アルシオーネの
エルディアの歩き方


アルシオーネ「皆さん、こんにちはw 私の名前はアルシオーネ・セティア・ヴォン・エグザンティ・フォースです。「そよ風の誘惑」においてそこそこ重要な役を担当させていただいてますw 今回の秋元中尉への友好投稿作品「OCEAN AWAY」の設定解説に当たり、私から質疑応答形式にて紹介させていただく役をおおせつかりました。」

アルシオーネ「これから、「OCEAN AWAY」ならびにその根幹を成す物語「亜麻色の髪の乙女」シリーズに共通する設定などを紹介していきます。また、ここで紹介された事柄以外の疑問などにも、随時応答していければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたしますねw」

アルシオーネ「では、最初のファクターから。」


?>エルディアという星はどんな星なの?
アルシオーネ「惑星エルディアは銀河系に属する恒星系の内の一つ、ハルモニア恒星系の第4惑星であり、地球と同じく同系内で唯一生命の存在が確認されている星です。地球よりも若干直径が大きく自転が早いため、重力的にほんの少し軽かったりします。大気成分は地球と変わらず、また自転軸も若干傾いているためやはり地球と同じように四季が存在します。ちなみに1年は365日、1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒と、時間的な概念は地球と同じです。」

アルシオーネ「・・・というより、説明できる範囲での地球との共通点はあまりにも多く、違っている点を指摘したほうが早いかもしれません^^; それは現在のエルディア上には地球ほど豊富な生態系は存在していないということ、大陸の約7割は開拓されていない手付かずの有様であること、そして月が二つあることでしょう。最後の月以外は「OCEAN AWAY」の時点での現況ですが、これは後に語る「8秒間の悪夢」に大きく関係しています。」


?>どんな国家が存在するの?
アルシオーネ「エルディア上には明確に「国家」という体制を維持している「組織」は存在しません。「OCEAN AWAY」現状から100年程前には、エルディア全土の3割未満の土地に26もの国家がひしめき合い、時に争ったり時に支えあったりしながら存続していましたが、やがてその中でも最大規模を誇っていたルサファ帝国がエルディア統一を目指して侵略を開始して以来、国家という枠組みを維持することが困難になっていき、最終的に全世界からの反抗によって自滅・再興なった新生ルサファ帝国の皇帝が自身を「管理者」として名乗り、不安定極まりなくなっていた当時の情勢を整理・管理し始めてから、国家は完全に消滅しました。」

アルシオーネ「国家に相当する単位は「自治区」としてまとまり、ある自治区は管理者の管理下におかれたり、また別の自治区は管理者から身を守るためにさまざまな抵抗手段を持って対抗していたりします。」


?>管理者って何?
アルシオーネ「先に説明したとおり、100年ほど前に起こった戦争(「奇跡戦争」と呼ばれています)によってもたらされた損害は、当時存在していたいずれの国にとっても致命的なものでした。人的にも産業的にも見返りのない、いわゆる「戦い損」を強要される戦争が世界を疲弊させ、最終的には極端な戦争「不」景気に陥ってしまいます。当然経済は完全に破綻し、社会は混乱・回復の兆しの見えないその状況は人々の生活においても暗い影を落とし、犯罪なども頻発するようになりました。」

アルシオーネ「元凶となったルサファ帝国は既に各国の連合によって駆逐され、その中心的な働きをしたサイフォジオ共和国主導の下、新たな政権が誕生。その際に新皇帝となった皇帝テリオスはその惨状を憂慮し、特に落ち込みのひどかった数カ国(このときはまだ国家としてかろうじて機能していました)に対して政策・経済などの内政を代行、建て直しに尽力しました。これが「管理者」の最初の行動であり、以後彼は持ち前の行動力を持って崩壊した国家勢力に対して精力的に働きかけ、最低限度の経済と秩序の維持をどうにか成し得る事に成功したのです。」


