フランカー派生図 SUKHOI “FLANKER” Derived diagram. 
フランカー@アキモトの軍事基地(?)のコンテンツです。このページはフランカーシリーズを紹介。
●レイアウト上、フォントサイズを固定しています。主な詳細内の太文字は、型式番号のキリル文字標記です。
●#○○()は、機首もしくは垂直尾翼に付けられたナンバーを示す。○○の部分が番号、()内は色、尾翼とあれば垂直尾翼番号、なければ機首。
●工場シリアルNo.○○-○○(Factory Serial Number=FSN)は、各工場がつけたシリーズごとのシリアルナンバーです。洋書ではF/N(Factory Number)とも表現されますが、工場番号(T-10SやT-10M等)と混ざらないように表記しています。
●工場シリアルNo.は、一般的なシリアルナンバー(S/N 所謂C/N=Construction Numberと同義)とは別にあります。
フランカーという名前について。


試作原型機:フランカーA
型式番号 主な詳細。
T-10-0 Т-10-0
工場シリアルNo.00-03。

静的試験機。
T-10-1 Т-10-1
T-10、1号機。工場シリアルNo.00-01。
1977年5月20日:初飛行。

1969年に開発が始まった、Su-27の試作原型機。
1974年製作開始、1977年5月20日に初飛行。フランカーファミリーの始祖鳥となる。AL-21F-3 ターボジェットエンジン搭載。
1978年頃、ジューコフスキー飛行場にてテスト中の本機(若しくはT-10-2)を西側が察知。Ram-KとのNATOコードが仮につく。外見の詳細は不明であった為、当初はF-14似のVG翼機だと思われていた。
1982年1月にテストを終了。
1982年、Ram-KはSu-27という型式の機体で、F-14とはまったく異なる後退翼機であることを西側が確認。フランカーとのNATOコードがつけられたが、機体形状は未だ詳細不明であった。
1985年末、開発初期のものと思われる映像及び写真が、ソ連のTV番組内で報道された。これはきわめて不鮮明なもので、詳細は分からなかった。
最終的に本機は、モニノ空軍中央博物館に展示されている。


【T10-1】
本機も含めて「T-10」系統機の「〇号機」を示す場合、工場コードとしてはT-10-1やT-10S-1の表記であるが、特にスホーイ内資料ではT10-1、T10S-1などと表記される事も多々ある。


【NATO名称:Ram-K → FLANKER A】
存在が確認された当初は「Ram-K」だったが、のちに「FLANKER A」となった。ジェット戦闘機は「F」から始まる2音節の単語がつけられる為だ。
本機が何故Ram-Kとの名称だったかと言うと、当時飛行試験を行っていたジューコフスキー飛行場は、西側からラメンスコエ空港(Ramenskoye Airport)と呼ばれていた為、同飛行場で10番目に目撃された不明機である本機を、アルファベット順に数えて10番目(こういった場合「 I 」は除く)のKを加え、Ram-Kと呼ばれた。


#10(青)
T-10-2 Т-10-2
T-10、2号機。工場シリアルNo.00-02。
1978年:製造。1978年5月16日:初飛行。

フライ・バイ・ワイヤ(FBW)システムを初搭載した。のちにSu-27は、ソヴィエトの実用戦闘機としては初のFBW制御機となる。
1978年7月7日、超音速飛行試験中に主翼が崩壊し、墜落。

#210(青)
T-10-3 Т-10-3
T-10、3号機。工場シリアルNo.01-01。
1979年8月23日:初飛行。

T-10-3以降は、垂直尾翼の形状変更(外側に開いている)。AL-31エンジン搭載。1982年8月22日にスキージャンプ試験、着艦フック試験も行なっている。
1983年6月23日、累計184回でテスト飛行を終了。

#310(青) → #03(青)
T-10-4 Т-10-4
T-10、4号機。工場シリアルNo.01-02。
1979年10月31日:初飛行。

AL-31エンジン搭載。
1983年4月にテストを終了。累計203回、222.5時間であった。

#410
T-10-5 Т-10-5
T-10、5号機。工場シリアルNo.02-01。
1979年8月:納品。1980年6月:初飛行。

本機T-10-5以降、前縁フラップ搭載。
。1984年4月25日に総飛行217時間でテストを終了。

#51(青)
T-10-6 Т-10-6
T-10、6号機。工場シリアルNo.02-02。
1979年末:納品。

1980年10月25日、地上でのエンジンテストの際に発火し、廃棄された。
02-03 02-03
工場シリアルNo.02-03。

T-10-5準拠の静的試験機。T10-5-0とも呼ばれていた。
03-01 03-01
工場シリアルNo.03-01。

本機は製品として不合格であった為、T-10としての採用はなかった。
1984年、VVIA(ВВИА:空軍工学大学校)へ教材として移管。その後、スホーイOKBにてテストベンチとして使用された。
03-02 03-02
工場シリアルNo.03-02。

本機は製品として不合格であった為、T-10としての採用はなかった。
1984年、VVIA(ВВИА:空軍工学大学校)へ教材として移管。
T-10-7 Т-10-7
T-10、7号機。
1981年4月20日:初飛行(T-10S-1)。

大幅に改造され、量産原型一号機・T-10S-1に。
同年9月3日、事故により損失。
T-10-8 Т-10-8
T-10、8号機。
1981年:製造。

T-10の静強度試験機として制作され使用されたのち、T-10Sの静強度試験機、T-10S-0としても利用されている。
T-10-9 Т-10-9
T-10、9号機。工場シリアルNo.03-03。
1980年:納品。1980年10月:初飛行。

1984年夏にテスト終了後、1986年4月に空軍へ教材として引き渡される。

#303
T-10-10 Т-10-10
T-10、10号機。工場シリアルNo.04-02。
1980年:納品。1982年11月:初飛行。

1984年4月に、総飛行202時間でテストを終了。
ウクライナのルハーンシク航空博物館に展示されている。

#10(黄)
T-10-11 Т-10-11
T-10、11号機。工場シリアルNo.04-01。
1980年:納品。1982年2月:初飛行。

1984年2月1日、総飛行206時間でテストを終了。

#11(青)
T-10-12 Т-10-12
T-10、12号機。工場シリアルNo.04-03。
1981年11月27日:初飛行。

T-10S-2に改造後、1981年12月23日、事故損失。

#12
T-10-13 Т-10-13
T-10、13号機。

詳細不明。
T-10-14 Т-10-14
T-10、14号機。工場シリアルNo.04-05。

静強度試験機。
T-10-15 Т-10-15
T-10、15号機。工場シリアルNo.05-01。
1981年12月:納品。1982年6月2日:初飛行。

ここまで再設計を重ねて、Su-27に近い外見となった。
T-10S-3に改造されたのち、P-42に改造。

#15(青)
T-10-16 Т-10-16
T-10、16号機。工場シリアルNo.04-04。

疲労試験機。
T-10-17 Т-10-17
T-10、17号機。工場シリアルNo.05-02。
1982年5月31日:納品。1982年6月1日(2日とも):初飛行。

外見上、初期生産型のSu-27と殆ど同じであるが、キャノピーの形状と、垂直尾翼の形状(翼端が傾斜していない)が違う。
1983年・夏、飛行中に翼の一部が破損する。

#17(青)



最初期の艦上機型計画
型式番号 主な詳細
  計画のみ(Su-33と異なりカナード翼はない)
Su-27K Су-27К
T-10計画機をベースとした1972年の計画の一つ、コードネーム「モルニヤ1」。艦上戦闘機型。計画のみ。Su-27KI(モルニヤ)に発展。
のちのT-10K(Su-27K)とは別だが、影響は及ぼしているだろう。
Su-28K Су-28К
T-10計画機をベースとした1972年の計画の一つ、コードネーム「グローザ」。二人乗りの並列複座艦上攻撃機型。計画のみ。Su-27KShに発展。

*Su-25 フロッグフットの練習機型、Su-28(1987年)とは無関係。
Su-28KRT Су-28КРТ
T-10計画機をベースとした1972年の計画の一つ、コードネーム「ヴィンペル」。偵察及び目標指示機。提案がなされたのみで、計画は中止されている。

*Su-25 フロッグフットの練習機型、Su-28(1987年)とは無関係。
Su-29K Су-29К
T-10計画機をベースとした1972年の計画の一つ、コードネーム「モルニヤ2」。R-33長距離AAMを搭載する艦上迎撃機型。計画のみ。

*Su-26の発展型、レシプロアクロバット機Su-29(1991年)とは無関係。
Su-27KSh Су-27КШ
1974年以降に計画がスタートした並列複座艦上攻撃機型、「グローザ」。Su-28Kから発展した計画で、並列複座+主脚がボギー式二輪である。しかし、計画のみで実現はしなかった。
但し、のちのT-10KM-2、ひいてはSu-27IB(Su-34)、Su-27KUB(Su-33UB)に影響を及ぼしているのは間違いないだろう。
Su-27KI Су-27КИ
1974年以降に計画がスタートした単座の艦上戦闘機型、「モルニヤ」。Su-27K(モルニヤ1)から発展した計画だが、計画のみで終わる。しかし、Su-27K/KI(モルニヤ)は、のちのT-10K(Su-27K)=Su-33に影響を及ぼしたと言える。












フランカーシリーズとは直接関係の無い機体
型式番号 主な詳細
Su-27KM 1980年代初頭に計画された前進翼艦上機。S-32の設計及び、Su-47(S-37)の大本になった計画。名称がSu-27KMであり、Su-27の基礎を使用し発展させた新規設計機であるとされるが、共通性は殆どない。1989年に計画中止。
S-54 1980年代末より計画された、高等練習機。フランカーで得た技術を流用しているらしく、特に機首周りがフランカーに似ていて、寸詰まりの単発フランカーのように見えるが、系譜上には居ない別の機体。
上記はコンペの際に提案された計画図と模型の姿の一例であり、他のS-54案は、フランカーとは全く似てない形状をしている。

S-54:高等練習機型。1992年にコンペ脱落
S-55:軽戦闘機型。1995年に提案
S-56:艦上機型。1995年に提案

上記3種が提案されているが、計画のみで、その後の続報はない。
Su-28 1987年8月に初飛行した、Su-25 フロッグフットの練習機型。
1972年に計画されたフランカー派生計画のSu-28K(グローザ)/KRT(ヴィンペル)及び、並列複座型Su-33系統の計画機・Su-28とは無関係。
Su-29 1991年に初飛行した、Su-26の発展型レシプロアクロバット機。
1972年に計画されたフランカー派生計画のSu-29K(モルニヤ2)とは無関係。
Su-37 1991年に中止された、LFI計画の戦闘攻撃機・Su-37 フラウンダー。Su-37との名称で紛らわしいが、Su-37(Su-27M2)とは無関係。
Su-34 Su-25Tの輸出型、Su-25TKの別名称。Su-27IB(Su-34)とは無関係。
1991年・ドバイ航空ショーにて、試作型であるT-8M-3をSu-25TK/Su-34として発表したが、2000年にSu-25Tの開発計画は中止され、一度はSu-32となったSu-27IBは、2006年、再びSu-34と名称変更している。

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量産原型機
型式番号 主な詳細。
T-10S-0 Т-10С-0
静強度試験機。1981年、T-10-8を改造した。
T-10S-1 Т-10С-1
T-10S、1号機。
1981年4月20日:初飛行。

Su-27の量産原型機、T-10Sの1号機。T-10-7を大幅に改造した機体。初期生産型のSu-27とはキャノピーの形状(IRST周りの枠が大きい)、垂直尾翼(翼端が傾斜していない)が異なる。
1981年9月3日、管制上の混乱により、燃料不足に陥り墜落。
T-10S-2 Т-10С-2
T-10S、2号機。工場シリアルNo.04-03。

T-10-12からの改造機。
1981年12月23日、高速飛行試験中に事故損失。
T-10S-3 Т-10С-3
T-10S、3号機。工場シリアルNo.05-01。
1982年6月2日:初飛行(T-10-15)
1982年7月23日:初飛行(T-10S-3)

T-10-15から改造された量産原型機。
スキージャンプ試験に使用された。1982年8月2日に初試験。
のちにP-42へと改造される。

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追加試験機
型式番号 主な詳細。
T-10-18 Т-10-18
T-10、18号機。工場シリアルNo.06-04。
1982年末:納品。1983年7月7日:初飛行。

1989年5月22日、地上での炎上事故で損失。

#18(青)
T-10-19 Т-10-19
T-10、19号機。工場シリアルNo.05-04。
静的試験機。

#19(青)
T-10-20 Т-10-20
T-10、20号機。工場シリアルNo.05-05。
1982年末:納品。1983年6月27日:初飛行。

1987年5月にT-10-20KTMへ改造されたのち、T-10-20Rへと改造され、最終的には1992年10月、コディンカ中央軍事博物館に引き渡され展示。

#20(青)
T-10-21 Т-10-21
T-10、21号機。工場シリアルNo.05-03。
1983年8月19日:初飛行。

T-10-18として生産されたが、のちにT-10-21へ改名された機体。
1984年5月25日に墜落。

#21(青)
T-10-22 Т-10-22
T-10、22号機。工場シリアルNo.06-05。
1983年:初飛行。

MAKS-1993にて展示。
のちにアフトゥビンスク、ロシア国防省 第929州飛行試験センター(第929GLIT:929-й ГЛИЦ)へ移管。

#22(青)
T-10-23 Т-10-23
T-10、23号機。工場シリアルNo.06-02。
1983年12月28日:初飛行。

#23(青)
T-10-24 Т-10-24
T-10、24号機。工場シリアルNo.06-03。
1983年:初飛行。

T-10-25として生産されたが、のちにT-10-24へ改名された機体。
1985年にカナード翼試験機として改造され、1987年1月20日、事故損失。

#24(青)
T-10-25 Т-10-25
T-10、25号機。工場シリアルNo.07-01。
1984年8月3日:初飛行。

T-10-26として生産されたが、のちにT-10-25へ改名された機体。
地上模擬着艦テスト機として改造され、1984年11月23日(11日とも)、飛行制御の事故で墜落。

