ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR −全ての始まり−




ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR −全ての始まり−
プロローグ

1992年ユージア大陸……
現在のこの地は突如として行動を起したクーデター軍の支配下に置かれていた
だが、ある一人のパイロットの活躍で戦局は正規軍有利に傾いてきていた
そして、その出来事は紛争の最中に起こった
この日の夜、正規軍はクーデター軍から奪回した西地方のエルジア共和国の都市ファーバンティを奪回せんと攻撃を仕掛けてきたクーデター軍の迎撃に当たっていた

「こちら、スカイ・アイ。スカーフェイス1!! 敵機が民間地区に向かっている!!」

空中管制機からの連絡を受けた1機のF−15Cイーグルが反転する
両翼、尾翼、垂直尾翼の先端が青く塗られ主翼にはウスティオ共和国空軍所属であるマークが記されている

「まさか、奴らは民間地区を攻撃するつもりか!?」

「どうやらそのつもりらしい。他の機は間に合いそうにない。頼んだ」

「了解」

管制機の指示に従い、F−15Cは民間地区に向かうクーデター軍の機体を追撃する
その機体が視界に入り、イーグルのパイロットは機種を知らせる

「スカーフェイス1よりスカイ・アイ。敵機はMIG−29Aファルクラム。目標は爆撃コースに入っている!!」

「こちら、スカイ・アイ。この地域で敵機を落とせば大惨事になる!!」

「無茶言うな!! このままでは…ッ!!」

イーグルのパイロットはそこで言葉を止める
既に下方では7機のファルクラムが民間地区に攻撃を行っていたのだ
同時に別方向から駆けつけた正規軍機からも報告が入る

「民家が何棟かやられてる!! 全部で何機だ!?」

「8機だ。これ以上は!!」

イーグルのパイロットは残り1機のファルクラムを止めるべく一気に接近しようとした
だが、ファルクラムの方もそれを察知し、加速して一気に爆撃コースに入って降下していく

「スカーフェイス1!! そいつを止めろ!!」

友軍機からもそう通信が入る
だが、突如として衝撃と共にイーグルの速度が落ちた

「何!?」

見ると後方から別のファルクラムが機銃を浴びせかけてきたため、片方のエンジンが黒い煙を吹いていた
後方の脅威を振るったファルクラムはそのまま6発の爆弾を切り離した

「止めろぉぉ!!!」

イーグルのパイロットが叫ぶが、無常にも爆弾は6発とも民家に直撃
そして、爆発が起き、光が広がり、炎が上がり、直撃を受けた家屋を吹き飛ばした
彼は今一度爆撃を行ったファルクラムを見やる
その尾翼に刻み込まれていたのは青い皮膚をした一匹の蛇のマークだった

「忘れないぞ……」

マークを記憶に刻み込んだパイロットは急加速で離脱していくファルクラム部隊を横目に別の敵機に対して攻撃を加え始めた
だが、彼は泣いていた
民間地区への攻撃を許し、民間人の犠牲者を出してしまったことに……
その心に共感するかのようにファーバンティの空から雨が降ってきた


同じ頃
爆撃を受けた民家の1棟から数十メートルほど飛ばされて擦り傷や切り傷を負いながらも生きていた1人の少年が居た

「さっきのヒカリは、なんなの? さむいよぅ……」

少年がそう言葉を口にし、同時に雨が降り出してくる
それは余計に彼の傷口を傷めることになる
少年は視線を自宅に向けるが、彼の目に飛び込んできたのは破壊された家屋とその前に焼け爛れてピクリとも動かない自分の両親だ

「ねぇ? なんでおきないの?」

まだ幼い彼は両親の死を理解できていない
いや、死ということ、何が起きたのか、何故、両親が起きないのか
その全てがわかっていなかった

「そんなところでねてたらカゼひくよ?」

そう両親の亡骸に言いながら、少年は近くに落ちている物を拾い上げた
それは彼がプレゼントとしてもらった戦闘機Su−27フランカーのプラモデルである
傷口の傷みに彼は思わず泣きそうになるが、それを堪える
少年はしゃがみ込んで亡骸に言う