?>解放者って何?
アルシオーネ「国家の崩壊と無秩序化によって人々の生活が完全な破綻に陥る前に、なんとか自治区を整理して経済体制を確立した皇帝テリオス率いる管理者でしたが、その手腕は時に強引とも取れる非常に強大なものでした。当初その手法で次々と成果を上げて歓迎されていた管理者でしたが、自治区の中にはそういったやり方に対して反感を持つ人々も当然存在しました。また、混乱状況の中にあってそれなりに力を残すことに成功していた自治区にとって、管理者の介入はあまり喜ばしくない事態である場合もありました。」

アルシオーネ「管理者の発足から7年、「管理者の支配体制からの解放」を理念に、解放者が発足・管理者に対して抵抗行動を開始するようになりました。それは内政での妨害工作から実際の軍事行動においても幅広く行われ、一時期管理者の動きを完全に押さえ込む形で機能していました。これが解放者と呼ばれる組織の誕生です。」

アルシオーネ「以来、半世紀にわたって両者は反発を続け、本来ならば重要視すべき人々の平安にまでも深刻な影響を与えるまでに発展します。そう、戦争行動です。当初こそその戦争さえも管理者の計画通りに実行されていましたが、徐々に力をつけていった解放者もそうそう管理者の思い通りにはならず、先の見えない戦いはますます混沌の中へと沈み込んでいきます。」


?>放浪者って何?
アルシオーネ「管理者と解放者の衝突が不可避になり、実際に戦争が始まると、その影響を最も受けるのは当事者ではなく管理すべき・あるいは解放すべき第3者たる人々でした。強大な軍事力を背景に解放者の駆逐を行う管理者に対抗するため、解放者はテロ的な行動を多くとることで対処したため、一般の人々が戦闘に巻き込まれて死亡するケースが後を絶たず、混乱にいっそうの拍車をかけることとなりました。そのような理不尽から少しでも身を守るため、あるいはそれを防止することを生業とするために生み出されたのが放浪者と呼ばれる自衛組織です。」

アルシオーネ「基本的には個人運営のケースが多く、放浪者は管理者・解放者と比べても脆弱な存在です。ただ、必要とされて生み出された存在である事は確かであり、また基本的に能力のある人が立ち上げている場合も多く、規模そのものは小さいながらも予想以上に大きな成果を上げる場合もあったりします。また、管理者はそういった放浪者の存在を認可し、場合によっては支援を行ったりする場合もあります。」
 
アルシオーネ「放浪者は基本的に管理者と解放者の衝突から人々を守るために誕生した組織でありますが、衝突が同一のエリアで長期間続く事はほとんどないため(一部例外もあります)、戦争が起こっていない間は別の仕事をして生計を立てています。それが自治区の用心棒であったり、放浪者の組合規定を違反する組織を取り締まったりする仕事です。攻撃機を有する人たちはその爆撃能力で土木作業を行ったり、畑を耕したりすることもあるようです。また一部の放浪者は管理者の援助の下、空母を保有して能率アップを果たしているとも言われています。」


?>どんな乗り物が存在するの?
アルシオーネ「基本的に地球に存在するものは全てあると思っていただいて結構です。足こぎ自動車からジェット戦闘機まで・・・唯一つ、ロケットはまだ実用段階に入っていません。また、広大かつ荒涼としたエルディアの大陸郡の性質上、乗用車よりも飛行機の発達のほうが優先されているという相違もあります。一般家庭では一家に1機セスナが購入され、自治区それぞれに専用発着場があります。」


?>飛行機はどこか違うところがあるの?
アルシオーネ「基本的な構造そのものは地球のものと変わりませんが、駆動方式と操縦系統に違いがあります。まず、エルディアに現存する乗り物には一部を除き「窓が存在しない」のです。使用者は隔壁によって外部と遮断され、隔壁内側に映し出される映像を見て操作することになります。戦闘機の場合、映像は全天周で表示されるため死角が存在せず、空戦等に大きく影響します。旅客機などの場合は操縦席前半分のみが映像出力される形になります。」

