ゆりゆり





軽航空母艦 AC-4 百合


搭載定数雛菊の約4割、軽空母

 対テロ戦争を控えていた雛菊級の建造当時、海軍上層部は同型艦6隻の配備を希望していたが、一蹴され、3隻の建造にとどまっていた。しかし世界情勢を鑑みて、戦後の抑止力や遠征戦力の事も考えると、更なる空母の配備を望み、ACCA-2 朝顔が進水した頃になると、低コスト化案として軽空母の計画が議会に提出された。議会側としても、雛菊級は3隻で十分だが、戦力拡充のため空母の追加は必要と考えていた為、この計画は了承される事となる。
 計画仕様は「全長250〜280m」「搭載定数40機前後、完全格納」「原子炉搭載」など。特に、雛菊級の五面図と、計画艦の予想五面図を一緒に提出したのが功を奏したようだ。雛菊と並べると、なるほど、軽空母である(アメリカの正規空母と並べてもそう見える。ただ、フランスの正規空母シャルル・ド・ゴールと並べると逆だ)。


●武装
 対テロ戦争中、雛菊級は対空砲熕兵装の脆弱さが危惧されていた(主に艦長である付島 将兵に)が、運良く敵機が防空圏を突破すると言う自体は起こらなかった。しかし、それは配備されている航空機の量と質あってこそだった。百合級では搭載定数が雛菊の約4割となる為、防空圏突破も予測される。その為、こうして最初から対空砲熕兵装を十分に搭載、CIWSも含めて、オーディン・ロジックを6基、ヴァリアント・パテントを8基、128mm連装両用砲を6基、128mm連装高角砲10基である。特にヴァリアント・パテントは30mmという強力な連装ガトリング砲であり、対艦ミサイルの迎撃が主眼だが対航空機・対舟艇兵装としても優秀で、攻守ともに優れている。


●レーダー
 百合級は、雛菊級のような要塞化を求められていた訳ではないので、レーダーは必要な物だけの装備に留まっている。通常使用のレーダーと、低レーダー感度下対策の補助レーダーだ。


●搭載機
 搭載機は主にF-2MとMiG-29jk。MiG-29jkは、この百合級の為にライセンスを取得した物で、運動性はF-2Mより軽快だが、攻撃能力はある程度限定されている。故にコストも安く、議会側を納得させるには十分だった。
 そのほかに、電子戦機型のMiG-29jkE、戦闘偵察機型のMiG-29jkRを搭載し、JE-1とJH-24Mも搭載している。


●同型艦
 百合級は2隻のみ建造された。軍上層部としては、やはり軽空母よりも正規空母を欲しており、雛菊級が駄目ならば規模を落とした正規空母を配備すればよいと考え、百合級の建造中に計画を進行・提出した。
 結果、ACX3計画として、日本海軍空母建造計画は拡大型百合級とも言える紫苑級に移行する。


●サイズ比較

AC-4 百合 軽空母(280m)


ACCA-1 雛菊 攻撃型空母(372m)


TAC-1 菖蒲 練習空母(277.4m)


DDM-1 青葉 ミサイル駆逐艦(135m)