#25(青)
T-10-26 Т-10-26
T-10、26号機。工場シリアルNo.07-02。
1985年2月7日:初飛行。

T-10-24として生産されたが、のちにT-10-26へ改名された機体。
のちに丸ノズルタイプのTVC試験機、Su-27LL-KSへと改造される。

#26(青)
T-10-27 Т-10-27
T-10、27号機。工場シリアルNo.06-01。
1983年6月27日:初飛行。

#27(青)

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各種試験プログラム用生産機
型式番号 主な詳細。
T-10-28 Т-10-28
T-10、28号機。工場シリアルNo.07-03。
静的試験機。
T-10-29 Т-10-29
T-10、29号機。工場シリアルNo.07-04。
静的試験機。
T-10-30 Т-10-30
T-10、30号機。工場シリアルNo.09-06。
1985年5月22日:初飛行。
スピンテスト機。
T-10-31 Т-10-31
T-10、31号機。工場シリアルNo.12-01。
1985年4月20日:初飛行。

コディンカ中央軍事博物館にて展示後、1994年、モスクワ航空研究所へ移管。

#31(青)
T-10-32 Т-10-32
T-10、32号機。工場シリアルNo.12-02。
1985年4月20日:初飛行。

Su-27SKなど様々なテストプログラムにて使用後、クラスノダールVVAUL(高等軍事航空パイロット学校)へ移管された。
T-10-33 Т-10-33
T-10、33号機。工場シリアルNo.16-01。
1986年:初飛行。

様々なテストプログラムで使用後、アフトゥビンスク、ロシア国防省 第929州飛行試験センター(第929GLIT:929-й ГЛИЦ)へ移管。

#33(青)
T-10-34 Т-10-34
T-10、34号機。工場シリアルNo.16-02。
1986年:初飛行。

T-10M-1に改造。
T-10-35 Т-10-35
T-10、35号機。工場シリアルNo.16-14。
1986年:初飛行。

ソ連航空産業省飛行研究所(LII MAP USSR:ЛИИ МАП СССР)、現在のグロモフ飛行研究所(GFRI。ロシア語略ЛИИ(英字に直すとLII))に所属していたが、1990年9月9日に損失。

#14(赤)
T-10-36 Т-10-36
T-10、36号機。工場シリアルNo.17-02。
1986年12月27日:初飛行。

ソ連航空産業省飛行研究所、現在のグロモフ飛行研究所に所属した。

#02(赤)
T-10-37 Т-10-37
T-10、37号機。工場シリアルNo.00-01(T-10K-1)。
1987年8月17日:初飛行(T-10K-1)。

未完成状態だった本機は、T-10K-1に改造された。よって工場シリアルNo.00-01は、T-10K-1改造後につけられている。
T-10-38 Т-10-38
T-10、38号機。工場シリアルNo.20-10。
1987年4月27日:初飛行。

T-10M-2に改造。
T-10-39 Т-10-39
T-10、39号機。工場シリアルNo.22-19。
1987年11月13日:初飛行。

1993年に運用終了。
2016年5月、機番を『青27』に変更し、チェルノゴロフカにて保存された。

#39(青)
 ↓
#27(青):2016年5月、保存時
T-10-40 Т-10-40
T-10、40号機。工場シリアルNo.24-01。
1988年2月:初飛行。

T-10M-6に改造。

#40(青?)
T-10-41 Т-10-41
T-10、41号機。工場シリアルNo.24-04。
1988年2月:初飛行。

のちに『388』の機番を与えられ、 1989年、パリ・エアショーにて、Su-27としてSu-27UB(#389)と共に西側に初公開。
1992年末~1993年6月、Su-27SKに改造され(扱い的にはSu-27か?)、『319』の機番を得る。

1989年6月・パリ、1990年2月・シンガポール、1990年9月・ファーンボロ、1991年2月・中国/フィリピン、1991年11月・アラブ首長国連邦/イラン、1992年9月・ファーンボロ、1993年6月・パリ、MAKS-1993と、Su-27のデモンストレーターとして意欲的に参加した。
1993年の運用終了後は、ジュコーフスキー空港にて屋外放置。

#41(青) + #41(青、尾翼):T-10-41
  ↓
#388(青):Su-27
  ↓
#319(青):Su-27SK(扱い的にはSu-27か?)
T-10-42 Т-10-42
T-10、42号機。工場シリアルNo.24-07。
1988年2月:初飛行。

1989年よりキロフスコエ空港にて、Su-27K(Su-33)のテストプログラムに使用。
ロシア国防省 第929州飛行試験センター(第929GLIT:929-й ГЛИЦ)へ移管されたのち、新型式の開発テストプログラムに従事、1993年まで使用された。
1995年、アフトゥビンスクからモスクワへ移される。
2001年5月、中国やベトナムのパイロット訓練に使用された。
2014年、モスクワのスホーイOKBにて屋外展示。

#42(青)
T-10-43 Т-10-43
T-10、43号機。
詳細不明。
T-10-44 Т-10-44
T-10、44号機。
詳細不明。
T-10-45 Т-10-45
T-10、45号機。工場シリアルNo.24-05。
1988年2月:初飛行。

本機は、T-10としては最終号機となる。
Su-27LMK(LMK-2405)に改造後、Su-27LL(#05)へと改造された。

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記録飛行用特別改造機
型式番号 主な詳細
P-42 П-42
工場シリアルNo.05-01。

Su-27の量産原型機(T-10-15→T-10S-3)をベースにした記録飛行用特別改造機。1986~88年にかけて記録飛行し、計27の記録を樹立した。
レコードフランカーの愛称がある。

本機はエンジンをAL-31の推力強化型・R-32(A/B使用時推力を1000㎏増加)へ換装し、武装、レーダーなど余分なものははずされ、レドームは軽量の金属に交換された。
尚、数字の42は1942年・スターリングラード戦勝利を記念したもの。

#П-42(赤)
T-10-20R
Т-10-20Р
工場シリアルNo.05-05。

P-42に続き、速度記録の為に改造された特別機。T-10-20KTMへと改造された初期生産型のSu-27(T-10-20)をベースにした。
P-42とほぼ同じ改造だが燃料タンクが機首とテイルコーンに追加され、長時間の超音速飛行に対応する為、その機首は非常に尖った形状となっている。また、ランチャーが外された翼端は形状が修正され、丸みを帯びた物となっている。しかし、この機体が記録への挑戦に使用される事はなかった。
1992年10月、コディンカ中央軍事博物館に引き渡され展示。

#20(青)
フランカーB
型式番号 主な詳細
Su-27 Су-27
1982年11月:1号機工場出場。
1985年:1号機納品。

フランカー・シリーズ最初の量産型であるSu-27の、初期生産型。
1982年11月に1号機がロールアウトしているが、電子機器のトラブル解決のため引き渡しは1985年まで伸びた。
当時の西側では実用化されていなかったヘルメット・マウンテッド・サイトを、標準装備している。
ソ連空軍/防空軍への配備は、1986年初頭から。

Su-27で一括りにされがちだが、本機は初期生産型であり、後期生産型(のちのSu-27S、Su-27P)とは違いが多数ある。Su-27がSu-27S/Pに分けられるのは、1990年8月23日、国防大臣が標準戦闘機として正式に承認してからである。
初期型Su-27の特徴としては、T-10Sと比べると垂直尾翼翼端が傾斜しており、後期型Su-27と比べると、垂直尾翼翼端付近、前方に向かってアンチフラッターウェイトが装着されている(アンテナのように見える棒状の突起がそれ。これはT-10Sにもある)事に加え、テイルコーン側面アンテナがないので、見分けは容易だ。


【赤36】
1987年4月、ノルウェー空軍のP-3Bが、バレンツ海にてSu-27にインターセプトされ、西側諸国はここで初めてSu-27の鮮明な写真を撮影する事に成功した。撮影されたのは初期生産型Su-27、#21(赤?)である。
その後の1987年9月13日、第941戦闘機航空連隊の初期生産型Su-27(#36、赤)が、ノルウェー空軍のP-3Bとバレンツ海にて遭遇、接触事故を起こした。Su-27(#36)は右垂直尾翼先端を、P-3Bは胴体を損傷し乗員2名が怪我をしたが、双方墜落には至らなかった。
そののち、#36は垂直尾翼を後期生産型の物と取り換え、機体番号は#38(赤)に塗り替えられた。
Su-27 Су-27
フランカー・シリーズ最初の量産型であるSu-27の、後期生産型。
1990年8月23日、国防大臣が標準戦闘機として正式に承認した以降は、Su-27S/Su-27Pへと型式が変更された。
前期型Su-27と比べ、後期型Su-27の特徴としては、テイルコーン側面にアンテナが追加され、垂直尾翼翼端付近にあったアンチフラッターウェイトがなくなっている。また、メインギアのホイールが蓮の花のような穴開きの物になり、ノーズギアの泥除けの形状も変更されている。

【青388】
1989年のパリ・エアショーにて、Su-27として#388(T-10-41)をSu-27UB(T-10U-7、#389)と共に西側に初公開。この時、#388を駆るヴィクトル・プガチョフ氏が披露した技が、有名な『プガチョフ・コブラ』である。
#388(青)は標準戦闘機として正式化される前の機体で、後期生産型と同じ仕様だが、ノーズギア及びメインギアは前期生産型の物を使用している。
尚、デモンストレーターとして各エアショーに出演した『青388』の場合、Su-27SでもSu-27Pでもなく、型式はSu-27である。
Su-27 Су-27
1998年のロシア(ソ連)空軍及び防空軍の合併により、Su-27SとSu-27Pの区別がなくなり、Su-27PはSu-27Sと同仕様に改修された為、Su-27S・Su-27Pの型式名称は『Su-27』へと戻った。
Su-27S Су-27С
ソヴィエト連邦空軍(VVS)用にソルブツヤ ECMポッドを翼端に装備可能な機体。
1990年8月23日に標準戦闘機として正式承認された事により、この型式となる。
1998年、ロシア(ソ連)防空軍は空軍に吸収合併された為、Su-27SとSu-27Pの区別はなくなり、Su-27PはSu-27S仕様に改修された。

【末尾のS(С)】
Серийные(英字変換:Seriinye)の略。
日本語で「連続的(Serial)」を意味し、要するにSu-27の量産型という事である。
Su-27P Су-27П
ソヴィエト連邦防空軍の迎撃戦闘機航空隊組織、PVO(防空軍戦闘航空隊)配置の機体。1989年より生産された。
1990年8月23日に標準戦闘機として正式承認された事により、この型式となる。
防空軍という性質上、Su-27Sとは異なり、航法装置の地図はソヴィエト本土の物のみ用意され、無線機のチャンネルは防空軍の物のみ対応、火器管制装置は空対空モードのみで、爆撃モードが削除されている。
尚、1998年、ロシア(ソ連)防空軍は空軍に吸収合併された為、Su-27PとSu-27Sの区別はなくなり、Su-27PはSu-27S仕様に改修された。


【赤07】
工場シリアルNo.36-11。
1992年:製造。
本機は『赤07』から2001年には『青38』に機番が変更され、2012年頃には『赤38(RF-90747)』となり、Su-27SM3へ改造された際には『赤64(RF-90747)』へと変更された。

#07(赤):Su-27P
 ↓
#38(青):2001年、Su-27
 ↓
#38(赤):2012年頃、Su-27
 ↓
#64(赤、機首と尾翼):2014年、Su-27SM3へ改造後


【白595】
工場シリアルNo.37-11。
1992年4月21日:初飛行。
目立つところでは、イストリビーチェリ(テストパイロッツ)所属の#595が有名。
本機はのちにSu-27LLへ改造された。

#595(白、尾翼)


【ロシア海軍のSu-27P】
ロシア海軍・バルト艦隊所属の航空機部隊、「第689親衛戦闘機航空連隊(1939年9月5日創設)」が装備しているSu-27は、同連隊が1986年に防空軍へと移管されたのち、1990年に導入している為、同連隊のSu-27はSu-27P仕様であり、また今でもSu-27Pと呼ばれる事が多い。
近年の海軍機は尾翼にВМФ РОССИИ(ロシア連邦軍事海上艦隊)とある。ВВС РОССИИはロシア空軍。
Su-27S1M Су-27С1М
ソ連崩壊後に引き継いだSu-27Sを、ウクライナが近代化改修した機体。
Su-27P1M Су-27П1М
ソ連崩壊後に引き継いだSu-27Pを、ウクライナが近代化改修した機体。
Su-27RV Су-27РВ
ロシアのアクロバットチーム、ルースキエ・ヴィーチャズィ(ロシアンナイツ)用改修機。GPS装置を持ち、西側機器との交信も可能。