アルシオーネ「次に駆動システムですが、エルディアではレシプロエンジンに相当する出力機を「ジェネレーター」、ジェットエンジンに相当する出力機は「オルタネーター」と呼びます。ジェネレーターの場合、機体前部に搭載され、先端部から反発特性の強いビーム粒子を放出・高速回転させることで推力を生み出します。オルタネーターはこの原理を凝縮したもので、円筒形の本体内にいくつもビームフィンを重ねて配置し、生み出す反発力を加速>それを加速>さらに加速、といった手法で強大な推力を得るシステムです。」

アルシオーネ「ジェネレーターは通常常用機(セスナなどの小型機)に、オルタネーターは戦闘機や輸送機に用いられ、活躍しています。しかし、何故このような形で推力が得られるのか、その用法と理論には解明されていない部分も多く、「実用されている未完成品」としてこれからも手を入れられていくものであると思われます。」


?>このエルディアの上で何があったの?
アルシオーネ「私たち人間の起源や、かつての時代に何が存在していたのかなどの歴史に関しては、全く把握できていないのが現状です。はっきりしている事実は、現時点(OCEAN AWAY当時)から1354年前まで、エルディアは今よりもはるかに高度に発達した社会を持っていたということ、それが突然終わりを告げ、当時70億にも達していた人類の殆どがわずか8秒の間に死に絶えたこと、その影響は1300年経過した今でも薄れずに残っていること、などがあります。これが「8秒間の悪夢」と呼ばれる出来事です。」

アルシオーネ「「8秒間の悪夢」によってエルディア上の生態系は殆ど失われ、人の文明を示すものも殆どが消えてなくなったとあります。かろうじて生き残った人々は、文字通りゼロからの再出発を行わなければならず、しかし文明に慣れ野生を否定してきた彼らにとってそれは容易ならざる事態でした。それから1300年、人々の生活レベルは地球とほぼ同等まで回復していますが、大陸の7割以上に残る未開拓エリアの有様からもわかるように、以前自らが突き崩した自然の驚異を克服するまでには、いまだいたっていないのが現状です。」

アルシオーネ「ちなみに、生態系崩壊以後、自然界での生態系は手付かずの有様でしたが、現在はほんの少しですが相応の新生態系が形成され、世界に広がっています。また、「8秒間の悪夢」が最も影響しにくかった海洋の生態系については、例外的に以前どおりの姿が維持されています。」


?>宗教とかはあるの?
アルシオーネ「基本的には原始宗教的なものが各地で広められ崇拝されていますが、心からの信者・心からの宗教という意味であれば、ただ一つだけ世界で通用するものがあります。「亜麻色の髪の乙女」を崇拝するクリスト教です。」

アルシオーネ「クリスト教は1冊の本にまとめられている聖典で、「8秒間の悪夢」直後から発祥し、信じられてきたといわれています。しかしその起源と成り立ちについてはわかっていない部分も多く、ことに混乱の度合いが増しつつある今日ではあまり十分な力(信仰)を得ることが出来ないともいわれています。」


?>「亜麻色の髪の乙女」って誰?
アルシオーネ「「亜麻色の髪の乙女」というのは、クリスト教の中で信仰されている女神様の総称です。聖典には全員で12人の「亜麻色の髪を持ち、金褐色の瞳を宿した清らかな乙女」が「世界を焼き尽くす炎の源」を断ち、その身を挺して炎から人々を救ったとされています。人の意思を読み取り、離れた場所の情況を見通すことが出来、そして機械との親和性がとても高く、どのような装置も遠隔操作できたと伝えられており、当初その存在は想像上のものであると考えられていました。」

アルシオーネ「しかし、今からおよそ100年前の奇跡戦争当時、全く同じことが出来てしまう人が現れたのです。それはルサファ帝国とサイフォジオ共和国の間に挟まれた山岳の小国、アースベルの皇女・アルシオーネ(私と同じ名前ですね)でした。彼女の力添えによって、サイフォジオは強大なルサファを打ち破ることが出来たといわれています。伝えられるところでは彼女もまた金髪金眼であったとされ、亜麻色の髪の乙女は実在したとまで言われる由縁となっています。」

