ノエル・スホーイ フランカーの開発者、バーベル・スホーイのひ孫 10才でモスクワ大学を卒業、大学はじまって以来の天才児とうわさされる 以後スホーイ設計局で航空機の設計、改良を担当する 現在13才。技術協力のため日本に滞在中 外洋機動艦隊外伝 蒼穹の守り 第二話 「いや、ほんっと悪かった。ゴメン、このとおり」 出向社員橋本に大目玉をくらい、「食堂にご案内しろっ」と怒鳴りつけられた 分かんないって、フツー。こんな小さい子が関係者なんて 「ふん、まあ許してもいいけど・・・ん?何これ?イポーニウドンにしては麺が平べったいけど・・・」 「ん?それきしめんだよ」 一足先に食べているセト 「なるほど、これが噂のキシメンか。やっぱりミソニコミとかエビフリャーとかもあるのか?」 「味噌煮こみもおいしいよねぇ〜。でもまだ暑いし。今はあんまり売っとるとこにゃぁよ。エビフライは・・・いつも食べてるわけじゃにゃぁし」 セトが苦笑する 名古屋人=エビフライ好きの構図が全国で一般的らしいが、別に名古屋人はエビフライが特に好きなわけじゃない 「ふむ、なるほど、そういうものか。なかなかうまいな、キシメンも・・・」 「でしょ、でしょ」 結構二人、気が合うみたい 「で、何の研究に来たんだい?フランカー・ゼロはもう量産化してるし・・・」 ノエルはずるずると麺をすすりながら隣のセトを指差した 「え?私?」 ずるずる・・・ごっくん・・・ 「うむ、なかなかおいしい。鰹節との相性がいいな」 「で、何の研究・・・」 「MLシステム。こっちの分野では日本の方が一日の長があるし、こっちはフランカー関係の細かい技術と交換なわけだ」 ノエルはどんぶりを傾け汁をすする「うむ、うまい」と呟いてから 「システム軍団のウワジマという軍曹に話を聞いてきたけどな、MLシステムの実物を見るのは初めてだ」 横のセトのほっぺたをぷにぷにつつく。「わわっ」とセト 「そうか、ご両親は?」 「ん?死んだ」 平然と言ってのけ、セトのほっぺたをつついている 「死んだって・・・」 「十年前にな。あんまり昔なんで覚えてない。研究所を狙ったテロだったらしいが・・・おい、北見少尉。食べないならきしめんもらうぞ」 「だあっ、これは俺の夕飯っ」 聞いて悪かったかな・・・とか思ったけれども、やっぱり取り消し 「そっか、ノエルちゃんご両親おらんの。じゃ、私がお姉さんになってあげよっか。ほら、私もスホーイだし」 「何を言っている。セトが発生したのはつい数年前でしょ。私は13なんだから、私のほうが年上」 「え〜、だってノエルちゃん見た目小さいし、見た目子供っぽいし」 「子供っぽいってゆーなっ」 じゃれあう二人を見て、こんなのもいいかな・・・と思った 「それでさ〜、この前ちーとばか風が強かったからって着陸荒くてさ〜。足が痛いのなんの・・・とろいっしょ。一哉って」 「そりゃひどいね。私が改良したフライバイワイヤなら、ちょっとぐらいの風でもバランス崩さないのに」 「・・・もしもし、お二人さん。何で俺の部屋にいるのですか?」 何故か俺の部屋のベッドに座って仲良くお喋りするノエルとセト 「だって、ノエルちゃんに『部屋に来て』って言っとったのは一哉でしょ」 「そうだけどさ、なんでセトまで・・・」 だいたい俺はノエルに空戦記録みた感想を聞こうと思ったのに、なんでこいつらお喋りしてるんだよ 「だってねぇ、二十歳過ぎたええ大人が、年端も行かない女の子を一人自室に連れ込もうとしとるんだもんね〜」 「ね〜」 く、くそっ・・・結託しやがってこいつら 「だぁぁっ、そうじゃなくて、今日は空戦の話しなのっ!!ノエルっお前俺の空戦記録見たんだろ。設計者としてどうなんだよ」 「ふふふ、分かっている。ほら」 ノエルが放り投げたのはディスク 「北見少尉の機動、見せてもらったよ。なかなかやるではないか。祖国ロージナでもここまで使いこなせてる人はあまりいないぞ」 「・・・そりゃどーも」 「それにしても、クルビットやらコブラ、ホバリングまで。実戦でここまでの曲芸飛行をする人も見たことがないな」 余計なお世話だ。ちゃんと勝てるし、それにこれ以外の機動あまりできないし。 「そうそう、こっちもえらい(疲れる)んだよ。微妙な出力調整とか揚力バランスの確保とか・・・それに結構負担がかかっとるんだから」 そういって首をこきこき鳴らすセト。・・・機体に負担がかかると肩がこるのか? さらにノエルの話は専門的な話にもおよぶ 空戦記録の感想を聞こうと思ったのも、ノエルがどれぐらい飛行機のことを知っているか試すという意味もあった 搭載した機器が不調でも、なんとしてでも基地に帰り着かなくてはならない 普通だったらベイルアウト(脱出)も考えるだろうけど、俺はそうはいかない。セトがいるから。 本当に信頼のおけるやつじゃないと、安心して搭載機器を信用することができない あの三菱社員(橋本)だって、性格は悪いが仕事はきっちりこなしていた ここまで機の事を分かっている。伊達にロシアのスホーイ設計局から来たわけではないな 「・・・の時点でのスロットル調整はエンジン不調を招く危険性がある。しかし、ここまで繊細な操作ができるとは、二人の関係はどこまで進んでいるのかね」 ・・・セトと目が合った 「そ、そんなノエルちゃん。わ、私たちはまだそんな・・・」 「隠さなくても良い。MLシステムの研究のためだ、科学の犠牲になりたまえ」 絶対ウソだ。興味本位で聞いてるとしか思えねぇ〜 「な、なんでこんな奴と・・・」 「こんな奴とは何よ」 「他の精神生命体を見てみろ。みんなマスターに忠実で・・・お前も少しは見習え」 「何言っとるよ、あんたがやっとる空戦機動、すごい負担がかかっとるんだに。それにすぐに燃料がのーなってまう(無くなってしまう)でかんわ」 「指示してからアフターバーナーの切るのが遅いんじゃないのか。推力が強すぎるときもあるし」 「とろくさいこと(バカなこと)言わんでよ。燃料をだだくさ(無駄に)しとるのはおみゃーのほうだがね。ちゃんとかんこーして(考えて)空戦せな」 「ちゃんと考えてやってるって。あれぐらいの機動で機体に負担がかかるとか言って、それぐらい耐えれるように作ってあるって」 「あかすか(ダメだって)。一哉はいっつもあらけない(乱暴な)飛び方するでかんわ。無理な機動をしたらかん(してはいけない)って習わんかった?」 言い争う二人を見ながら、ノエルは笑って、つぶやいた 「なるほど、これがあの機動を可能にする二人の仲か。面白い研究対象だ」 2004/03/10 誌ー摸乃譜さんから頂きました。 ノエルたん・・セトたん・・・ええなぁ(悦 アリス「・・・・・」 あまり萌えるとアリスに処刑されかねませんw(ぉ セトとノエルの掛け合いがまたいいですなw 北見少尉とセトの関係進展に期待ですw 第1話へ 第3話へ 戻る トップ |