【末尾のRV(РВ)】
Русские Витязи(英字変換:Russkie Vityazi)の略。
日本語で「ロシアの勇者達、ロシア騎士団(Russian Knights)」を意味する。
Su-27SM Су-27СМ
ミッドライフ・アップグレードモデル。レーダーとエンジンを換装し(AL-31FM、AL-35)、Su-35にかなり近付く計画だったが、新規発注は得られていないようだ。
しかし、レーダーをN001VEPに、エンジンをTVC装備のAL-31FM1に換装したほか、グラスコクピット化するなどアビオニクスの強化換装を行なう寿命中近代化(MLU)を受けたロシア空軍のSu-27が、Su-27SMと呼ばれている。対艦ミサイルなどを搭載する、マルチロール機。


【赤56】
工場シリアルNo.38-02(Su-27P)
Su-27(赤56)から改造された、Su-27SMのプロトタイプ。2002年後半に改造。
のちにSu-27SM3の改造試作1号へと改造された。

#56(赤):Su-27(Su-27P)

#56(赤、機首と尾翼):Su-27SM/SM3


【赤04(RF-92211)】
工場シリアルNo.18-13(Su-27S)
Su-27(赤21)からの改造機。
MAKS 2005にて展示。当時はRF-92211のテールコードはなし。

#21(赤):Su-27(Su-27S)

#04(赤、機首と尾翼):MAKS 2005

#04(赤、機首と尾翼) + RF92211(尾翼)


【末尾のM(М)】
Модернизация(英字変換:Modernizatsiya)の略。
日本語で「近代化(Modernization)」を意味し、要するにSu-27Sの近代化改修型という事である。
Su-27SM2 Су-27СМ2
2006年に発表された、Su-27SM計画をベースする発展型近代化改修機計画。新型エンジンやパッシヴ・フェイズドアレイ・レーダー等を搭載する予定だった。
尚、2回目の契約でSu-27SMへと改修されたSu-27を指して、Su-27SM2としている場合もあるが(ズベズタ/プラッツのSu-27SM2 赤04など)、ロシア空軍自体はSu-27SM2計画をキャンセルし、Su-27SM3を契約しているので、Su-27SM2は制作されていない。

T-10M(Su-27M/Su-35)とは別に、本機の輸出型としてSu-35を名乗っていた時期がある(量産型Su-35の座を狙っていたのであろう)が、のちにSu-35BM(Su-35S)に名称を譲っている。
Su-27SM3 Су-27СМ3
新造されたSu-27SM。AL-31F-M1エンジンを搭載し、レーダーやデータリンク能力がアップグレードされ、完全にグラスコクピット化されている。
中国向けのSu-27SKで、キャンセルにより不要となったエアフレームがあった為、それを流用して制作された。
他の単座型Su-27に対し、機首後ろのアンテナが1本増え、IRSTが右寄りに装着されているので、外見での見分けは可能。


のちに既存のSu-27からも改造され、#51(赤)、#54(赤)、#55(赤)、#56(赤)、#63(赤)、#64(赤)などが確認されている。

【赤56】
工場シリアルNo.38-02(Su-27P)
Su-27(赤56、Su-27P)を改造し制作されたSu-27SM(赤56)を、更に改造し制作した、改造試作1号。

#56(赤):Su-27(Su-27P)

#56(赤、機首と尾翼):Su-27SM/SM3


【赤55】
工場シリアルNo.38-01(Su-27P)
Su-27(赤55)から改造された、改造試作2号機。

#55(赤):Su-27(Su-27P)

#55(赤、機首と尾翼):Su-27SM3


【赤64】
工場シリアルNo.36-11。
1992年:製造(Su-27P)。
2014年5月:改造
元Su-27P(赤07)のSu-27(青38→赤38(RF-90747))を改造した機体。

#07(赤):Su-27P
 ↓
#38(青):2001年、Su-27
 ↓
#38(赤):2012年頃、Su-27
 ↓
#64(赤、機首と尾翼):2014年、Su-27SM3へ改造後
Su-27PD Су-27ПД
工場シリアルNo.37-20。
1993年8月10日:初飛行。

グロモフ研究所所属の試験機。航続距離増大の為、給油プローブを装備し、衛星通信システムを持つが、レーダーはない。
Tu-95MSとIl-78と共に、北極圏のナビゲーション衛星システム・テストを行っている。

1993年内、塗装を変えてイストリビーチェリ(テストパイロッツ)所属となった。
テストパイロッツ所属前の「スホーイ迷彩」状態の写真は、J wing 2002年10月号28ページで確認でき、この時点で給油プローブがある。
また、本機は様々な航空ショーに出演し、時期によって機番が細かく異なる。


#598(白、尾翼):「スホーイ迷彩」時。
  ↓
#598(白、尾翼):1994年・クラーゲンフルト航空ショー
  ↓
#230(青、小さい) + #598(白、尾翼):1994年・ファーンボロ国際航空ショー
  ↓
#598(白、尾翼) + #353(青、エアインテイク左側):1995年・ヨービルトン・エア・デイ
  ↓
#598(白、尾翼) :MAKS 1995
  ↓
#598(白、尾翼) + #АЛ-31Ф(白、エアインテイク左側):1997年、フォルケンブルグ国際航空ショー
  ↓
#Su 27#(青、小さい) + 598(白、尾翼) + #АЛ-31Ф(白、エアインテイク側面):アジアン・エアロ・スペース1998
  ↓
#598(白、尾翼):MAKS 2005
Su-27LMK Су-27ЛМК
工場シリアルNo.24-05。
1990年:試験開始。

CCV試験機。サイドスティック方式になっていて、FADEC(デジタル電子式エンジン制御装置)、スピン回復用ロケットなどを装備。1990年より試験を開始した。尚、センタースティックも残されている。
T-10最終番機であるT-10-45からの改造機でLMK-2405と呼ばれていた。MAKS-1995にて地上展示。
のちにSu-27LL(#05)へ改造されている。

#05(赤)
Su-27LL Су-27ЛЛ
工場シリアルNo.37-11。
1992年4月21日:初飛行(Su-27P)。2001年:改造。

2001年に制作された、Su-27の試験運用型。テストパイロッツのSu-27P(#595)を改造。ジューコフスキー飛行場に所属。
TVCを備えたAL-31F-M1エンジンを装備している、エンジンテストベッド。
幾つかの航空ショーにて、Su-27LL(#05)とともに展示され、MAKS-2003ではAL-31F-M2、MAKS-2005ではAL-31F-M3を搭載していた。

【末尾のLL(ЛЛ)】
Летающая Лаборатория(英字変換:Letayushchaya Laboratoriya)の略。
日本語で「飛行実験室(Flying Laboratory)を意味する。

#595(青枠のみ) → #595(白、尾翼、2006年)
Su-27LL Су-27ЛЛ
工場シリアルNo.24-05。
1988年2月:初飛行(T-10-45)。2001年:改造

2001年に制作された、Su-27の試験運用型。Su-27LMK(LMK-2405)を改造。ジューコフスキー飛行場に所属。
首の左右と背中に、デカデカと「Advanced Control Experimental」「ace」と書いてあるとおり、高度な制御実験に用いられた機体。
当時に於いてまったく新しい電子制御システムを装備していた。Su-27LMKの時に取り付けられた事により、サイドスティック方式になっているが、センタースティックも残されている。

2001年夏、モスクワ国際航空ショー(MAKS 2001)に参加し、最後の参加はMAKS-2013。

尚、英語圏では「Su-27LL ACE」や「Su-27ACE」と呼ばれている事があるが、航空ショーに於いての看板では「Su-27LL」と紹介されているので、装備と目的の差異はあれど、Su-27LL(#595)との型式的な違いはない。

#05(青枠のみ)
Su-27LL-KS Су-27ЛЛ-КС
工場シリアルNo.07-02。
1985年2月7日:初飛行(T-10-26)、1989年:改造

1989年に、T-10-26を改造したTVC試験機。Su-37と同じく丸ノズルタイプのTVC(垂直方向に±15度可動)を左側にのみ装備。
Su-27LL-UV(KS)、Su-27KSIとも呼ばれる。

#26(青)



フランカーB :輸出型
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10SK Т-10СК
Su-27SKの、開発時スホーイOKB工場コード。
   
Su-27SK Су-27СК
Su-27Sの輸出型。アビオニクスのグレードを下げ、ハードポイントを12個所に増加している。
開発時のスホーイOKB工場コードは、T-10SK。

1990年12月の段階で、Su-27の海外輸出報道はなかったが、1991年に中国が本機を発注し、1992年夏より受領開始。36機導入後、ライセンス生産した。ライセンス生産された機体は殲撃11型(ジアンジー11、J-11)と呼ばれるが、殲撃11型Bは無断生産した物。
そのほか、ベトナム(7機)、エチオピア(4機)、シリア、アンゴラ等の国が採用・輸入している。

【末尾のK(К)】
Коммерческий(英字変換:kommercheskii)の略。
日本語で「商業(Commercial)」を意味し、要するにSu-27Sの輸出型という事である。

【青319】
各種試験プログラム用に生産されたT-10の内の一機であるT-10-41は、Su-27(青388)としてエアショーで活躍したが、1992年末~1993年6月、Su-27SKに改造され(扱い的にはSu-27か?)、『319』の機番を得ている。
Su-27SMK Су-27СМК
工場シリアルNo.40-02。
1995年:Su-27SKから改造。

1995年、Su-27SK(工場シリアルNo.40-02)をベースに製作した他用途モデル。ハードポイントが12箇所に増加、ソルブツヤ 翼端ECMポッドを装備可能で、GPSを搭載し、増槽も搭載できるが、デモ機のみで量産はされていない。末尾に「K」を付けた名称から、Su-27SM準拠の輸出型として製作した事がうかがえる。
1機のみ存在するSu-27SMK(#27СМК)は、1998年にSu-30KI(#27)へ改造され、更に2002年にはSu-27SKMへと改造された。


#27СМК(黒):Su-27SMK改造時。
  ↓
#27(黒):Su-30KI改造時。
  ↓
#305(黒) + #371(黒、エアインテイク横) + #305(白、主翼上、尾翼内側):Su-27SKM改造時。
Su-27SKM Су-27СКМ
Su-27SKの強化版。廉価型輸出機として開発された。
衛星航法システム、空中受給油能力を持ち、グラスコクピット化されている。ロシア空軍に配備が決定していて、2003年に5機、2004年に20機納入される、と言われていたが、配備はされなかったようだ。
ロシア以外では、インドネシアが3機購入。


【黒305】
工場シリアルNo.40-02。
有名なデモンストレーター・#305は、Su-27SMK(#27СМК)→Su-30KI(#27)から2002年に改造された機体で、2005年 パリ・エアショー、MAKS 2005などに出演した。MAKS 2015にて地上展示されていたが、その時は非稼働。

#305(黒) + #371(黒、エアインテイク横) + #305(白、主翼上、尾翼内側)


【アグレッサー機】
航空自衛隊・F-15DJのアグレッサー機2009年塗装(#081)は、Su-30KI(#27)若しくはSu-27SKM(#305)を意識して塗っている(どちらかと言えばSu-30KI(#27)に近いが)。迷彩パターンのうねりや配置がほぼ同じだ。訓練に於いて敵役を演じる機体なので、当然と言えば当然である。
尚、アメリカのアグレッサー機は仮想敵国をイメージした塗装(ロシア機やイラン機)が施され、Su-30KI/Su-27SKMのようなパターンもあるが、再現度は#081の空自F-15DJが一番だ。



フランカーL
中国生産型
J-11 Su-27SKをライセンス生産した機体。60機生産された。
別名:殲撃11型(ジアンジー11)、殲-11、歼-11
J-11A グラスコクピット化されたJ-11で、ARHミサイルを運用可能になった。36機生産。
別名:殲撃11型A、殲-11A、歼-11A
J-11B ライセンス契約を無視し、無断で生産した機体。
国産レーダー「1474型」など、中国製電子機器を装備。降着装置の強化と、機体構造の強化を行い、垂直尾翼及び主翼翼端形状が変更され、レーダー波吸収塗料を使用している。
見分け方としては、J-11と異なり、レドーム下の白い(明灰)ラインがなく完全に黒いのが特徴。
別名:殲撃11型B、殲-11B、歼-11B
J-11BG J-11Bの改良型。新型アクティヴ・フェイズド・アレイ・レーダーや、WS-10Aエンジンを搭載。2015年以降に改造を実地したとされる。
別名:殲撃11型BG、殲-11BG、歼-11BG
J-11BS J-11Bの複座型
別名:殲撃11型BS、殲-11BS、歼-11BS
J-11BH J-11Bの海軍航空隊向け生産機。
別名:殲撃11型BH、殲-11BH、歼-11BH
J-11BHG J-11BGの海軍航空隊向け生産機。
別名:殲撃11型BHG、殲-11BHG、歼-11BHG
J-11BSH J-11BSの海軍航空隊向け生産機。
別名:殲撃11型BSH、殲-11BSH、歼-11BSH
J-11W J-11の右エンジンをWS-10Aに換装した機体。
別名:殲-11W、歼-11W
J-11D 中国メディアによれば、J-20の技術実証機だとされている。
別名:殲-11D、歼-11D

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カナード翼試験機
型式番号 主な詳細
T-10-24 Т-10-24
工場シリアルNo.06-03。
1983年:初飛行(改造前)、1985年5月:初飛行(改造後)。

カナード翼試験機。1985年5月に初飛行し、1986年・夏にテストを開始。
T-10-24の工場番号から、1024と呼ばれていた(10-24とも、10/24とも記載される)。