「おとーさん、おうちがなくなっちゃったよぅ……」

彼は父親を揺さぶるが返事はない

「おかーさん、あめがふってきたよぅ……」

今度は母親を揺さぶるがこちらも返事がない
上空では未だ正規軍とクーデター軍の戦闘機が空戦を繰り広げている
そして、戦果を確認するかのように攻撃を行ったファルクラムが通過していった
寒さに耐え切れず、少年は両親の亡骸に寄り添いながら呟く

「……おおきなトリ、おとがうるさい……ここは……さむい……」

彼の名はコウ=カマト
このときまだ5歳であった



3年後の1995年3月25日
場所はウスティオ空軍ヴァレー空軍基地に移る
1人の男性パイロットがソファーに横になって眠っている…いや、目を覚ました

「また…この夢か…」

彼はそう呟いて意識を覚醒させた
ユージア紛争から3年経った今でもその夢を見ている
あの時、ファーバンティ上空でファルクラムの民間地区への攻撃を防げなかったF−15Cイーグルのパイロットだ
3月上旬から始まったベルカによるウスティオ及び周辺国家への侵攻…
原因はウスティオ領内にて発見された膨大な天然資源発見の報である
これを聞いたベルカ公国は連邦法改正を無効と宣言して近隣諸国への侵攻を開始したのだ
所謂ベルカ戦争の幕開けであった

「よう。サイファー。起きたか?」

「ラリーか…嫌な夢を見ちまったよ」

彼に声を掛けてきたのはこれから共にチームを組むことになった「片翼の妖精」と呼ばれる傭兵ラリー=フォルクである
ラリーと彼はユージア紛争の頃にも何度か同じ部隊で作戦をこなした事のある仲だ

「また、ユージア紛争の頃の夢ですか?」

「そうだよ。ソフィア」

彼の目線の先には3年前にもラリーと共に居た少女ソフィアである
彼女は1990年にウスティオ領内ソーリス・オルティス地方にて発見された蒼晶石と呼ばれる特殊な鉱石を機体に組み込んだMachine Link System通称MLシステムと呼ばれる特殊システムによって誕生した精神生命体と呼ばれる存在だ
このことはベルカやサピンなどの近隣諸国やオーシア、ユークトバニアと言った大国に知られることなく発見されたが、ベルカ側もB7Rにて蒼晶石を発見したためMLシステム機の開発、配備は進んでいるだろう
ウスティオ側はまだ実験段階にあるためその数自体も少数だが、ベルカの内情も同じかも知れない

「ところで、アヤトとユウカは?」

「お前の子供たちならジャックと一緒に遊んでるよ」

「もう、いい加減子守は勘弁してくれ」

そう言って入ってきたのは開戦当初にウスティオ防衛のためにオーシアが派遣した空軍の生き残りであるジャック=バートレットである
彼は補給線が寸断したことによってオーシアに戻れず、ここヴァレー空軍基地で世話になっていたのだ

「すまんな。アヤト、ユウカ。こっちに来い」

「「はーい」」

男の声に彼の子供である2人の少年と少女が駆け寄ってきた
男の子の名はアヤト=キリサメ、女の子の名前はユウカ=キリサメである

「それじゃ、行くか? ユウイチ?」

「ああ」

ラリーの声に答える男
彼の名はユウイチ=キリサメ
このベルカ戦争で後に伝説となる「円卓の鬼神」と呼ばれる存在になるパイロットであった




あとがき
とうとうACE ZEROを書き始めることが出来ました
外機とのクロスオーバーなのでこの話では鎌土の過去にあたる外機第39話の内容を取り入れています
そして、既に5編で登場したアヤトも幼少時代の姿で登場
もちろん、04編主人公ですのでそちらで活躍しますが…
5からもバートレット大尉がご登場してきました
B7R制空戦でのフッケパインとの出会いも行うつもりで居ます



 2006/09/29:メビウスさんから頂きました。
秋元 「本編での少佐が、サイファーの境遇ですな」
アリス 「……自分の知る町や、守ろうとしていた町が燃えるのは、とても悲しいことです」

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