なジャミングシステムも装備しているが弱い物で接近してきたミサイルを一時的に混乱させるだけしか使えない上に電力も食う。

太平洋上空、同日時刻午後07:54
ヘリの中では、全員が疲れて寝ている。
ただエリナは起きていて悲しそうに海を見ていた。
「エリナ、どうした?」
「人が・・・・目の前で撃たれて深紅の血を流して倒れていくのをただ私は見ていた・・・・自分で人が死ぬ刹那の声を聞きたくないといっておきながらこうして戦場にいる・・・・・明らかにおかしいですよね・・・・矛盾して・・・・」
そう言い掛けたエリナを抱きしめた。
「もういい・・・・もう終わったんだ・・・自分を責めないほうがいい」
そう言い、エリナの唇キスをする。
「マスター・・・・・・」
とその瞬間、周りから声がした。
「熱いキス・・・・」
「やるねぇ~~~~」
「なんだい、なんだい。見せ付けるきか?」
「寝てるとでも思ったか?」
エリナも自分も顔が一気に赤くなる。
もう、ヘリは着艦準備をしていた。
長い長い作戦が終わった・・・・・・
その28日後にフェアリー・テイル作戦にて、オアフ島が奪還された。
幹部が居なくなったせいなのか、寝返りが起きて予定より早く作戦が終了したそうだ。

次回へ続く・・・・・・・



 2007/09/25:アルトマンさんから頂きました。
秋元 「なるほど、土の色の違いで地雷を確認しましたか。行軍中ならば、優れた洞察力がないといけません」
アリス 「……掘り返されていますからね」

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