この機に於いては、カナード翼は左右差動式で、Su-33やSu-30M、Su-35などは同調式。
1989年のパリ・エアショーにて本機の情報が公開され、カナード翼付きの本機は西側の知るところになった。本機は艦上機型開発のためスキージャンプ試験にも使用され、カナード翼の試験で得られたデータはのちのフランカーD/E、フルバックへの基礎を築いたが、1987年1月20日、7回目の飛行中に事故損失。


【カナード翼】
フランカー・ファミリーに搭載されるカナード翼は、高迎え角時に空気の渦を発生させる事により、主翼からの空気流剥離を防ぐ役割がある。なので、機首上げ機動でも、カナード翼の動きは正面から見て『下向き』の方向である。勿論、動翼が増えるという事は、機体制御を容易にし、高機動時の揚力増加を可能とする。
Su-33の着艦失敗(墜落未遂)動画を見ると極端で、急激に迎え角が強くなると同時に、カナード翼が一気に下向きに可動(恐らく最大値の70度)している。更には『プガチョフ・コブラ』機動時にも同じ動きが見られる。この事から、迎え角に合わせて制御しているようだ。
但しSu-33の場合、離着陸(離着艦)時は、急激な迎え角変化がない限りカナード翼を若干上向き(7度が限度値)に固定している(動画を見る限り、水平尾翼の動きと連動していない)。これは艦上機型故に、フラッペロンのみの構成であった主翼後縁が、内側をダブル・スロッテッド・フラップ、最外側をフラッペロンに変更した為であろう。
Su-33UBやSu-34、Su-30SMなどはその逆で、離着陸時にもカナード翼は若干下向きである。

フランカーに於けるカナード翼の装備は、Su-33のような機動性向上のほか、Su-35(Su-27M)のように従来型よりの高性能化に伴う重心変化、Su-34のように構造強化による重量の大幅増加・重心変化に対応する為に装着し、運動性能・離着陸性能改善を行なう場合もある。


【T-10S-24?】
J-wing 2002年10月号でT-10S-24と記述されていたが、同紙はT-10S-3(元T-10-15)をT-10S-15と表記してもいた上、2000年6月の同紙の表記は「試作24号機・T-10-24を改造してテスト」なので、単純な誤記だと思われる。


#24(青)




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フランカーC
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10U-0 Т-10У-0
工場シリアルNo.01-01。
1983年11月製造。

KnAAPOにより制作された、T-10Uの静力学試験機。1984年より試験か?
T-10U-1 Т-10У-1
T-10U、1号機。工場シリアルNo.01-02。
1985年3月7日:初飛行。

Su-27の複座型、Su-27UBの試作原型機。

#01
T-10U-2 Т-10У-2
T-10U、2号機。工場シリアルNo.02-01。
1985年3月7日:初飛行。

Su-27UBの試作2号機。
1986年に改造され、空中給油プローブとアレスティング・フックを装備し、スキージャンプ試験も行っている為、Su-33の開発にも貢献している。
そのほか、本機はT-10PU(Su-27PU/Su-30)計画にも利用され、のちに、02-01と呼ばれる空中給油試験機に改造され、最終的に機番は『青25』へと変更された。

#02(青)
  ↓
#25(青):1989年
T-10U-PS Т-10У-ПС
工場シリアルNo.02-02。
1984年:初飛行。

その名称から、Su-27UB-PSの制作を目的に製造されたと思われる、1機のT-10U。恐らく早い段階からSu-27UB-PSへと改造を開始したと思われるが、飛行試験は1990年からと大幅に遅れた。

#08
T-10U-3 Т-10У-3
T-10U、3号機。工場シリアルNo.02-03。
1984年:初飛行。

1993年、Su-27UBKへと改造される。

#03
T-10U-4 Т-10У-4
T-10U、4号機。工場シリアルNo.01-01。
1986年10月9日:初飛行。

のちにSu-27LL-OSへと改造される。

#04
T-10U-5 Т-10У-5
T-10U、5号機。工場シリアルNo.01-02。
1986年11月5日:初飛行。

のちにT-10PU-5へと改造され、更にSu-30MKKの試作2号機へと改造される。

#05
T-10U-6 Т-10У-6
T-10U、6号機。工場シリアルNo.02-01。
1986年12年27日:初飛行。

1987年にT-10PU-6へと改造されたのち、1997年にはT-10PMK-6へと改造された。

#06
T-10U-7 Т-10У-7
T-10U、7号機。工場シリアルNo.08-07。
1989年4月17日:初飛行。

Su-27(#388)と共にパリ・エアショーで有名となったSu-27UB(#389)で、のちにSu-30MK(#321)へと改造された。

#389(青)
T-10U-8 Т-10У-8
T-10U、8号機。
詳細不明。機番的に、T-10U-PS(#08)が該当か?
T-10U-9 Т-10У-9
T-10U、9号機。工場シリアルNo.14-03。
1990年ごろ:初飛行。

#67
 ↓
#09
02-01 02-01
工場シリアルNo.02-01。
1985年3月7日:初飛行(T-10U-2)。1987年:改造。

1987年、Su-27UBの試作2号機、T-10U-2を改造し製作された空中給油試験機。主にSu-33への空中給油テストを目的とする機体。以前の試験用に装備していたアレスティング・フックは、改造時に外されている。
エアインテイクユニット間の“トンネル”に、空中給油ポッド UPAZ-1A “サハリン”を装備しテストした。
テストは1988年まで続き、1989年に機番が『青25』となる。

#02(青)
  ↓
#25(青):1989年
   
Su-27UB Су-27УБ
T-10Uの正式名称。Su-27のタンデム複座型。
ロシアンナイツにも配備された。

【青389】
パリ・エアショーで発表されたSu-27UB(#389、青)/T-10U-7は、イエブゲニー・フローロフ氏がパイロットを担当し、Su-27(#388、青)と共に有名となった。
本機はのちにSu-30MK(#321、青)へと改造された。
Su-27UBK Су-27УБК
Su-27UBの輸出型。アビオニクスがダウングレードされている。
中国が40機導入。
Su-27UB1M Су-27УБ1М
Su-27UBをウクライナが近代化改修した機体。
Su-27UBM Су-27УБМ
Su-27UBのマルチロール改修機。
新型コンピュータ、GPS装置装備。152mm×203mmのMFDを3基備え、グラスコクピット化した。ファザトロンN001ジューク(NATO名:スロットバック)レーダーにはグラウンド・マッピング・モードが付与され、TV爆弾や対艦ミサイルを運用可能だが、給油プローブは備えていない。
更にはレーダー波吸収塗料の使用などが行なわれる予定だった。

2001年3月6日にジュコフスキー空軍基地に引き渡されているが、計画はキャンセルされ、1機の試作のみで終わった。

2013年に、メインギアが展開しないトラブルの為、胴体着陸を行っている。


【赤20】
1機のみ存在するSu-27UBMのサイドナンバーは、#20(赤)。
これは、ロシア海軍のSu-27UBと同様の番号だが、海軍のSu-27UBにはロシア海軍旗のマークがあり、Su-27UBMはスホーイのアーチャー・ロゴマーク(青)が入っている。


#20(赤、機首と尾翼)
Su-27UBM1 Су-27УБМ1
ベラルーシがロシアと共同で行った、既存のSu-27UBをSu-30KN相当にアップグレードし、マルチロール戦闘機兼、練習機とする計画。同国の空軍/防空軍にて運用。
2004年に名称が正式化し、MILEX 2005にてお披露目となる。
Su-27UBM2 Су-27УБМ2
カザフスタンが保有する、Su-27UBKを近代化改修した物。異なる部分もあるが、基本的にSu-27UBM1と同じである。主翼強化によりハードポイントが10か所から12か所へ増加。計10機が改修された。
Su-27UB-PS Су-27УБ-ПС
工場シリアルNo.02-02。
1984年、初飛行(T-10U-PS)。1990年3月21日:初飛行(Su-27UB-PS)


+-15度可変の、ボックス型2次元TVC試験機。左ノズルのみTVC化。ノズルの制御は手動である。
T-10U(工場シリアルNo.02-02)を改造して制作され、1990年3月21日に初飛行した。
先に飛行したSu-27LL-KSが丸ノズル型、本機がボックス型のTVCをテストした結果、ボックス型は赤外線放射減少効果が高いものの、重量増加と推力損失が14~17%にも達する事が判明した。


【別名】
T-10U-PS
Su-27LL-UV(PS)
Su-27LL-PS


【末尾のPS(ПС)】
Плоское Сопло(Ploskoye Soplo)の略であり、日本語で「平らな噴出口(Flat nozzle)」を意味する。


#08(青)
Su-27LL-OS Су-27ЛЛ-ОС
工場シリアルNo.01-01。
1986年10月9日:初飛行(T-10U-4)。

T-10U-4から改造された、ミサイルテストベッド機。
R-73空対空ミサイルの後方発射テストに使用された。
Su-27UP Су-27УП
Su-27P(PVO:防空軍戦闘航空隊仕様の機体)の複座型。
Su-27UP1M Су-27УП1М
Su-27UPをウクライナが近代化改修した機体。



T-10PU計画試験機
型式番号 主な詳細
T-10U-2 Т-10У-2
T-10U、2号機。工場シリアルNo.02-01。
1985年3月7日:初飛行(T-10U-2)。
1986年6月:改造後、初飛行(T-10PU計画)。

本機はSu-27UBの試作2号機であるが、1986年の改造後、Su-27K/Su-33開発計画のほか、空中受給油能力を持つ長距離インターセプターであるT-10PU(Su-27PU/Su-30)開発計画にも利用された。
1987年6月23日には空中受給油を4回行ない、モスクワ-コムソモリスクナアムーレ間の13430㎞を飛行した。

のちに02-01と呼ばれるSu-27K/Su-33への空中給油テスト機(UPAZ-1A空中給油ポッドを装備)に改造された。


#02(青)







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フランカーE variant-1(フランカーE1)
*2002年ごろはフランカーEと表記されていた
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10M-0 Т-10М-0
工場シリアルNo.10-01。
静的試験機。
工場シリアルナンバーからして、T-10M-3と同時期の新規製造か?
T-10M-1 Т-10М-1
Su-27M/Su-35の試作型、T-10Mの1号機。工場シリアルNo.16-02。1988年6月28日、初飛行。
Su-27(T-10-34(1986年製造))を改造して制作された機体。AL-31FMエンジン搭載。
テストが終了した1990年後半、モニノ空軍博物館へと引き渡された。

#701(黒枠のみ)→#701(青、モニノ空軍博物館)
T-10M-2 Т-10М-2
T-10M、2号機。工場シリアルNo.20-10。
1989年、Su-27(T-10-38(1987年製造))を改造して制作された機体。

#702(黒枠のみ)
T-10M-3 Т-10М-3
T-10M、3号機。工場シリアルNo.10-02。1992年4月1日、初飛行。
新規製造。
1992年・ファーンボロー国際航空ショー、1993年・MAKS航空ショーにてお披露目。
2003年7月、Su-35としてロシアンナイツに配備された。

#703(青枠のみ)+#350(黒、尾翼)
  ↓
#1(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
T-10M-4 Т-10М-4
T-10M、4号機。工場シリアルNo.11-05。
静止試験用の機体。

#704
T-10M-5 Т-10М-5
T-10M、5号機。工場シリアルNo.21-05。
Su-27(1987年6月20日初飛行)を改造して制作された機体。

#705(黒枠のみ)
T-10M-6 Т-10М-6
T-10M、6号機。工場シリアルNo.24-01。
Su-27(T-10-40(1988年製造))を改造して制作された機体。1992年2月、ベラルーシ・マチュリシ空軍基地にて、CIS諸国防衛大臣向けのショーに出品。N011レーダーの試験なども行った。

#706(青枠のみ)
T-10M-7 Т-10М-7
T-10M、7号機。工場シリアルNo.29-20。1989年、初飛行。
Su-27を改造して制作された機体。703と708以降のノーズギアがダブルタイヤなのに対し、701、702、705、706、707がシングルタイヤなのは、Su-27を改造した試作機である為。

#707(青枠のみ)
T-10M-8 Т-10М-8
T-10M、8号機。工場シリアルNo.11-03。
量産前のサンプルとして、プリプロダクション(プレ生産)された機体。

#708(青)
T-10M-9 Т-10М-9
T-10M、9号機。工場シリアルNo.11-01。
T-10M-8と同仕様の機体。

#709(黒)
  ↓
#709(黒枠のみ)
T-10M-10 Т-10М-10
T-10M、10号機。工場シリアルNo.11-02。
T-10M-8と同仕様の機体。
2004年以降は、エンジンなどのテストベッド機として使用。2010年1月21日、PAK-FA/T-50(のちのSu-57)用のAL-41F1エンジンを搭載して試験飛行した。

#710(青、機首と尾翼)
T-10M-11 Т-10М-11
T-10M、11号機。工場シリアルNo.11-04。
のちにSu-37に改造され各種テストを行ったが、度重なる設計荷重超過により墜落・損失している。こちらが「からし色」塗装で有名な“711”。

#711(青?)
  ↓
#711(白、尾翼、Su-37時代)
T-10M-12 Т-10М-12
T-10M、12号機。工場シリアルNo.12-01。
のちに改造され、#711と同じくSu-37となったが、テスト終了後、TVCが取り外され、2003年7月にロシアンナイツへ配備された。

#712(青)
  ↓
#712(712? Su-37時代。写真無し)
  ↓
#2(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
   