艦名/艦番号式 百合(ゆり)/AC-4
命名規則 花の名前
艦級 百合級
艦種 軽航空母艦(AC)  (軽空母)
亜型 T型
艦長階級 大佐
軍籍/所属 日本海軍/第2外洋機動艦隊
全長 280m
全幅 33.6m(船体) 84m(飛行甲板)
乾舷 14m
喫水 9.8m
基準排水量/満載 26,500t/41,800t
主機関 加圧水型原子炉2基 蒸気タービン4基/4軸推進
発電機 主発:蒸気タービン発電機4基
非発:ディーゼル発電機2基
最大速力 約34ノット強
乗員 905名(基本乗員) 510名(航空団員) 100名(海兵隊員) 
減揺装置 フィンスタビライザー 4基
ビルジキール 2基
電子戦装備 SPAR-23 多機能レーダー 4基
SPAR-26 多機能レーダー 4基
アクティヴ・フェイズド・アレイ方式
パルス・ドップラー・レーダー
RSP-18 対水上レーダー 3基  ロータースキャン・アクティヴ・フェイズド・アレイ方式
パルス・ドップラー・レーダー
VR-1 航海レーダー 3基
SECM-25 ジャマーユニット 2基
射撃管制 I-15イルミネーター 4基
GC-9 射撃管制レーダー 10基
GC-10 射撃管制レーダー 4基
特殊通信装備 SCU-5 衛星通信装置 3基
SCU-18 衛星通信装置 1基
APDL-3 4基
SLC12 レーザー通信装置 11基
ソナー SO24 バウソナー 1基
Mk.10 VDS 2基
Mk.9 TASS 2基
データリンクシステム ストリングス
兵装 ゴッドブレスMk.14 VLS
(16・16セル)
SAM-9 ブロウダーツ
SAM-16 クロスダーツ
40基(5・5セル)
22基(11・11セル)
装填数62基
34式64口径128mm連装両用砲 斬三四 6基
35式54口径128mm連装高角砲 靭三五 10基
VMG12.7-2 重機関銃 8基
VMG30 機関砲 4基

ヴァリアント・パテントMk.4 30mm AAGG 8基

オーディン・ロジック Mk.13 20mm CIWS 6基
11AASM アースムXI 5基(AASM-11 アースムXI 1基につき11発)
46式3連装魚雷発射管 2基(44式迎撃魚雷。自動装填可能)
ソフトキル兵装 チャフ/フレア・ランチャー 16基
レーダーデコイ・ディスペンサー 4基
水中デコイ発射管 8基
曳航式水中デコイ繰り出し口 2箇所
カタパルト E1 電磁カタパルト 1基
E2 電磁カタパルト 1基
搭載機/機数
MiG-29jk シー・ファルクラム 制空戦闘機 /20機
MiG-29jkR シー・ファルクラム・リサーチャー 戦闘偵察機 /5機
MiG-29jkE シー・ファルクラム・エレクトロン 電子戦機 /3機
F-2M マリン・ヴァイパー 戦闘攻撃機 /10機
JE-1 セントラル 早期警戒機 /3機
JH-24M フィッシャー 対潜哨戒ヘリ /4機
搭載定数45機、全機格納可能
搭載艇/隻数
高速哨戒艇1型 高速哨戒艇 /4隻  後部ウェルドック
12m内火ランチ 機動短艇 /4隻  後部ウェルドック
12m内火艇 機動短艇 /3隻  後部ウェルドック
12m長官艇 機動短艇 /1隻  後部ウェルドック
複合型作業艇2型 FRP船底ゴムボート /4隻  側部格納庫
他、ライフラフト・カプセル
建造費 約3300億1200万円 *航空機含まず
主な経歴 2047.02.04:MSB長崎造船所にて、ACX2/1として起工
2048.06.03:進水
2048.10.15:AC-4 百合として竣工、第7艦隊へ編入
2053.09.10:観艦式に参加
2053.10.16:第2外洋機動艦隊へ編入
2053.10.18:佐世保基地に移動

計画名ACX2:百合級軽空母 同型艦一覧 (総数2隻、現役2隻)
艦番号 艦名 艦番 尾号 所号 計画名 就役 造船所 母港 所属
AC-4 百合(ゆり)
【YURI】
04 Y ACX2/1 2048.09.15 MSB長崎造船所 長崎県佐世保 第2外洋機動艦隊
AC-5 桔梗(ききょう)
【KIKYO】
05 K ACX2/2 2048.10.21 住友造船横須賀 長崎県佐世保 第2外洋機動艦隊


*データは2053年開戦直前時。




公開日 2006/07/02
第2版 2006/11/10
画 材 製図用3mmシャープペンシル


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