アルシオーネ「蛇足ですが、彼女は当時のサイフォジオ大統領であったエメロード・タービニア・ジッキンゲン(私の旦那様と同じ名前ですね)と戦争当時婚約をしており、奇跡戦争終結後に結婚。数年間A国の女王として勤めたあと、ルサファの新皇帝テリオスに全権を移して夫と共に失踪、行方がわからなくなってしまっています。」

アルシオーネ「・・・私の事は、後ほど。彼女との関係については・・・まだ秘密ですw」


?>天空の一族って何?
アルシオーネ「管理者と解放者の衝突が不可避となり、摩擦が増大しつつある危険な時期に、突然クローズアップされ始めた存在がありました。双方が重要視する自治区の確保に動いていた際、その双方が接触しない位置でで全く予期しない戦闘が偶発、多大な損害をだしたことがことの始まりであり、事態を把握するために管理者は手を尽くしてその正体を割り出しました。その結果、管理者をも凌駕する戦闘能力を持って自分たちの管理を全く受け付けない、しかし解放者にも属さない存在が浮かび上がったのです。主に航空戦力で構成されたその「力」に、解放者はおろか管理者までも圧倒されてしまい、数度の戦闘で双方がこうむった被害はそれまでの直接衝突での被害をはるかに上回る結果となってしまいました。これが後に「天空の一族」と呼ばれるようになったきっかけです。」

アルシオーネ「最終的に管理者は一族と敵対する事は得策ではないと判断、講和を申し込んで事態の収拾に努めました。解放者のほうはその組織の圧倒的な力を引き入れようと働きかけましたが、目論見は失敗に終わっています。以後、天空の一族は双方の衝突には一切干渉せず、「必要とされる干渉」が発生しない限り、中立を保っています。」

アルシオーネ「天空の一族は独自の戦闘能力を有しており、その力はおそらく管理者以上=事実上世界最強といっても過言ではありません。しかしその力は現在封印され、傘下企業による兵器開発などの一端にその実力の片鱗をうかがうことができる程度です。」


?>エルディアで航空機を手に入れるには?
アルシオーネ「まず最初に、それぞれの自治区が発行している個人証明証を手に入れたあと、管理者が指導している「飛行訓練教習場」にて飛行訓練をつんで頂きます。学科・実技と適性検査を受けていただき、全てクリアとなって初めて「飛行許可証」が発行されますので、それを航空機を扱うディーラーに見せ、購入手続きへと進んでください。ただし、当然最初から全ての航空機が乗れるわけではありませんので、各方面への派生は引き続き管理者監修の元、専用学科へと移って頂く必要があります。」


?>管理者、解放者、それぞれの兵器について教えて。
アルシオーネ「一言でわかりやすく説明すると、管理者と解放者の力関係は「西VS東」といえるでしょう。管理者はメインとしてアメリカの兵装を、解放者は旧ソ連の兵装を主としています。つまり、F-14やF-15などは管理者、MiG21、MiG25などは解放者の所属となります。ただし、双方で老朽化や事故などによって廃棄・払い下げられた兵器などはジャンクディーラーを通して再生・リサイクルされ、放浪者の手に渡ったりしますので、厳密な意味ではありません。」

アルシオーネ「また、解放者向けに専用戦闘機を売り込む業者もいたり、管理者の支援の元新型機を開発する機関も存在するため、様相は少しずつ変化しつつあります。」


アルシオーネ「とりあえず、今回お話できる部分はこの通りでしょうか。次回は、もう少し細かな部分について解説できればと思っています。」

アルシオーネ「また、ご質問などありましたら帝宛までメールをいただければ、そのつど解答してまいります。メールが来ると帝がないて喜びますので、ぜひお送りくださいませ。」

アルシオーネ「ご静聴、ありがとうございましたwそれではごきげんようw」





 2006/04/21:三千院 帝さんから頂きました。

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