Su-27M Су-27М
Su-27の能力向上型、マルチロール戦闘機。
コクピットを近代化し、大型レーダーN011バルスの搭載、延長されたテイルコーンには後方警戒レーダーが搭載された。
外見上は、ノーズギアがダブルタイヤとなり、N011バルスを搭載する事により機首が太くなっていて、垂直尾翼を大型化する事により内部に燃料タンクを追加している。これら電子機器や燃料増加の関係で重心位置が移動した事や高迎え角での安定性を高める為、カナード翼が追加された。
但し、機体を構成する材料に複合材料や炭素繊維を使用する事により、機体重量はSu-27の空虚重量17,700㎏に対し、17,500㎏と軽量化されている。
Su-35 Су-35
Su-27Mの正式名。本格的な量産には入っておらず、ロシア軍の発注は3機(#86、#87、#88)のみで、1995年に製造された。
1996年、ロシア国防省 第929州飛行試験センター(第929GLIT:929-й ГЛИЦ)に所属したのち、ロシアンナイツ所属となっている。スーパーフランカーの愛称を持つ。


#86(赤?)
  ↓
#3(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
 生産1号機。工場シリアルNo.12-02。1995年製造。


#87(赤?)
  ↓
#4(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
 生産2号機。工場シリアルNo.12-03。1995年製造。


#88(赤、機首と尾翼)
  ↓
#5(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
 生産3号機。工場シリアルNo.12-04。1995年製造。

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フランカーE variant-2(フランカーE2)
型式番号 主な詳細
Su-27M2 Су-27М2
Su-37のスホーイOKB指定名称
Su-37 Су-37
プレ生産されたSu-35(T-10M-11、12)を改造し、TVCを装備した次世代機。N011Mバルス・レーダーを装備し、デジタル・フライ・バイ・ワイヤ式の制御方法と、フォースコントロール式サイドスティックを採用。
Su-35(Su-27M)の空虚重量17,500㎏に対し、18,500㎏へと増加している。

初期の段階ではAL-31FにAL-100偏向ノズルを装備したAL-31FPエンジンを一時的措置として搭載していたが、2か月後にはAL-37FUエンジンを搭載した。このエンジンのTVCは丸ノズル型であり、ボックス型は赤外線放射減少効果が高いものの、重量がかさみ、丸ノズル型に比べて推力損失が14~17%にも達するというデメリットがあった為(過去に比較試験済み)、丸ノズル型が選ばれた。
最終的にはAL-37FUの寿命が来た為、通常のAL-31Fへと換装され、TVCを失った分の機動性低下はソフトウェアである程度補われた。

俗称としてチェルミナートル、ターミネーター、スーパーフランカーとも呼ばれる。
#711の初飛行は1996年4月2日、#712は1998年に改造された。
実験機であり、2機しか存在せず、内1機(#711)は6年間の試験中に度重なる設計荷重超過を行なった為、2002年12月19日モスクワ近郊のシャテゥラにて墜落。もう1機(#712)はTVCが取り外されロシアンナイツ所属となった。
尚、#711は1998年頃まではノーズが白で、それ以降はノーズが灰色+エアインテイク横に344の機番がつけられた。

*LFI計画の戦闘攻撃機・Su-37 フラウンダー(1991年計画中止)とは無関係。



#711(青)
  ↓
#711(白、尾翼)
  ↓
#711(白、尾翼)+#344(黒、エアインテイク横)
 1号機。有名な「からし色」の機体。


#712(Su-37時代の色は不明)
  ↓
#2(青、尾翼、ロシアンナイツ時代)
 2号機。Su-37時代の写真がない為、当時のカラーは不明。ロシアンナイツ配備後は、Su-35ともSu-37とも呼ばれている。
Su-37K Су-37К
Su-37の輸出型(提案のみ)。
Su-37KK Су-37КК
中国向けのアップグレード型(提案のみ)。

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フランカーE variant-1(フランカーE1)
*2002年ごろはフランカーEと表記されていた
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10UBM-1 Т-10УБМ-1
Su-35UBの試作型、T-10UBMの1号機。2000年初飛行。
タンデム複座型のSu-35。
Su-30MKKの構造をベースとし、Su-37で得られた成果を組み込み、KnAAPOにより製造された。基本的にSu-30MKKと同様のアビオニクスであるが、同機と異なりカナード翼とTVCを備えている為、まったく同じではない。AL-31FPエンジン搭載。
2006年のロシア映画、「ミラーウォーズ」の撮影の為、実際にキャノピーを飛ばして射出座席(後部)をエジェクトした。

#801(青、機首と尾翼)
 
Su-35UB Су-35УБ
Su-35のタンデム複座型。T-10UBMの正式名。

#801(青、機首と尾翼)
Λ


フランカーG
型式番号 主な詳細
Su-30MKK Су-30МКК
Su-30MK(Su-30Mの輸出型)の中国向けモデル。中国のほか、インドネシアも取得した。

Su-35UBの構造は、本機をベースとしている。但し本機は、もともとSu-35(Su-27M)と同じ垂直尾翼を装備していたが、カナード翼はない。
Λ


フランカーF2 複座の多用途戦闘機型及びその系統。Su-30Mなど。
フランカーF1 複座の多用途戦闘機型及びその系統。Su-30など。
フランカーC 複座の練習機型及びその系統。Su-27UBなど。
フランカーB 単座の戦闘機型及びその系統。Su-27など。
フランカーA 試作原型機。T-10 シリーズ(初期)。
フランカーE variant-1(フランカーE1)
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10BM-1 Т-10БМ-1
Su-35Sの試作型、T-10BMの1号機。MAKS-2007で発表後、2008年2月、ジュコフスキー空軍基地にて初飛行した。
機体構造を強化し、RCSの低減や117S(AL-41F1S)エンジンの搭載、複合材料の多用により軽量化、FCSやレーダーの更新、エアブレーキの廃止(ラダーを外側に動かす事で対応)、カナード翼の撤去などを施した機体。Su-35-1とも。
カナード翼無し単座フランカーとして見れば、エアブレーキ無しで、テールコーンのアンテナ形状や面積拡大型のラダー、ノーズコーンにピトー管がなく、編隊灯を装備しているなど見分けはしやすい。

【末尾のBM(БМ)】
BM(БМ)とは、Большая Модернизация(英字変換:Bolshaya Modernizatsiya)の略であり、日本語で「大規模近代化(Big Modernization)」を意味する。

#901(黒)
T-10BM-2 Т-10БМ-2
T-10BM、2号機。Su-35-2とも。
#902(黒)
T-10BM-3 Т-10БМ-3
T-10BM、3号機。
3機目の飛行試作機がT-10BM-4とされる事から、本機は静的試験機と思われる。
T-10BM-4 Т-10БМ-4
T-10BM、4号機。
2009年4月26日、翌日に予定されていた(当初は24日予定だったが、27日に延期)の初飛行を前に、タキシング中の事故にて損失。

#904(黒?)
 
Su-35S Су-35С
T-10BMの量産型の正式名称。1号機は2011年5月に初飛行。各種テストののち、2014年2月12日、納入開始。
国外での初披露は2013年パリ航空ショー、『赤07』によるもので、パイロットはセルゲイ・ボグダン。
開発時はT-10BMとの工場番号から、Su-35BM、Su-27BMなどと呼ばれていた。また、Su-27SM2計画が輸出型としてSu-35を名乗っていた時期もあった為か、Su-27SM2と呼ばれる事もあった。海外記事では本機を『フランカーK』とするものも散見される。

ロシア軍では2015年度中までに48機の納入予定であったが、その後更に50機を発注。最終的には150~200機配備予定だったが、2022年初頭のロシアによるウクライナ侵攻の影響で損失も発生している為、先行きは不明。


【ロシアンナイツ】
2020年2月21日、クビンカ空軍基地にて、ロシアンナイツとしての初飛行。


【エジプト空軍】
2019年の報道によれば、2018年末に20機以上の購入契約をしたとされていたが、のちに公式が否定している。これはアメリカによる制裁を恐れての事だった。
しかし、2020年6月、エジプト空軍迷彩が施された4機(国籍マーク無し)が、7月22日には5機が、KnAAZにて撮影された(黒9210、黒9211。黒9212、黒9213、黒9214)。同年8月27日には『黒9219』が確認されており、2021年6月には合計17機が確認された。更には2022年代に入っても、『黒9221』や『黒9237』が確認され、エジプト空軍への納入もされている模様。
Su-35SE(?)


【迷彩塗装】
実戦部隊の機体には、通常の「スホーイ迷彩」に加え、セルジュコフ国防大臣の意向で採用されたと言われている、上面がダークグレー、下面がライトブルーの「セルジュコフ迷彩」と呼ばれるカラーリングを施した機体がある。


【末尾のS(С)】
Серийные(英字変換:Seriinye)の略であり、日本語で「連続的(Serial)」を意味し、要するにSu-35/Su-27Mの量産型という事である。
Su-35K Су-35К
輸出型。開発中はSu-35-1、-2などと呼ばれていた為か、提案された輸出型はSu-35Kとなっている
Su-35SK Су-35СК
量産型の輸出型。こちらが輸出型の正式名称になる。

末尾のK(К)は、Коммерческий(英字変換:kommercheskii)の略であり、日本語で「商業(Commercial)」を意味し、要するにSu-35Sの輸出型という事である。


2015年、中国が、地上設備(NKVS-27管制所)と予備エンジンを含め、約20億ドルで契約。2019年4月、計24機を納入済み。

但しロシア側は、中国が「たった4機」の購入を要求してきた事から、以前にも行なわれている「少数購入後に違法コピー」の可能性を警戒しており、当初は最低でも48機の購入を求め、のちに24機に緩和。契約には違法コピー時の巨額な違約金が含まれた。特にエンジンのコピーを警戒し、複製阻止の処置がなされている。
Su-35Sの生産拠点であるKnAAZ(2012年まではKnAAPO)を擁するハバロフスク州の州知事は、「中国向けのSu-35SKは、純粋なSu-35Sだ」としているが、上記の件もありフルスペックかどうかは疑問が残る。
Su-35NG IDEX-2015にて発表された、インドとの共同開発を予定している改良型。
NGはNext Generation(次世代型)の略。開発予定を発表した、言わば提案段階で、Su-32FNの例もあるが英語を型式に入れるのは珍しい。
  







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T-10(開発中) Su-27の試作原型機。
最初期の
艦上機型計画
(単座型)
T-10計画機をベースとし、Su-27K(モルニヤ1)、Su-29K(モルニヤ2)、Su-27KI(モルニヤ)が、1970年代前半に計画された。尚、計画時、T-10の初飛行はまだ行われていない。



   




地上模擬着艦試験機
地上スキージャンプ発艦試験機
型式番号 主な詳細
T-10-3 Т-10-3
T-10、3号機。工場シリアルNo.01-01
1979年8月23日:初飛行(改造前)

フランカーAと呼ばれる最初期の試作型シリーズ3号機、T-10-3を改造。1982年8月22日にスキージャンプ試験、着艦フック試験を行なっている。

03(青)
T-10-24 Т-10-24
工場シリアルNo.06-03
1983年:初飛行(改造前)、1985年5月:初飛行(改造後)。

T-10-24を改造した、カナード翼試験機。艦上機型開発のためスキージャンプ試験にも使用さた。

#24(青)
T-10-25 Т-10-25
工場シリアルNo.07-01
1984年8月3日:初飛行

アレスティング・フックを搭載した、地上模擬着艦テスト機。Su-27の追加試験機、T-10-25(工場シリアルNo.07-01)を改造し制作された。
1984年11月23日(11日とも)、飛行制御の事故で墜落。
のちの1991年頃、本機はカナード翼無しタイプの艦上機型試作機だと思われていたが、実際は上記のように『アレスティング・フックを使用し、模擬飛行甲板への着艦テストを行なう』試験機である。

#25(青)
T-10S-3 Т-10С-3
T-10S、3号機。工場シリアルNo.05-01
1982年6月2日:初飛行(T-10-15)
1982年7月23日:初飛行(T-10S-3)

T-10-15から改造されたSu-27の量産原型機3号機、T-10S-3を使用し、スキージャンプ試験を行なった。1982年8月2日に初試験。
本機はのちにP-42へと改造される。
T-10U-2 Т-10У-2
T-10U、2号機。工場シリアルNo.02-01
1985年3月7日:初飛行
1986年6月:改造後、初飛行

Su-27UBの試作2号機、T-10U-2を1986年に改造。空中給油プローブとアレスティング・フックを装備し、スキージャンプ試験を行なった。
のちに、02-01と呼ばれる空中給油試験機に改造された。

#02(青)
Λ


フランカーA フランカーB フランカーC
試作原型機。
T-10 シリーズ(初期)。
単座の戦闘機型及びその系統。
Su-27など。
複座の練習機型及びその系統。
Su-27UBなど。
フランカーD
型式番号 主な詳細
  試作/計画機
T-12 Т-12
T-10K(Su-27K)の、概念設計段階名称。1978年頃もこの名称だった。
T-10計画機をベースとした計画(計画のみ)、Su-27K 「モルニヤ1」(1972年)、Su-27KI 「モルニヤ」(1974年)の流れからの名称だろう。
T-10-20KTM Т-10-20КТМ
翼の折り畳み機構の検証の為に制作された、艦載機型フランカーの実物大モックアップ。1987年5月、Su-27の追加試験機、T-10-20を改造した。
新たに作られた主翼・水平尾翼は木製で、折り畳み機構が装備されているが、カナード翼とアレスティング・フックはない。また、T-10-20(初期型Su-27に相当)からの改造モックアップなので、ノーズギアがシングルタイヤである。
本機はのちにT-10-20Rへと改造されている。

