雪風級駆逐艦 DD-19 雪風、DD-32 菊月、DD-55 白雪、DD-66 朝霧 |
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雪風級は、量産性を重視した駆逐艦で、実質的に日本軍の主力駆逐艦を担う存在である。 在日アメリカ軍撤退による防御力の低下や、現実的に起こり続けるテロ攻撃に対し、日本では、自衛隊の戦力強化を続けていた。特に、敵航空戦力の侵入を防ぐ為、航空戦力の充実化を図っていたのだが、海自としては高まる緊張に対し、計画中の空母を護衛する戦力や、艦隊戦力充実化を叫んだ。 そこで提案されたのが、「量産性に優れた駆逐艦を大量配備する」事である。 議会側は「安くて良い物が作れるならば」と提案を許可。結果、戦力としての価値を保ちつつ、尚且つコストパフォーマンスの良い駆逐艦としてDDX3が計画され、30隻前後の配備が決定。のちにテロが激化した為、調達数を40隻前後に増加。開戦確実と囁かれ始めた2040年には、調達数50隻前後と増大していた。 最終的に就役したのは、合計51隻。T型(前期型)13隻、U型(中期型)23隻、V型(後期型)11隻、W型(最終型)4隻で、2053年現在では41隻が現役である。 ●武装 武装は対艦・対空能力に優れた両用砲を主砲とし、5基搭載。これはトップヘビー対策と低コスト化の為、34式128mm連装両用砲の発射速度を落として必要な強度を下げ、そのぶん軽量・安価に作られている。また、低レーダー感度下での戦闘力を強化しつつ、ゴッドブレスMk.10 VLSは32セル装備し、高レーダー感度下での戦闘も遺憾なくこなせるようになっている上、ヴァリアント・パテント及びオーディン・ロジックCIWSを装備している為、対ミサイル防御力も十分であり、本艦は単なる低コスト多量建造を目的とした艦ではない。 ●レーダー レーダーは埋め込み型の軽量・低コストなフェイズド・アレイ・レーダーを4基と、低レーダー感度下における補助レーダーとして、ロ−タースキャン型のフェイズド・アレイ・レーダーを1基装備。対水上レーダーは、3基装備している。勿論、低レーダー感度下における補助が目的だ。 コスト重視な為、電子機器の能力は前級である菊水級駆逐艦のほうが上である。 ●船体 雪風級(最終型除く)は、全長113.4m、基準排水量2,650t(後期型は2,670t)のコンパクトな船体を備える。これは、短期間で多量に建造する為だ。 但し、コンパクト化したという事は、機械室は狭く、機関などを圧縮配置しているという事でもあり、積み木の様に組み立てていく建造時はともかく、整備の際には作業者泣かせな面もある。特に舵機室の狭さは非常に不評で、「狭くて天井が低い」の一言に尽きる。真上に第5主砲室とVDS/TASS室がある為だ。 また、整備対象が大きくなればなるほど、取り出し陸揚げする為に邪魔な物が増える為、整備対象を外す為に別のある物を外さなければならないなど、付帯工事の発生にも繋がる。 この問題点は、建造し運用していく中である程度改善されている為、T型よりU型、U型よりV型と、整備性は比較的良くなっている。W型は船体延長により機械室なども広くなっているので、整備性が格段に向上した。 尚、この頃の日本艦艇の例に漏れず、船首水線付近が強化され、高周波ヒーターを装備しており、厚さ500mm程度の氷ならば溶断して連続砕氷航行が可能である。これは、北海道防衛を主眼とした物で、主力艦艇は必ず装備している。砕氷航行時には、船首ヒーターと併用し、NBC防御/融雪用温水散水装置にて温水を撒き、船体を伝った温水で水線付近の氷との摩擦を低減させる(使用は状況による)。 但しあくまで簡易的な砕氷能力であり、砕氷船のようなラミング/チャージングは不可能で、流氷により船体を丸ごと囲われているような状況では脱出不可能である。したがって、砕氷航行中は無闇に停止できず、流氷突入するどうかの判断は慎重を要する。 ●価格 雪風級T型(前期型)の建造費は、約320億円。これは、通常型駆逐艦の約7〜8割、ミサイル駆逐艦の約4割ほどの価格。 レーダーや攻撃システムとしてはミサイル駆逐艦に及ばないものの、砲撃能力では圧倒的に雪風級が上回っており、総合能力としては通常型駆逐艦に及ばないものの、コストパフォーマンスでは雪風級の方が上だ。 ●T型(前期型) DD-19〜DD-31までの雪風級はT型に分類され、前期型とも呼ぶ。 装備は量産性を考慮しつつ、且つ攻撃力の高い物とし、両用砲を主砲として装備。VLS及び、長魚雷発射可能な38式3連装魚雷発射管を搭載した。結果的に対艦・対空・対潜・対地攻撃力全てを保有する汎用性を得、その船体規模と電子機器からコストを抑えている。 航空戦力は無人多用途ヘリ JQH-3Mを1機搭載、最大2機まで搭載可能。 全長113.4m 全幅12.6m 喫水4.2m 基準排水量2,450t ・38式64口径128mm連装両用砲 斬三八 5基 ・VMG12.7-2 重機関銃 4基 ・VMG30 機関砲 2基 ・ヴァリアント・パテントMk.6 4基 ・オーディン・ロジックMk.12 CIWS 2基 ・21AASM/N アースムXI 2基 ・33式4連装巡航ミサイル発射筒 2基 ・34式3連装魚雷発射管 2基 ・ゴッドブレスMk10 VLS 32セル ●U型(中期型) DD-32〜DD-54までの雪風級はU型に分類され、中期型とも呼ぶ。。 マストの形状がT型と違うほか、艦首ブルワークが省略されるなど簡略化が図られているが、基本的に同じで、T型とU型の能力差はほぼない。 航空戦力は無人多用途ヘリ JQH-3Mを1機搭載、最大2機まで搭載可能。 全長113.4m 全幅12.6m 喫水4.2m 基準排水量2,440t ・38式64口径128mm連装両用砲 斬三八 5基 ・VMG12.7-2 重機関銃 4基 ・VMG30 機関砲 2基 ・ヴァリアント・パテントMk.6 4基 ・オーディン・ロジックMk.12 CIWS 2基 ・21AASM アースムXI 2基 ・33式4連装巡航ミサイル発射筒 2基 ・34式3連装魚雷発射管 4基 ・ゴッドブレスMk10 VLS 32セル ●V型(後期型) DD-55〜DD-65までの雪風級はV型に分類され、後期型とも呼ぶ。 攻撃力強化として、短魚雷/迎撃魚雷用の41式3連装魚雷発射管が追加されたほか、搭載燃料増加が図られている。 航空戦力は無人多用途ヘリ JQH-3Mを1機搭載、最大2機まで搭載可能。 全長113.4m 全幅12.6m 喫水4.2m 基準排水量2,500t ・38式64口径128mm連装両用砲 斬三八 5基 ・VMG12.7-2 重機関銃 4基 ・VMG30 機関砲 2基 ・ヴァリアント・パテントMk.1 4基 ・オーディン・ロジックMk.12 CIWS 2基 ・21AASM/N アースムXI 2基 ・33式4連装巡航ミサイル発射筒 2基 ・41式3連装魚雷発射管 2基 ・34式3連装魚雷発射管 2基 ・ゴッドブレスMk10 VLS 32セル ●W型(最終型) DD-66〜DD-69までの雪風級はW型に分類され、最終型とも呼ぶ。 艦尾が20m程延長された、雪風級最後の型。雪風級V型の強化版として建造された。合計4隻の調達が決まったところで、次期駆逐艦のDDX4計画が固まった為、十分な数が揃ったとしてそれ以上建造される事はなかった。 航空戦力は無人多用途ヘリ JQH-3Mを1機搭載、最大2機まで搭載可能。 全長134.6m 全幅12.6m 喫水4.2m 基準排水量3,020t ・38式64口径128mm連装両用砲 斬三八 6基 ・VMG12.7-2 重機関銃 4基 ・VMG30 機関砲 2基 ・ヴァリアント・パテントMk.2 6基 ・オーディン・ロジックMk.12 CIWS 2基 ・21AASM/N アースムXI 2基 ・33式4連装巡航ミサイル発射筒 2基 ・41式3連装魚雷発射管 2基 ・34式3連装魚雷発射管 4基 ・ゴッドブレスMk10 VLS 48セル ●サイズ比較 DD-19 雪風 駆逐艦(113.4m) 雪風級T型 DD-32 菊月 駆逐艦(113.4m) 雪風級U型 DD-55 白雪 駆逐艦(113.4m) 雪風級V型 DD-66 朝霧 駆逐艦(133.4m) 雪風級W型 DDM-1 青葉 ミサイル駆逐艦(135m) BSN-3 浦賀(53LRG) 原子力戦艦(301m)
*データは2053年開戦直前時。
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