#20(青)
T-10K-0 Т-10К-0
T-10Kの静的テスト機。工場シリアルNo.01-01
T-10K-1 Т-10К-1
Su-27K(Su-33)の試作型、T-10Kの1号機(工場シリアルNo.00-01)。1978年、概念設計段階では、T-12とされていた。1987年8月17日に初飛行。
カナード翼とアレスティング・フックはあるが、主翼・尾翼などの折り畳み機構がない。開発用に生産された初期型フランカー、T-10-37(未完成状態だった)を改造して制作された為、テイルコーン側面のアンテナがない。また、機首のピトー管がなく、IRSTは白いカバーで覆われているので装備していないと思われる。
1988年・夏、折り畳み式の翼を装着し、同年8月25日に初飛行。しかし、同年9月28日(27日とも)、油圧系統の事故によりサキ飛行場にて墜落している。

#37(青)
T-10K-2 Т-10К-2
T-10K、2号機。空母着艦テスト機で、1987年12月22日に初飛行。
空母が完成する前に約300回の飛行試験を行い、1989年11月1日、空母トビリシ(アドミラル・クズネツォフ)に初着艦した。
新造機(工場シリアルNo.00-02)の為T-10K-1とは異なり、主翼・水平尾翼などの折り畳み機構があり、IRSTがダミーではない。


【フランカーB2】
海外ではSu-27KをフランカーB2とする記事が見られる。80年代(正確な時期は不明)のアメリカ海軍の発表で、海軍型Su-27は『FLANKER-B variant-2』、つまりフランカ-B2であるというものがあった為だ。
書籍ではSOVIET & EAST EUROPEAN MAJOR COMBAT AIRCRAFT (洋書 ISBN 1-85488-002-0 1990年)117ページ、Su-27の項に「Flanker-B variant 2:Soviet NAVY version」との記載、雑誌ではエアワールド 1991年2月号111ページに記載あり。
現状、Su-27K/Su-33はフランカーDと呼ばれているので、フランカーB2は、NATOが開発情報を得た初期の頃につけた仮名称か?
下記のように、模型でもフランカーB2名称は見られる。


【Su-27B2】
タミヤからSu-27B2 シーフランカーというプラモデルが出ている。2001年に発売された、Su-27K/Su-33の1/72スケール模型だ。
しかし本製品は、Su-27K/Su-33のようにカナード翼とアレスティング・フック付きで、前輪がダブルタイヤ、機番がT-10K-2の『39(青)』なのに、カラーリング指定はSu-27S/Pの標準的なものである。尚且つSu-27K/Su-33と異なり、IRSTは右寄りではなく真ん中、主翼・水平尾翼に折り畳み機構の表現がなく、テイルコーンも長いままと不思議な仕様となっている(小改造して機番を『青37』にすれば、初飛行時のT-10K-1を作れるかも)。
本製品の説明書には「シーフランカーは試作段階ではSu-27B2あるいはSu-27Kの名称で呼ばれ」との一文があるが、Su-27Bという型式がない以上、Su-27B2は不自然。これは、上記にある「フランカーB2」のB2をSu-27のあとに付けてしまったのか? よく見ると、「SU-27 B2」と間に半角スペースが入っている。
本製品のOEM元であるイタレリ製品(1991年・発売、2006年・新パッケージで再販)も名称が「SU-27 D Sea Flanker」と、「Su-27+フランカーDの“D”」という表記をしてしまっているし、説明書などに「SU-27 B-2」や「SU-27・B2」という表現をしている(これも上記の「フランカーB2」を踏まえたものであろう)ので、タミヤ製のSu-27B2もそれだと言える。


#39(青)
T-10K-3 Т-10К-3
T-10K、3号機。工場シリアルNo.02-01。1990年2月17日、初飛行。
ソ連崩壊後はウクライナに所属。

#49(青?)
T-10K-4 Т-10К-4
T-10K、4号機。工場シリアルNo.02-02。
1991年9月20日、アドミラル・クズネツォフに対し自動着艦を行っている。のちにT-10KUB-1(Su-27KUB)へと改造された。

#59(青)
T-10K-5 Т-10К-5
T-10K、5号機。工場シリアルNo.02-03。
アドミラル・クズネツォフで運用後、退役した。

90年代MAKSでの常連参加機。
MAKS 1992や、MAKS 1999の地上展示で、Kh-41空対艦ミサイルを積んでいた事がある。そのほか、Kh-31搭載状態での地上展示も確認できる。
1992年2月に軍関係者向けの軍用機ショーで、Su-27K(下記の#79)がKh-41を搭載していたが、写真は不鮮明だった。同年、MAKS 1992でのお披露目が、Kh-41の民間向けの初公開(この時点では開発中)となり、それを本機(#69)が搭載していた。

#69(青)
T-10K-6 Т-10К-6
T-10K、6号機。工場シリアルNo.03-01。

1992年2月13日、ベラルーシ・マチュリシ空軍基地にて、合同軍創設を記念するCIS諸国防衛大臣向けの軍用機ショーに出品。この時はSu-27Kとして紹介され、胴体下にKh-41空対艦ミサイルを1基、翼下にR-27とR-73空対空ミサイルを4基ずつ搭載していた。

本機はアドミラル・クズネツォフで運用後、退役した。

#79(青)
T-10K-7 Т-10К-7
T-10K、7号機。工場シリアルNo.03-02。
ソ連崩壊後にウクライナに譲渡。後に中国が手に入れた。

#89(青?)
T-10K-8 Т-10К-8
T-10K、8号機。工場シリアルNo.03-03。
1991年7月11日、テスト飛行中に墜落。

#99(青?)
T-10K-9 Т-10К-9
T-10K、9号機。工場シリアルNo.03-04。
アドミラル・クズネツォフで運用後、退役した。
MAKS 1997の地上展示でKh-41空対艦ミサイルを積んでいた事がある。

#109(青)
T-10K-10 Т-10К-10
T-10Kの静的テスト機。工場シリアルNo.03-05
T-10KM Т-10КМ
Su-33の能力向上型として計画。(計画のみか?)
   
Su-27K Су-27К
カナード翼と主翼・水平尾翼の折り畳み機構、着艦用アレスティング・フックを備えた艦上戦闘機型。1978年、概念設計段階では、T-12とされていた。
Su-33 Су-33
Su-27Kの正式採用名称。俗称で、シーフランカーとも呼ばれている。
青い機番を持つ機は試作型、赤い機番を持つ機は量産型。

カナード翼装備、ノーズギアはダブル転輪、ハードポイントは12個所になった。開発段階ではTVCの装備も提案されていたようだが実現せず。
更に艦上機であるが故に、アレスティングフック装備、主翼の折り畳み機構、水平尾翼の折り畳み機構、テールコーンとピトー管も折り畳める。
ピトー管が折り畳める件については、格納庫内の写真では折り畳んでおらず、舷側エレベーターに乗せられた際には折り畳まれている。これは舷側エレベーターのサイズがギリギリであるから、ピトー管の接触を避ける為である(機体を主脚ギリギリまで外に出しても、折り曲げないと確実に接触する)。

基本的に艦隊防空が役目である為、空対艦/対地ミサイルや精密誘導爆弾運用能力はない。
対艦ミサイル運用能力付与自体は、計画としてはあるようだが未だ実行されていない。
Su-33M Су-33М
TVC付きエンジンや新型レーダーを装備する計画だったが実現していない。
Su-33MK Су-33МК
名称のみの公開。輸出型と思われる。

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T-10(開発中) Su-27の試作原型機。
最初期の
艦上機型計画
(並列複座型)
T-10計画機をベースとし、Su-28K(グローザ)、Su-28KRT(ヴィンペル)、Su-27KSh(グローザ)が、1970年代前半に計画された。尚、計画時、T-10の初飛行はまだ行われていない。

並列複座艦上型
型式番号 主な詳細
T-10KU Т-10КУ
並列複座型の艦上練習機として1986年に計画が完了したが、制作には至らなかった模様。
モックアップまでは作られており、1987年春には発表されている。
T-10KT Т-10КТ
練習機も兼ねた空中給油機型。T-10KU/Su-27KU計画の流れをくむ。
1989年、KnAAPOにて試作機の制作が開始されたが、1991年・ソ連崩壊の為に最終組み立て段階まで達しなかった。
T-10KM-2 Т-10КМ-2
並列複座型となる予定だったが、計画のみで終了。
同じく計画のみで終わったSu-28K/Su-27KSh(1970年代・T-10艦上機型計画の一つ)から続く並列複座コンセプトは、のちのSu-27IB(Su-34)に影響を及ぼしているだろう。
並列複座型艦上機の計画はここまで何度かあったが、全て計画倒れ。しかし、1996年にはT-10KU(Su-33UB)として復活。
Su-27KU Су-27КУ
T-10KUの正式名称となる予定だった、二人乗りの並列複座練習機型。モックアップまでは制作されたが、そこで計画は終了する。
Su-27KTZ Су-27КТЗ
T-10KU/Su-27KU計画をベースとした空中給油機型。キャビン後部に燃料タンクを追加し、空中給油ポッドを携行する予定だった。計画のみ。
Su-27KPP Су-27КПП
T-10KU/Su-27KU計画をベースとした電子戦機型。開発情報はあるが、存在は確認されていない。
1986年10月31日、計画開始。1987年9月には計画が完了したとされるが、1989年には資金提供が停止し、計画は終了となった。
Su-27KRT Су-27КРТ
計画思想にSu-28KRT「ヴィンペル」計画の流れをくむ偵察及び目標指示機。T-10KU/Su-27KU計画をベースとした。
ミリ波レーダーや電子偵察器機等を用いて敵空母を捜索、対艦ミサイルの目標指示などを行う。
Su-27KPP同様開発情報があり、試作機が1機制作されたと言われているが、存在は確認されていない。
1987年~1989年の間に開発されたようだが、KPP同様に計画は終了している。

尚、対艦ミサイル運用能力はないとされるSu-33が、地上展示でKh-41 “モスキート”をフェアリング付きパイロンを介して積んでいる(Kh-31も確認できる)のは、実現しなかったのは別として、本機の計画によるものもあるのではないかと思われる。
Su-27KT Су-27КТ
T-10KTの正式名称となる予定だった、練習機を兼ねた空中給油機。
Su-28 Су-28
Su-28という仮名称から、恐らくはSu-28K/KRT→Su-27KSh計画の流れをくむ計画で、ロートドームを背負うAEW型とされるが、提案されたのみである。

*Su-25 フロッグフットの練習機型、Su-28(1987年)とは無関係。提案された時期的にはこれより前か?



並列複座艦上型(フランカーD?)
型式番号 主な詳細
  試作/計画機
T-10KUB-0 Т-10КУБ-0
T-10KUBの動的荷重試験機。工場シリアルNo.01-01
T-10K-0を改造し制作された。
T-10KUB-1 Т-10КУБ-1
T-10K-4を改造した並列複座型、Su-27KUBの試作機。T-10KUB、1号機。1999年4月29日(28日とも)、初飛行。同年9月3日、初の発着艦地上試験。同年10月6日、アドミラル・クズネツォフに初着艦。MAKS 1999でも地上展示された。この時はほとんど塗装もされてなく、機体番号がない。
のちにSu-27KUBと名称を変え、Su-33UBの正式名称も得たが、制作されたのは本機一機のみで量産はされていない。

のちの#21(青) + #717(青、尾翼)
T-10KUB-2 Т-10КУБ-2
T-10KUBの2号機として新たに作成される予定だったが、1号機のみ飛行している。
T-10KUB-3 Т-10КУБ-3
T-10KUBの3号機として新たに作成される予定だったが、1号機のみ飛行している。
 
Su-27KUB Су-27КУБ
Su-33(T-10K-4)を改造した並列複座艦上機。主翼の折り畳み機構は残されているが、折り畳み位置が外側に移動し、水平尾翼は折り畳まない。縦可動TVCの取り付け位置を回転させ、斜め可動状態で装備している(後ろから見て、「  \  /  」の方向に可動する)。
尚、搭乗方法はSu-34のように主脚庫からラッタルを伝う方式。
陸上試験の他、アドミラル・クズネツォフでの空母上試験まで行われたが、1機のみの制作で量産はされていない。

#21(青) + #717(青、尾翼)
Su-33UB Су-33УБ
Su-27KUBの正式名称。
制作されたのは試作機のT-10KUB-1 一機みで、量産はされていない。




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中国生産型:フランカーX2 (X1があるのかは不明)
型式番号 主な詳細
J-15 中国が、ウクライナから購入したT-10K-7をベースに、J-11Bでの技術を投入した中国生産の艦上型。試作機は2009年8月31日に初飛行したと言われている。尚、ロシアからのライセンス取得はしていない為、無断コピーである。

別名:殲撃15型、殲-15、歼-15
J-15S J-15の複座型。2012年11月4日初飛行。2013年12月には、大量生産をメディアが報じたが、のちに開発中止となり、J-17(J-15D)の開発計画と統合された。

別名:殲-15S、歼-15S
J-15T J-15のカタパルト対応型。2014年11月にモックアップが公開され、2016年9月にはテスト用の機体が初飛行したと報じられている。

別名:殲-15T、歼-15T
J-15D J-17の別名称。

別名:殲-15D、歼-15D
J-17 J-15の複座電子戦機型。翼端に電子戦ポッドを搭載している。テスト機が2016年10月に初飛行、その後、2018年5月には、試作機が確認された。

2011年の情報では、J-17はSu-34ベースであるとか、J-17はJ-11B(Su-27SKの違法生産型)ベースのウェポンベイを持つステルス機だと報じられていたので、それに合わせたコラージュ画像もチラホラと出回っていた。

別名:殲-17、歼-17

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並列複座戦闘爆撃機
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10V-0 Т-10В-0
静的試験機。
1986年6月19日、制作を承認され、1988年5月には概念設計が発表された。
実際に作られたかは不明。
T-10V-1 Т-10В-1
T-10V、1号機。工場シリアルNo.07-10。
1990年4月13日、初飛行(T-10V-1)。

並列複座型の長距離戦闘爆撃機モデル、Su-32/34(Su-27IB)の試作型、T-10Vの1号機。Su-27UB(工場シリアルNo.07-10)から改造された。
メインギアはシングルタイヤで、テイルコーンや垂直尾翼はSu-27UBのまま。よって他のT-10V及び量産型のSu-34とは一目で違いが判る。

1991年頃、本機は下記のように空母トビリシへの着艦進入を行ないその写真が公開されたことで、並列複座の着艦訓練型だと西側では認識されていた。
1992年2月13日、ベラルーシ・マチュリシ空軍基地にて、合同軍創設を記念するCIS諸国防衛大臣向けの軍用機ショーに、Su-27IBとして出品。この時の本機は、Kh-31、Kh-29、R-77、R-73ミサイルと、KAB500レーザー誘導爆弾を搭載していた。この積み方はSu-34の模型でよく踏襲されている。
更にMAKS 1995にて、Su-27IBとして飛行展示された。

そのカモノハシと呼ばれる特徴的なノーズコーンは、Tu-134SLにて試験されている。Tu-134SL自体は、カモノハシ・ノーズコーンを付けたまま、MAKS 2001にて展示されていた。

また、本機は空母トビリシ(アドミラル・クズネツォフ)にて空中給油と模擬空母着艦進入(着艦した訳ではない)を行なっている。
Su-28K/Su-27KSh(1970年代・T-10艦上機型計画の一つ)、そしてT-10K/Su-27K(Su-33)並列複座型計画(T-10KU/Su-27KU、及びT-10KM-2)の流れがあるので、必然と言えるし、Su-28K/Su-27KShの計画図に見られる並列複座・ボギー式二輪の主脚など、本機系列の設計にその影響があったのは間違いない。のちに空母型Su-32の提案がなされた事もある。

#42(青)
T-10V-2 Т-10В-2
T-10V、2号機。工場シリアルNo.00-01。1993年12月18日、初飛行。
T-10V-1と比べ、中央構造が強化され、メインギアがボギー式の二輪となった。また、テールコーンはスティンガーと呼ばれる大型の物になり、コックピットの天井が高くなっている。
のちにSu-34へと改修され、MAKS 1999にて地上展示。

#43(青)
T-10V-3 Т-10В-3
T-10V、3号機。(工場シリアルNo.00-02?)
静止試験用の機体。ワイヤーで吊り下げた状態で、機関砲の射撃や大型ロケット弾の発射などを行っている。

#41(?)
T-10V-4 Т-10В-4
T-10V、4号機。工場シリアルNo.00-03。1996年12月26日、初飛行。
各種アビオニクスを完備し、システム的に完全な機体。
Su-32FNに改修され、1997年のパリ航空ショーへ出演し、MAKS 1997にて地上展示。機番の343はその時につけられた。
また、MAKS 1999ではSu-32MFと改修・改名されている。
更には2000年にSu-32FN/MFはSu-32へと統一された。

#44(白枠のみ?)→#343(青、小さい・左側のみ)+#44(白枠のみ)+#343(白、機首付け根)
T-10V-5 Т-10В-5
T-10V、5号機。工場シリアルNo.01-01。1994年12月28日、初飛行。
初飛行当初はセンサーなどのシステムが装備されていなかった。
Su-34と改名したが、1995年6月にはSu-32FNとしてロシア海軍向けの改修をされ、魚雷やソノブイを搭載可能に。1995年 パリ航空ショーにてお披露目された。1999年の夏には、高高度への吊り上げ荷重の記録7つに挑戦する為使用されている。
2000年にSu-32へと統一名称化されたが、2006年の量産化決定を受けて最終的にSu-34へと落ち着いた。

#45(白枠のみ)→#45(白枠のみ)+#349(白、機首付け根)→#45(白枠のみ)
T-10V-6 Т-10В-6
T-10V、6号機。工場シリアルNo.01-02。1997年12月27日、初飛行。
試作型では本機のみスティンガー(尻尾の部分)にAPUを搭載。その為、#46に後方監視レーダーはないものと思われる。

#46(白枠のみ)
T-10V-7 Т-10В-7
T-10V、7号機。工場シリアルNo.01-04。2000年12月22日、初飛行。

#47(白枠のみ)
T-10V-8 Т-10В-8
T-10V、8号機。工場シリアルNo.01-05。2003年12月20日、初飛行。
量産型の基本形となった。MAKS 2007に出演。

#48(白枠のみ)
T-10V-9 Т-10В-9
T-10V、9号機。工場シリアルNo.01-06。2006年10月12日、初飛行。
2006年内、量産機1号機として正式に#01(赤)の機首番号がつけられた。

#49(白枠のみ)→#01(赤)
   
Su-27IB Су-27ИБ
T-10Vのスホーイ設計局名称。
ロシア軍でも2000年代初頭までSu-27IBの名称が使用されたのち、Su-32との型式(2000年~2006年)が付与され、ロシア空軍にて正式採用により量産化した際には、Su-34の型式を得ている。
尚、IBとは戦闘爆撃機の意である。
Su-34 Су-34
Su-27IBを原型とし改修した物。俗称でストライクフランカー、プラティパス(カモノハシ)とも呼ばれ、ロシアではウトコノース(カモノハシ)の愛称もある。メインギアはボギー式の二輪。

スホーイは1991年と1992年に、Su-25Tの輸出型を、Su-25TK/Su-34として発表した事もあるが、Su-25T開発計画は、2000年に中止された。
1994年にはT-10V-5がSu-34と改名している為、Su-25TKのSu-34名称は、少なくとも1994年には無かった事になっていたと思われる。
Su-32 Су-32
Su-34の正式名称。当初スホーイOKBがSu-34と命名したが、2000年にSu-32が正式名称となっている。また、Su-32FN/MFも、Su-32へと統一名称化された。
しかし、2006年の量産化によってSu-34に再び名称変更、量産型にはフルバックとのNATOコードがついた。
Su-32FN Су-32ФН
Su-34のロシア海軍向け沿岸哨戒任務用の改修機(T-10V-4、-5)。後方監視レーダーの代わりに、スティンガー(尻尾の部分)にはMADを搭載し、魚雷を装備可能。また、ソノブイ運用能力がある。輸出型の基本形。
T-10V-4はMAKS 1999ではSu-32MFに改修・改名されている。
更にSu-32FN/MFは、2000年にSu-32へと統一名称化された。

【末尾のFN】
FNとはFighter Navy(海軍の戦闘機)の略で、ロシア語ではなく、英語から頭文字を取っている。


#343(青、小さい・左側のみ)+#44(白枠のみ)+#343(白、機首付け根)
#45(白枠のみ)+#349(白、機首付け根)
Su-32MF Су-32МФ
Su-32FNにアクティブ式人工知能システムやアクティブ式ガスト荷重軽減システムを装備する輸出型。
T-10V-4が改修された。

#343(青、小さい・左側のみ)+#44(白枠のみ)+#343(白、機首付け根)
Su-27IBP Су-27ИБП
戦術電子妨害仕様として提案された機体。
Su-27R Су-27Р
偵察仕様として提案された機体。1997年に初飛行したとされるが、写真などは残っていない。
偵察ポッドを装備したT-10Vを指して、Su-27Rとして提案されたのではないかと思う。



フルバック
Su-34 Су-34
2006年、ロシア空軍がSu-34の名称で採用。これによって、フルバックというNATOコードがついた。フルバックはフランカーと同様、ラグビーなどのポジション。洒落が利いている(フランカーには、「側面を護る者」の他、俗語で「ごまかし、インチキ」という意味もあるが)。

スティンガー後端にAPUを装備している為、テイルコーン先端上部にある排気口から見ても、また生産中の写真からしても、後方監視レーダーは装備されていないと思われる。
ただし初期の量産機にはスティンガーの排気口がない為、それらにはスティンガー部のAPUはない模様。

量産初号機(T-10V-9)は2006年10月12日に初飛行し、12月15日には2機がロシア空軍に配備されている。2015年までに58機が生産される予定で、そののちも着々と数を増やし、2020年には120機以上存在している。2027年までに200機生産予定だったが、2022年初頭のロシアによるウクライナ侵攻の影響で損失も発生している為、先行きは不明。


【迷彩塗装】
通常の「スホーイ迷彩」に加え、セルジュコフ国防大臣の意向で採用されたと言われている、上面がダークグレー、下面がライトブルーの「セルジュコフ迷彩」と呼ばれるカラーリングを施した機体がある。


【機番(サイドナンバー)】
白枠のみ及び青の機番を持つSu-34は試作型、量産型は赤の機番となっている。
また、機番は二桁で固定されている為か、赤の機番は別機体でも重複していて、例えば2019年時、赤の#01は5機存在する。
Su-34M Су-34М
近代化改修型。以前に生産された機体も、順次同様の改修を施す計画。
Su-34FN Су-34ФН
対艦・対潜攻撃を可能にしたロシア海軍向けモデル。

*Su-34の原型機=T-10Vは、海外サイトでT-10Bとの表記が見られるが、本来はT-10Vが正しい。Т-10В(キリル文字のВ(ヴェー)はローマ字に直すとV)をT-10Bと読み間違えたのか?
フランカーF variant-1(フランカーF1)
*2002年ごろはフランカーFと表記されていた
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10PU-5 Т-10ПУ-5
イルクーツクで製作された、Su-27PUの試作型。T-10PU、1号機。初期の頃はT-10P-5と呼ばれていた。
試作1号機だが名称がT-10PU-5なのは、T-10U-5(Su-27UB)からの改造機の為。1990年に給油プローブを装備。初飛行は1988年12月。
のちにSu-30MKKの試作2号機へと改造される。

#05(青)
T-10PU-6 Т-10ПУ-6
イルクーツクで製作された、T-10PUの2号機。初期の頃はT-10P-6と呼ばれていた。
T-10U-6(Su-27UB)を改造。初飛行は1989年12月30日(31日とも)。
のちにT-10PMK-6へと改造される。

#06(青)
   
Su-27PU Су-27ПУ
T-10PUの正式名称。戦術データリンクを利用した他機への指揮所機能を持つ、タンデム複座長距離型インターセプター。主に辺境や、洋上の艦隊防衛を目的とした機体。給油プローブを装備。IRSTの位置がSu-27UBは中央なのに対し、Su-27PU/Su-30は右寄りになっている。

生産型1号機(工場シリアルNo.01-01、#596)は1992年2月14日、2号機(工場シリアルNo.01-02、#597)も同年に初飛行。
#596、597、50、51、52、53、54、55、56が確認されている。
のちにSu-30へと名称変更。

8号機(#56)はSu-30Mに改造されたあと、インド向けSu-30MKのプロトタイプとして改造された。
Su-30 Су-30
Su-27PUの正式採用名称。ロシア空軍向けに少数が生産された。1997年・エアタトゥーにて初公開。
尚、イストリビーチェリ(テストパイロッツ)も使用しているが、同チームがロシア軍属でなくなった為、同チームの機体はレーダーや武装などが外されている。
また、2006年以降#50~55のうち4機は、#66~69(赤)に塗り替えられた模様。


#596(白、尾翼):
 1号機。テストパイロッツ所属機。のちにSu-30MK(#603)に改造。

#597(白、尾翼)
 2号機。テストパイロッツ所属機。のちにSu-30LL(#597)に改造され、その後さらにSu-30KN(#02)へと改造された。

#50~#56(青、#51のみ水色)
 3~8号機。
Su-30LL Су-30ЛЛ
Su-30に3次元TVCを搭載したタイプ。Su-30の2号機、#597が改造された。イストリビーチェリ(テストパイロッツ)所属で、IRSTはない。

LL(ЛЛ)とは、Летающая Лаборатория(英字変換:Letayushchaya Laboratoriya)の略であり、日本語で「飛行実験室(Flying Laboratory)を意味する。

のちにSu-30KN計画で使用され、#02の機番と新塗装を纏い、TVCは取り外され、IRSTが装備された。

#597(白、垂直尾翼)

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フランカーF variant-1(フランカーF1):輸出型
*2002年ごろはフランカーFと表記されていた
型式番号 主な詳細
Su-30K Су-30К
Su-30の輸出型。対地攻撃能力を追加、電子装備を変更。1992年4月14日初飛行。
別名:T-10PK

アンゴラ空軍はインド空軍の中古機を購入しており、合計18機を導入。2019年にSu-30SM準拠にアップグレードされた。
Su-30KN Су-30КН
ロシア本国で運用中のSu-27UB、Su-30、及び輸出型のSu-30Kをアップグレードする対地・対艦攻撃能力追加計画で、新造機(#302)や、Su-30MK(#603、KNの計画中はSu-30I-7と呼ばれていた)とSu-30LL(#597)を改造してテストされていたが中止された。
計画自体はのちにSu-30M2として復活。

インドがSu-30MKIと引き換えにロシアに売却したSu-30K・18機を、Su-30KNに準拠しベラルーシが改修する計画があったが、最終的にこの18機はアンゴラが取得しSu-30SM準拠の改修を受けている。


#05(赤?)
 兵装テストベッド機。Su-27UB(#05赤)を使用。

#302(青、製造時) → #302(白枠のみ、塗替え)
 試作1号機。新造の機体で、初飛行は1999年3月。機番を白枠302へ変更し、2000年2月ゲレンジーク航空ショーにてお披露目。2001年にテストを終了。

#02(青) → #597(白、尾翼、2006年)
 試作2号機。2001年、Su-30LL(#597)を改造。

#07(青)
 試作3号機。2001年、Su-30MK(#603)を改造。
Su-30KM Су-30КМ
デジタルコクピット化されるアップグレード輸出型だが、顧客はSu-30MKやSu-30SM準拠のアップグレードに流れているので、実績はなさそうである。

Su-30KNと混同されがち(ズベズダ 1/72 Su-30KNをSu-30MKと間違える)なのと、Su-30MKと紛らわしさから間違えやすい。

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単座型Su-30K
型式番号 主な詳細
Su-30KI Су-30КИ
工場シリアルNo.40-02。

Su-27SMK(#27СМК)から1998年に改造した機体。給油プローブを装備。
Su-30系統で唯一単座型のインドネシア向けモデルとなる予定だったが、アジア経済危機の為、キャンセルされている。
既存機を改造したデモンストレーション段階でキャンセルされた為、Su-30KIは1機のみの存在となる。Su-27SMKからの改造であった為か、Su-27KIとも呼ばれていた。
キャンセルにより試作機としての役目を終えた本機は、のちにSu-27SKM(#305)へと改造される事となる。

尚、航空自衛隊・F-15DJのアグレッサー機2009年塗装(#081)は、Su-30KI(#27)若しくはSu-27SKM(#305)を意識して塗っている(どちらかと言えばSu-30KI(#27)に近いが)。迷彩パターンのうねりや配置がほぼ同じだ。訓練に於いて敵役を演じる機体なので、当然と言えば当然である。

#27(黒、Su-30KI時代)
  ↓
#305(黒) + #371(黒、エアインテイク横) + #305(白、主翼上、尾翼内側、Su-27SKM改造時)




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フランカーF variant-2(フランカーF2)
型式番号 主な詳細
Su-30M Су-30М
Su-27PU(Su-30)の8号機、#56を改造。
タンデム複座のマルチロールファイタータイプ。Su-30Iとも呼ばれていた。量産はされていない。
のちにSu-30MKIの試作機、T-10PMK-1(#01)へと改造されている。
別名:T-10PM

#56(青)
  ↓
#56(青):T-10PMK-1改造直後
  ↓
#01(青):T-10PMK-1改造・塗替え後
Su-30MK Су-30МК
Su-30Mの輸出型。オプションとしてTVCを装備可能(AL-37FPエンジン)。カナード翼無し。
翼下中央のパイロンに一つずつ、30㎜機関砲 9A-4273を搭載したガンポッドを搭載可能で、このガンポッドは地上掃射用に出来ており、砲身を下方に動かす事ができる。
2005年にインドネシアが2機導入した。


【青321】
1993年パリ・エアショー、MAKS 1993で展示。Su-27UB(#389)からの改造機。
のちの2000年7月、Ufa MPOの工場75周年を記念して、Su-27UB(青75)として同工場に展示された。モニュメントなので、ギアが降りているのにも関わらず、脚部格納部のドアは閉まっている。

#321(青)
  ↓
#75(青):Ufa MPO展示時


【黒603】
Su-27PU/Su-30(#596)からの改造機。

#603(黒枠のみ、機首) + #211(青、機首に小さく、左側のみ):1994年・ファーンボロ国際航空ショー
  ↓
#603(黒枠のみ、機首) + #194(青、機首に小さく、左側のみ):1996年・ファーンボロ国際航空ショー


【青501】
試作デモンストレーション機。機首横に『Su-30MK』と描かれている。

#501(青、機首、尾翼内側)


【白502】
T-10PU-5から改造。2001年・パリ航空ショーや、MAKS 2009のデモ機。機首横に『Su-30MK』と描かれている。

#502(白、機首、尾翼内側) + #372(黒、エアインテイク横)
Su-30M2 Су-30М2
Su-30MのカナードとTVCを装備したタイプ。1997年7月1日初飛行。
2010年にテストが完了したフランカーG・Su-30M2(カナード翼無し)とは別物。

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フランカーH
型式番号 主な詳細
  試作機
T-10PMK-1 Т-10ПМК-1
Su-30MKIの試作型、T-10PMKの1号機。1997年7月7日、Su-30M(#56)を改造した。カナード翼、TVC付きエンジン・AL-31FP装備。初飛行は1997年12月。

#56(青):改造直後
  ↓
#01(青):塗替え後
  ↓
#01(青) + 371(黒、エアインテイク横):1999年時
T-10PMK-6 Т-10ПМК-6
T-10PMK、2号機、T-10PU-6を改造した。1998年3月初飛行。
開発中はSu-30I-6とも呼ばれていた。
2号機であるのにT-10PMK-6なのは、T-10PU-6(元・T-10U-6=Su-27UB)からの改造で、そのまま引き継いだ為。

#06(青)
   
Su-30MKI Су-30МКИ
Su-30MKのインド向けモデル。40機発注され、最初の8機はカナード翼・TVCを未装備状態で引渡し。後の32機はカナード翼とTVCを装備する仕様となっている。最終的にはライセンス生産を含め140機を装備する計画(2009年の発表では、2015年までに230機を配備するとしている)。
3次元TVC付きのAL-37PPエンジンを装備可能。垂直尾翼のラダー面積が拡大されている。
電子機器などはインド製のほか、フランス製、イスラエル製の物が搭載されている。

特徴的な塗装の#05、04、02はSu-30MKIの増加試作機。ロシア空軍でテストされた。


#05(青) → #05(青) + 715(黒、垂直尾翼) +05(青、垂直尾翼上)
 増加試作1号機。

#04(青) → #04(青) + 716(黒、垂直尾翼) +04(青、垂直尾翼上)
 増加試作2号機。

#02(青) + 722(黒、垂直尾翼) +02(青、垂直尾翼上)
 増加試作3号機。

#SB219、SB220、SB225、SB232
 2023年1月16日~26日に行われた日印初の共同演習、ヴィーア・ガーディアン23に参加する為、同年1月10日に百里基地へ飛来したインド空軍機。フランカーとしては初来日になる。
Su-30MKT Су-30МКТ
タイ王国向けモデル。2005年12月にタイ王国空軍のF-16の後継として12機の導入が決定されていたが、2006年9月19日に起きたクーデターの影響で中止となった。
Su-30MKL Су-30МКЛ
リビア向けモデル。計画のみ。
Su-30MKM Су-30МКМ
マレーシア向けモデル。電子機器はSu-30MKIとほぼ共通だが西側機器も導入されており、アンテナが西側仕様、警戒システムは南アフリカ製の物である。SAP-518電子戦ポッドを搭載可能で、照準ポッドはフランス製・ダムクル。そして編隊灯を装備している。
2006年より導入開始、18機発注。

2016年2月16~21日のシンガポール・エアショーに参加。
Su-30MKA Су-30МКА
アルジェリア向けモデル。電子機器がロシア製及びフランス製の物に変更されている。SAP-14、SAP-518電子戦ポッド搭載可能。
2019年時点で、合計74機導入されている。
Su-30MKR Су-30МКР
Su-30MKAの偵察機型(偵察ポッド装備?)。機首番号KF-22がそれとされる、ツートン迷彩の機。
Su-30MKA(R)ともされているので、アルジェリア軍内で明確に分けられているのかは不明。
Su-30SM Су-30СМ
2012年9月21日:初飛行(初号機)

Su-30MKIのロシア国内向け仕様。2012年初頭、ロシア空軍は30機を発注し、その後、更に60機が契約された。
2020年時点で、ロシア軍は本機を80機ほど保有。ロシア空軍及び海軍の他、ロシアンナイツでも使用している。

ベースとしたSu-30MKIはインド軍仕様であった為、本来外国製機器だった射出座席や電子機器などが、一部を除きロシア製に置き換わっている。
タレス製3022大型HUDを搭載し、レーダーはBars-R、翼端に電子戦ポッドヒービヌィUを装備可能とした。HUDは2014年以降輸入できなくなった為、2015年にSu-35Sと同じIKSh-1Mに変更された。

#16(赤)、#54(黒)、#75(青)、#77(青)など
Su-30SME Су-30СМЕ
2016年、シンガポール・エアショーにて発表(模型展示)された輸出型。(Su-30SMKではないようだ。輸出型を示すKではなくEなのは何故?)
イランが2016年に購入の意向を示したが、その後は不明。
ミャンマーが6機、2017年バングラディッシュが8機(後に追加で4機予定)発注。
カザフスタンは24機発注し、2018年時点では12機稼働している。
アルメリアは4機購入し、2020年に到着予定だったが、2019年12月27日には全機納入。今後、合計16機の導入をする可能性がある。

ベラルーシは12機の契約を結び、2019年11月には最初の4機が到着した。
Su-30SM1 Су-30СМ1
最新鋭精密誘導兵器を運用可能にした、アビオニクス強化型。
Su-30SM2 Су-30СМ2
Su-35Sと同程度のアビオニクスを始め、Irbis-E(イールビスE)・PESAレーダーや、AL-41F1Sエンジンを搭載するSu-35S準拠のSu-30SM。2020年末に飛行予定。
Su-30SMD Су-30СМД
Su-35S準拠のアビオニクスに、エンジンをAL-41F1Sに換装し、2020年末に飛行予定のアップグレード機。
Su-30SM2と同様の内容から、同機の初期名称と思われる。



フランカーG
型式番号 主な詳細
Su-30MKK Су-30МКК
中国向けマルチロールファイタータイプ。カナード翼とTVCはなく、垂直尾翼がSu-35(旧)と同じものを装備されている。
N001VEレーダー、前席にMFI-9液晶ディスプレイを2基、後席にはMFI-9とMFI-10液晶ディスプレイを各1基装備。
中国空軍用に72機調達。
#503、504は試作デモンストレーション機。
インドネシアも2機取得した。


#503(青、機首、尾翼)

#504(青、機首、尾翼) → #504(赤、機首、尾翼内側)
 KnAAPO(KnAAZ)生産のデモ機。
Su-30MK2 Су-30МК2
Su-30MKKをベースとしたSu-30MKの機能強化型。レーダーをN001VEPに換装し、対艦ミサイル運用能力、空中指揮所能力があり、サプサンE照準ポッド、M400偵察ポッドを搭載可能。

中国で導入実績あり。PLANAF(中国人民解放軍海軍航空兵)は2003年に24機の契約を結び、2004年に全て引き渡された。
ベネズエラも導入し、2006年12月に2機、2007年に8機、2008年に14機就役した。
ウガンダでも2010年に6機契約し、2012年に最後の2機が納機されている。
インドネシアでは2013年時点で9機導入しており、2019年にはベラルーシによってアップグレードされた。

別名:Su-30MKK2
Su-30MKV Су-30МКВ
ベネズエラ向けモデル。ベネズエラ政府は、12機を全部込み4億8000万ドルで購入すると発表した。
Su-30MK2V Су-30МК2В
Su-30MK2のベトナム向けモデル。合計で24機導入予定だったが、2016年時点で32機を運用。
2016年6月14日には、事故で1機が失われている。
Su-30M2 Су-30М2
ロシア・KnAAPOにより開発された、Su-30MK2のロシア空軍向けの機体。2009年に最初の発注がなされ、2010年9月にテストが完了。合計20機発注された。Su-30MK3と共通性を持ち、主に訓練に用いられている。

1997年に初飛行したSu-30M2(カナード翼あり・フランカーF)とは別物。
Su-30MK3 Су-30МК3
中国に提案した機能強化型。ファザトロン・ジュークMSFレーダーを搭載し、エンジンが強化される予定だったが、輸出は実現しなかった。

別名:Su-30MKK3



中国生産型
型式番号 主な詳細
J-16 J-11B(ライセンス契約を無視して違法生産されたSu-27SK)の複座型・J-11BSをベースに、対艦ミサイルの運用能力付与、WS-10Aエンジンを搭載するなどの改修をした機体。中国海軍のSu-30MK2と同仕様である。中国海軍によって運用されているが、ロシアからのライセンスは得ていないので無断コピーである。

2011年にはJ-16はステルス戦闘機だと報じられていたが、実際の所J-11B(Su-27SKの違法生産型)からの派生機、フランカーの違法コピー改設計機であった。

別名:殲撃16型(ジアンジー16)、 殲-16、歼-16
J-16D J-16の電子戦機型。2015年12月18日初飛行。IRSTや機関砲が取り除かれ、翼端ランチャーを電子戦ポッドに変更している。
2021年9月28日~10月3日の第13回中国国際航空航天博覧会(珠海航空ショー)にて、本機が一般公開された(展示機に機番はなかった)

別名:殲-16D、歼-16D